ダイヤルを回すだけで、簡単にフィットを調整できるBOA。
今ではロードシューズでもおなじみの装備ですが、同じBOAを採用していれば、履き心地も同じなのでしょうか?

実は、ダイヤルだけではフィット感は決まりません。
ワイヤーをどこに通し、どのようにアッパーを引き寄せるか。
そして、その力をどう足に伝えるか。
GIROは、その設計にシューレース、つまり靴紐の履き心地から得た考え方を取り入れています。
靴紐、ベルクロ、ラチェット式バックル、そしてBOAなどのダイヤル式。



ロードシューズには、時代とともにさまざまな固定方式が取り入れられてきました。
靴紐は、足の形に合わせて細かく締め具合を調整できるもの。
ベルクロやラチェット式バックルは、着脱のしやすさや、確実な固定を支えてきました。
そしてBOAは、ダイヤルを回す操作で、素早く細かなフィット調整を可能にしました。

ですが、操作が簡単になっても、大切なのは足に合った状態で保持すること。
強く締められることと、心地よくフィットすることは、それぞれ考える必要があります。
GIROはベルクロやラチェット式など、固定方式が多様化する中でも、
紐(シューレース)タイプを作り続け、その履き心地を現代のBOAダイヤルに落とし込んでいます。
足が動かないようにダイヤルを締めたら、甲の一部分がきつくなった。
そこを緩めると、今度は別の場所にゆとりが残ってしまう。
BOAは少ない操作でしっかり締められるため、必要以上に締め込んでしまうこともあります。

また、足の形とシューズが合っていなかったり、引き締める力が一部分に偏ったりすると、局所的な圧迫につながることがあります。
靴紐のシューズは、甲の左右にある複数の穴へ紐を通して締めていきます。

前足部から足首側まで、いくつもの場所でアッパーを引き寄せることで、足の形に合わせてフィットをつくれます。
GIROは、この靴紐のフィッティングをBOAシューズの設計にも生かしています。
GIROのBOAシューズを見ると、ワイヤーが甲の左右を行き来しながら、複数のガイドを通っているのがわかります。

この通し方を「レースルーティング」といいます。
どの位置で、どの方向にアッパーを引くかを計算し、締め付けが局所的にならず、足全体がしっかり馴染むように設計されています。

靴紐のようにアッパーを引き寄せ、足を包み込む。
GIROは、その感触をBOAでも目指しています。
ワイヤーの通し方とあわせて、履き心地を支えているのが「ソフトレースガイド」です。
これは、ワイヤーを通す部分に柔軟な素材を使ったもの。

GIROは、ワイヤーの張力を受け止めるガイドにも柔軟性を持たせることで、一部分に力が集中しにくい構造をつくっています。

靴紐とBOAのワイヤーでは、素材のしなやかさや伸び方が異なります。
だからこそ、紐と同じように通すだけでなく、ガイドの素材やアッパーの柔らかさまで含めて考える必要があります。
ワイヤーを引いたときに、ガイドが力を受け止め、アッパーが足に沿って引き寄せられる。
この組み合わせが、しっかり保持しながら、足を包むフィット感につながっています。
こうしたフィットへの配慮は、トップモデルだけのものではありません。
REGIME IIでは、ダイヤルの配置、ワイヤールート、アッパーのラッピング形状を組み合わせ、甲への圧力を分散するように設計されています。

CADET IIにも、ソフトレースガイドを採用。

モデルごとにダイヤルの数やアッパーの構造は異なりますが、足を包んで保持する考え方は、幅広いモデルに取り入れられています。
BOAがいくつ付いているか。
どのグレードのダイヤルを使っているか。
それに加えて、ワイヤーがどこを通り、アッパーをどう引き寄せているかにも注目してみてください。

試着では、強く締めなくても足が安定するか、甲の一部分だけがきつくなっていないかを確かめるのがおすすめです。

靴紐の包み込む履き心地を、ダイヤルの使いやすさとともに。
GIROのBOAシューズには、そんなフィットへのこだわりが込められています。