着用努力義務がスタートし、街なかでもヘルメットを被っている方を目にするようになりました。
努力義務でなくても、万が一の事故に備えてヘルメットを着用する必要があります。
そうは言っても、必要性をまだ感じてない人も多いはず。
様々なタイプのヘルメットと、その安全基準。選び方からその特徴まで色々と見ていきたいと思います。
言うまでもなく、死亡事故につながる損傷部位は圧倒的に頭がダメージを受けています。
安全に自転車でスポーツを楽しむために、移動の手段とするためにもヘルメットの着用はとても重要と言えます。
努力化だからと甘く見るのではなく、しっかりと身の安全を自身で守っていく必要がありますね。
自転車ヘルメットには様々な安全基準が設けられています。
使用される国ごとに求められる基準が異なる場合や、その国独自の基準やレースイベントに参加するための承認マークまで、じつはいろいろなマークがヘルメットについていたりします。
せっかく被るのであれば、どの基準で安全性を担保されているのかは知っておきたいところです。
大統領直属の独立政府機関である、アメリカ合衆国消費者製品安全委員会が定める安全基準で、アメリカで流通する多くの製品が該当します。
アメリカ国内のみならずグローバルに流通しているヘルメットの中で標準的な安全規格として考えられている安全基準でもあります。
GIROはアメリカブランドになりますので、もちろんアメリカ国内で流通するモデルにはCPSCの記載があります。
製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件(使用者・消費者の健康と安全および共通利益の確保を守るための条件)を満たすことを証明するマークです。
EU内で流通させるのに必要な製品基準でありますが、細かく分類されており自転車のヘルメットはEN1078に分類されます。
日本で販売されているGIROヘルメットは、基本的にこのCE規格の製品が輸入されています。
(一部CPSC規格の製品もあります)
オーストラリア、ニュージーランドで独自に制定された自主規格です。
各ヘルメットメーカーはこの地域に輸出する製品にはこの規格を通す必要があります。
独自の基準となるので日本国内でこの規格の製品が販売されることはありません。
日本よりも早くからヘルメットの完全義務化がされているエリアで旅行の際にレンタサイクルを借りる場合でもヘルメットを被らないと罰則対象となります。
Safety Goodsの略で日本国内の安全基準です。
消費生活用製品の安全性を認証する任意の制度である。対象となる消費生活用製品は、乳幼児用製品、福祉用具、家具、家庭用品、厨房用品、スポーツ用品、レジャー用品など100品目を超える。対象製品ごとに基準(SG基準)が定められており、基準に適合していると認証された製品に対してはSGマークが表示されている。
日本国内の任意の制度となり、GIROを含めた海外ブランド製品にはSGマークが付いていない場合が多いです。
日本自転車競技連盟(JAPAN CYCLING FEDERATION)の安全基準に合格したヘルメットであることを示します。
安全基準に合格するためには、日本自転車競技連盟のヘルメット公認 / 推奨要領に適合しヘルメットの性能また試験基準に適合しているか、SGマーク、CEマーク、CPSCマーク表示を持つものとされています。
ロードでレースに参加しようとする場合にはこのJCF公認ヘルメットの着用を求められる場合があります、同じヘルメットでも海外からの通販購入などでは公認シールは付いていませんので大会への参加が認められません、ここも気をつけるポイントになります。
(JCFシールのみの購入はできません、剥がれた際の再入手も不可ですので気をつけてください。)
これらの安全基準は国ごとに様々なものが存在しています。
世界的にはCPSC、CEの対象となるヘルメットが多く流通しているということになります。
また当然ながら日本独自のSGマークは国内メーカーの製品であれば添付されていることが多くもなります。
ヘルメットも正しくかぶらなければ安全性を損なうことにもつながります。
ただ頭に乗っていればいい訳ではありません、正しい被り方を理解してより安全性を高めてください。
街でよく見るヘルメットあるある、おでこが全開。
せっかく被っているのにヘルメットが衝突する前に顔面からぶつけてしまったり、後方に脱げやすくなりその結果あご紐で首を絞めてしまったり。
必ず次の写真のような被り方をしてください。
眉上あたりを目安に、深く被りましょう。
先の写真のように帽子のように浅く被るのは絶対ダメ、本当に衝突してしまったときにきちんと守ってもらうことができません。
しっかり深めに、眉上がポイントです。
あご紐は指1〜2本くらいが入る程度を目安にするのが適当な締付け具合になりやすいです、苦しくならずかつ顎から外れることもなく、しっかりとホールドしてくれるところを見つけてかぶってください。
正しい角度で被ることができたら、おでこ部分を抑えながらアジャスターを締め込んで行きます。
左右に首を振ってもヘルメットがブレず、ヘルメットをずらそうとすると一緒に頭皮が持っていかれるくらいの締め付け加減が目安になります。
ヘルメットには様々なデザインが存在します。
駅までの足で使う自転車や、スーパーまでのお買い物といった日常的な用途と、競技として速さを求めるものでは当然必要な要素が変わってきます。
街で乗るにはこのような小さなつば付きでまるっとしているデザインのものが多くあり、実際に可愛らしく被ることができます。
当然ながら被っていない状態に比べ頭部に熱を持ちやすくもなってしまうために機能的な風の通り道は確保されたものが望ましいです。
マウンテンバイクのような荒れた道を行く場合にはこのようなしっかりとしたバイザー付きで後頭部までしっかり深く被れるタイプがおすすめです。
よりアクション的な乗り方をする場合でもしっかりと頭部を守ってくれることができます。
街で乗る場合でも、アウトドア系ファッションと合わせて使うのも、コーディネイトとしてはかっこよくまとめることもできますね。
ロードタイプのバイクでスポーツを楽しむなら、やはり気になるのは冷却効果、空気抵抗、重量など。
他のタイプに比べると大胆に風穴のあるデザインも多く、強度の高い運動に対してもパフォーマンスを上げてくれる手助けもしてくれます。
それだけではなくそれぞれのデザインには機能が隠されており、同じ強度で走っただけでゴール地点では何秒もの差がつくような空力を再現するようなモデルまで。
ここ10年で、車体そのものがすごい勢いで進化を遂げレースの世界では平均速度がかなり上がっています。
故に、ひとつの落車事故から大きな悲劇へとつながる事例も増えており、ヘルメットに求められる安全性も大きく変わってきています。
スポーツ機材として様々な機能が盛り込まれたヘルメットが多いのもロード系スポーツヘルメットの特徴とも言えます。
用途ごとにおすすめしたい売れ筋5選のご紹介
アーバン、シティモデルの一番人気はこのCORMICK MIPS
しっかりとした通気性、汗止めパッドを兼ねたソフトバイザーがデザイン的にも特徴的。
大きな風穴は、駐輪時にワイヤーロックでヘルメットを自転車と同時ロックするにも便利、街乗りには最適なおすすめヘルメットです。
街用と言いながらもさらなる安全性を補填してくれるMIPSが装備されており、この機構は転倒時の脳のねじれを抑え後遺症を残さない可能性を引き上げてくれます。
もう少しスポーティーなヘルメットもかっこいいなと言うのであれば、REGISTERヘルメットがおすすめ。
取外し可能なバイザーも付いており、日差しの強い夏場は装着してより軽快に見せたいのであればバイザーを工具無しで取り外すことができます。
上位モデルに引けを取らないインモールド製法で強度もしっかり、なのにアンダー1万円と手に取りやすいヘルメットです。
スポーツとしての自転車を楽しむならこのモデルが間違いなくNo.1セールス
モデル名にあるAFとはアジアンフィットの略で、我々アジア人の特徴である丸くて幅の広い頭に合うように設計されています。
少し深めなデザインでロードからグラベルまで幅広く使える、機能と価格が非常にバランスの取れた優れたヘルメットです。
このモデルも脳へのダメージを減らしてくれるMIPSが装備されています。
ダート系ヘルメットによくあるハードバイザーがセット
バイザーをセットすればもともと普段着に近いデザインのウェアで楽しむマウンテンバイク向けのヘルメットとなりウェアにも合わせやすく街にも溶け込みやすい、またバイザーを外しキャップと合わせればアーバンスタイルのヘルメットへと変貌します。
デザイン的なヘルメットの特徴でもある後頭部までしっかり守ってくれる深さは、安心感でしかありません。
現在のGIROヘルメットの上位モデルであるECLIPSE SPHERICAL AF
このモデルは突き抜けたエアロ効果と、通常エアロヘルメットでは弱点となる冷却効果を兼ね備えてしまったいい所取りのヘルメットです。
しかも商品名にあるSPHERICALとはヘルメット自体が二重構造になっており、MIPSの最新構造としてGIROの属するグループ企業でしか商品化されていない安全機構。
当然ながら価格も突き抜けてはいますが、趣味の自転車で安全性と機能を追い求めるならこのヘルメットの存在も知っておく必要があります。
ヘルメットを被ることは自分の安全を守ることはもちろん、家で待ってくれている家族の為にもなります。
周りの人との安心で幸せな時間を続けていくことにもつながっていきますから、この4月からの努力義務をきっかけに自転車に乗ることの安全というものを考えて行きませんか。