2021.04.27

GIROヘルメット サイズフィッティング 適正なサイズの選び方(後編)

みなさん、こんにちは!
Giro Studio Tokyo 内田です。

前回、「サイクルヘルメットのサイズフィッティング」について、
好み、趣向や用途にあわせたヘルメットの種類や特徴、そしてフィット感の違い(フィット毎のサイズ寸法など)について詳しくご紹介してまいりました。
今回はその「後編」として、グローバルフィット、アジアンフィット、それぞれの特徴・形状の違い、
さらには、実際に頭部を計測した使用例や、フィッティング方法など、詳しくお話ししていきます。

前回ブログ記事は、下記リンクよりご覧いただけます。👇
GIROヘルメット サイズフィッティング 適正なサイズの選び方(前編)

GIROヘルメットのフィットの特徴」

改めて、それぞれのフィットごとの特徴を述べておきますと、

グローバルフィットは、欧米人の平均的な頭部形状に基づき、前後方向に面長。
内部形状を上から見ますと、楕円(オーバル)形状になっており、奥行きもそれと比例し、前後方向の奥行きを深く広くとられています。
(画像左:グローバルフィット)

対して、アジアンフィットは、日本人・アジア人の頭部形状に基づき、前後・左右方向にほぼ均等、真円に近い丸い(サークル)形状になっており、奥行きについてはグローバルとは異なり、左右方向の奥行きを深く広くとり、前後の奥行きについては浅めにしております。
(画像右:アジアンフィット)

GIROは、こうしたアジアンフィットの開発・製造に至る過程には、これまでも日本に来てさまざまなフィッティングや調査を行い、アジア人のフィッティングデータを収集。

欧米人との頭部の特徴の違いをヘルメット内部形状へ反映させ、フィットシステムの取り付け位置から見直すなど、細かな改善を繰り返し積み重ね、アメリカブランドでありながらも、欧米人のみならず、アジア人にとっても快適にフィットできるように取り組んでいます。

こうした違いにより、外部寸法はどちらのフィットも同じになりますが、内部寸法に変化を加えることで前後左右のシェルの成形バランスを整え、強度や耐久性を変えることなく安全性を確保しつつ、フィット感を最適化し変更を加えています。

「採寸と、実際の使用例」

実際に、我々スタッフ間で採寸してみた結果を下記のサイズ表とあわせ、見ていきましょう。
【 頭囲サイズ表 】
 S  :  51〜55cm
 M :  55〜59cm
 L  :  59〜63cm
XL:  61〜65cm

【 頭幅サイズ表 】
・アジアンフィット
S  : 17cm
M : 17.7〜18cm
L  : 18.7〜19cm

・グローバルフィット
 M : 16.7〜17cm
 L  : 17.5cm
XL: 18.5cm

例1)
私(内田)の場合、頭囲サイズ:58.7cm、頭幅サイズ:16.3cm。
このサイズを前回記事の上記サイズ表に当てはめてみると、グローバルフィット:Mサイズ が適正。
実際にも、グローバルフィットの各モデル、Mサイズを愛用しています。

例2)
スタッフ常陸の場合、頭囲サイズ:58cm、頭幅サイズ:17.2cm。
頭囲サイズは内田よりも小さくなりますが、横幅が 1cm 広くなっていることによりフィットが異なり、アジアンフィット:Mサイズ が適正サイズとなります。
実際の常陸も、昔はグローバルフィットのLサイズを使用していましたが、
現在では、アジアンフィットのMサイズを愛用中です。

例3)
スタッフ中里の場合、頭囲サイズ:56.5cm、頭幅サイズ:16cm。
まず頭囲サイズから、Mサイズを選択。
次に横幅を見ていくと、アジアン:M でもフィットはできるものの、よりフィット感の高いグローバルのMサイズが適正。
という手順になります。
実際の彼も、グローバルフィットモデル、Mサイズを快適に愛用中。

採寸したサイズが、サイズ表の最大値に近い数値の場合には、少し余裕を持ってサイズ選択することをお勧めいたします。
この僅かなゆとりを、ヘルメット内部のフィットシステムによって、調整していきます。

このフィットシステムは、個々の頭部形状に合わせ、高さ調整(前方後方の傾斜角度)と、左右からのダイアルアジャスターにより、フィット感・ホールド感を調整することができます。

「ヘルメットのフィッティング・調整方法」

ご自身の頭部形状・サイズ、そして頭部形状に合うフィットと適正なサイズがわかったら、いよいよフィッティング。

1, ヘルメットの着用
ヘルメットが頭部を十分に保護できるよう、視界を遮らない程度に目深に被る。
(眉の上、額が隠れるくらいが目安です:上画像)

2, サイドストラップの調整
ヘルメットが適度にフィットすると、前方・後方からくるサイドストラップは、ある程度、耳の下の位置で繋がってくると思います。
サイドストラップが交差する部分にあるアジャスターを耳のすぐ下に位置するように上下にスライドさせ調整します。(上画像)
こうすることで、ヘルメットの前後左右へのズレや、走行中の風によるストラップのバタつきも抑えられます。

3, チンストラップとバックルの調整
チンストラップは、顎(前方)ではなく喉元(奥)にて程よく締めることが大切です。
口の開閉が楽にでき、圧迫しない程度。
(ストラップを締めた状態で下を向き、喉とストラップの間に指が一本入るくらいが目安です。)
ストラップの端は、ストラップに付属しているラバーバンドで固定します。

4, フィットシステムの調整
ヘルメットを装着した状態で、ヘルメットを前後左右に動かしてみて額の皮膚も一緒に動く程度に、頭部へしっかりと、かつ、程よくフィットさせます。
後頭部にあるダイアルアジャスターを回し、痛みが出ない程度に程良い加減で調整します。
(上画像)

5, フィットシステムの高さ調整
ヘルメットモデルによっては、フィットシステムそのものを上下にスライドすることで、高さ調整が可能なモデルもあります。
*モデルにより、調整部位の形状は異なります。(上画像)
これは、ヘルメットを着用した際の傾斜角度の調整で、頭部形状やサイズ、そして使用用途やアイウェアとの相性などにより、好みで調整ができるようになっていますので、ご自身の最も快適な位置へと調整してください。

6, フィットの確認
ヘルメットをしっかりと装着した状態で、ヘルメットを両手で掴み左右に動かしてみて、額の皮膚がヘルメットの動きに合わせて一緒に動くかどうか。
皮膚が一緒に動かない場合は、緩い可能性があります。

次に、ヘルメットを両手で掴み前後に動かします。
視界が遮られるほど前方へ下がる、もしくは、額が大きく見えるほど後方へ上がる、といった具合に前後へ動いてしまう場合は、ヘルメットが適切にフィットできていません。

これら上記のステップを通して、しっかりと適切にフィットできるように調整を行います。
全てのストラップを調整・固定したのち、満足なフィット感が得られたら、いよいよ実走してみましょう。
短距離のテストライドから始め、できるだけ快適性を得られるよう細かな微調整を行っていき、ベストなフィット感を得られるよう調整しましょう。

「実走行でわかること」

実際に想定した用途・場所で走行してみると、乗車姿勢による角度調整や路面からの振動など、あらゆる外的要因もふくめ微調整が必要になってくると思います。

さらに、季節や外気温によってもヘルメットの下にキャップを着用したりすることでも、フィット感が異なってきます。

ヘルメットは、大きすぎてもよくないですが、タイトすぎても状況によってはストレスにつながることもあり、
例え、サイクリングが長距離・長時間になったとしても快適に楽しむために、使用する用途に合わせた最適なもの、フィット・サイズを、自身に適切にフィットさせ着用することで、最大限のパフォーマンスを発揮できます。

全ては、安全で快適なライドを楽しむために。

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内田 雅樹
内田 雅樹
学生の頃よりMTB(当時はATB)に乗って長旅や、冬はスキーで山籠り… そんな日々を経て、自転車販売にも長く携わってきた経験も活かし、現在はGIROブランドとともにライドスタイルを提案。 休日には、好みのスタイルで、お気に入りのバイクを連れてご機嫌なライドへ出たり、アート鑑賞や読書にふける。 ロード、グラベル、MTB、CX、さらにキャンプへと、ますます多方面へ遊びフィールドを拡大中。