2021.10.13

GIRO SPHERICAL(スフェリカル)テクノロジーとは? より快適に安全性を高めたサイクルヘルメット

みなさん、こんにちは!
Giro Studio Tokyo 内田です。

ロードバイク、グラベルバイク、そしてMTBなど、さまざまな用途で自転車を始める方も多い中、サイクリングヘルメットを選ぶ時に、最も重要視したい要素が大きく3つあります。

・安全性
・快適性
・フィット感

GIROが、ヘルメットをつくる時に重視する先鋭的なデザイン性もさることながら、
特に重要視しているのは、やはりどのようなシチュエーションであっても安全であり快適なこと。

そこで今回は、GIROヘルメットにおいて最も注目され、店舗でもよくご質問も受ける、安全構造:MIPS と、そして SPHERICAL(スフェリカル)テクノロジー について、機能・構造の違いなどを詳しくご紹介します。

*ヘルメットのサイズ・フィット感については、下記「GIROヘルメットサイズフィッティング」についてのブログ記事(前編・後編)に詳しく掲載しています。こちらもあわせてご覧ください。
適正なサイズの選び方(前編)
適正なサイズの選び方(後編)

サイクルヘルメットの 安全性・快適性

サイクリングをより長く(距離・時間や、期間も)楽しむためにも、欠かすことのできない、安全性・快適性。
これまでも、GIROヘルメットの安全性を担っている、あらゆる方向からの衝撃などから頭部を守る安全構造:MIPS(ミップス)。
MIPS
は、ヘルメット内部に薄いライナーを設けており、外側のシェルと別々にスライドするように動く二重構造となったものです。(下写真:SYNTHE MIPS AF)

これは、走行中での転倒衝撃においても、ヘルメットの内部と外部がズレるようにして衝撃をいなし軽減する、走行・移動している最中でのさまざまな方向からの衝撃においても機能し、頭部へのダメージを和らげるという働きを持っています。
*MIPS構造についての詳細は、こちらのリンク「MIPS IS MOVEMENT」よりご覧いただけます。

ここからさらに、GIRO社とMIPS社にて、このMIPS構造の欠点を洗い出し、GIROのサイクル部門のみならず、スノー部門でのノウハウをも共有・活かし、新たな発想・アイデアから生み出したものが、SPHERICAL(スフェリカル)テクノロジー です。

GIRO SPHERICAL(スフェリカル)テクノロジーとは?

これまでのMIPS構造を、より効果的に機能させ、そして直接触れる頭部へのストレスを可能な限り低減させる。

そうした考えのもと、安全性をより高めるために、シェル構造・密度の見直し、その外部シェルを2分割し、それぞれが独立してスライドできるようにMIPSの二重構造を取り入れるというユニークなアイデアにより誕生。
この構造は、より高い次元での安全性も求められるスピード競技であるスノーヘルメットに早い段階で採用され実績も積み上げています。

このスフェリカル構造を、サイクルヘルメットとして初めて採用したのが、GIRO AETHER SPHERICAL となります。
SPHERICAL(スフェリカル)構造の動きがわかりやすい下記動画もあわせてご覧ください。

2つの異なる密度のシェルにより様々な衝撃から頭部を守る

2つに分割した外部シェル(上写真)を構成するEPSフォーム(密集したビーズを発泡して作られたフォーム)を、それぞれ異なる密度とすることで異なる強度を持たせる。
これにより高速時・低速時といったさまざまな状況を想定した衝撃にも対応できるよう、プログレッシブレイヤリング と呼ばれる技術を採用。
・高密度ポリカーボネートシェル:高速時の激しい衝撃
・低密度ハードボディシェル:低速度の鈍い衝撃
それぞれの反発特性を調整・活かすことで、オールロード、グラベル、MTBなど、あらゆるシチュエーションに沿って、オン・オフ問わず多様化している幅広いニーズに適応するラインナップを揃えます。

ヘルメット内部がスッキリ! 頭部へのストレスを低減し快適に

MIPSの二重構造が外部シェルへ移設されたことで、ヘルメット内部に余分なライナーが無くなり、フィットシステムのみのスッキリとした構造に。

そして、シェルに設けられたベンチレーションホールと組み合わされるように内側に配置・設けられた横方向の溝(ウィンドトンネルベンチレーション)が、外からの空気を頭部へ効率良く通し、冷却効果を高めます。
ヘルメット内部がスッキリとしたことで、頭部に触れる密着する部分を減らしストレスや不快感を低減。
いかなる状況でも頭部に風が通りやすく、通気・冷却効果が高められています。

SPHERICAL(スフェリカル)ヘルメットの実際の使用感、そして利点

MIPS採用モデル(SYNTHE MIPS)と、SPHERICAL採用モデル(HELIOS SPHERICAL)にて、その違いや、スフェリカル構造による実際の使用感や利点など、ぼくなりに感じられる部分をお伝えしたいと思います。

・フィット感

私(内田)の場合、ヘルメットのフィット感的に、Mサイズをほぼ隙間なくジャストサイズにてフィットさせていることもあり、
特にSYNTHEの場合に、ダイレクトにMIPSのシェルとの接合部分が頭部へ当たり、若干気になります。
これはやはり、頭部形状により当たり方は様々となりますが、特にぼくのようにギリギリのフィット・サイズ感の場合には顕著になるかとは思いますが、各種サイクルキャップなどが着用できるくらいの少し余裕を持ったサイズやモデルを選択することで回避・改善できる問題でもあります。

HELIOSの場合には、ヘルメット内部がスッキリとしていることで、同じサイズでもわずかながらもゆとりができるほど。
内部に当たるようなものや不快感もまるで無く、ライドが長時間となってもストレスなく快適そのもの。

・通気性

この項目では、ややエアロフォルムでAETHERにも匹敵するエアフロー性能を持つSYNTHEが若干優位かと思えます。
実際、特に高速域での風の取り込みにおいて、SYNTHEの頭頂部の風の抜け方が素晴らしい。
(*これは、AETHERと比較した場合には、SPHERICAL構造かつ、より大型のベンチレーションを持つAETHERの方が優れてきます。)

HELIOSは、ベンチレーションホールを小さく、かつ数多くすることで、特に低速においても熱を逃しやすく蒸れを回避できるという特徴を持っています。

これは、特にヒルクライムや、ダート・グラベルなどの走行時に有利に働きます。
(*AETHERと比較した場合、HELIOSの方が軽量に仕上がっていることも負担を軽減し、この特性を優位にしています。)

SPHERICAL(スフェリカル)を採用したモデルは、特にぼくのような頭部形状によるタイトなサイズ・フィット感の場合にはメリットも多く、これまでのGIROヘルメットの中でもかなり快適です。
しかも、細部を含めて言いますと、わずかながら内部が広いHELIOSは、AETHER、SYNTHEと比較しても一番快適にフィットしています。

用途的にも、いま注目が高まっているグラベル走行において、未舗装路での急勾配を含むアップダウンや、変わりやすい天候の中などという路面コンディションが変化に富んでいる場合には、特に最適に思います。

また、オンロードにおける長距離や、小気味良いアップダウンを繰り返すワインディングロードなどでは、AETHER、SYNTHEのエアフローは特筆もの。

みなさんの好み、趣向、用途や使用状況にあわせ、それぞれ選択肢も変わってくると思います。
ですが、迷ったら SPHERICAL(スフェリカル)
良いと思います😎

まだ試したことがない、という方はぜひお店でお試しください。
ご不明点・サイズ感などは、お電話(03-6809-3998)、メール にてお気軽にお問い合わせください。

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内田 雅樹
内田 雅樹
学生の頃よりMTB(当時はATB)に乗って長旅や、冬はスキーで山籠り… そんな日々を経て、自転車販売にも長く携わってきた経験も活かし、現在はGIROブランドとともにライドスタイルを提案。 休日には、好みのスタイルで、お気に入りのバイクを連れてご機嫌なライドへ出たり、アート鑑賞や読書にふける。 ロード、グラベル、MTB、CX、さらにキャンプへと、ますます多方面へ遊びフィールドを拡大中。