なかなかソロライドでは追い込めないので、今回はGranfondo MYOKOに参加して距離160km 獲得標高3800mの究極にタフなライドをフラットソールシューズで走ってきました。
※「究極にタフなライド」とはあくまで今の自分達のライド力に比べてになります。
このライドを余裕でこなす方もたくさんいますが、正直自分達としてははかなりチャレンジングなライドです。その辺りをふまえてご覧ください。
前回のニュースでは、フラットソールシューズのメリットとデメリットを以下の通り上げてみました。
◆デメリット
・立ち漕ぎでの引き足が使いにくい
・荒れている路面で足がペダルから外れる・浮く
◆メリット
・自由さ
・軽さ
・登りと下りで足の位置を調整でき、使う筋肉を分散できる(下りでは若干土踏まず寄りに足を置くとふくらはぎの負担が軽減に)
・疲れの取れやすさ
・足に違和感を感じたとき(自分の場合膝)のリカバリーのしやすさ
・転倒時のリスク回避
・踏み面が広く安定する
◆その他
・ビンディングが外れないために発生する『立ちゴケ』する可能性がない
・ペダリング中に踏み外すという意見もあるが、スタート時にビンディングを踏み外す可能性の方が高い
やはりメリットの方が大きいのではないかと思いますが、色々な状況の時の感想を書いていきます。
◆平坦〜ゆるい慣性を活かせる登り
・問題なく、ビンディングと大差なし。
・縛られる感じがないからリラックスして走れる
◆テクニカルな登り・砂利の登り
・ビンディングの場合、引き足を使ってバランスを取ることが多いからビンディングに軍配。
・深めの浮き砂利や、砂の区間は多少無理に引き足多用してペダリング一周全体でトルクを安定させたいからビンディングほしい。
◆下り
・ペダルを踏む位置を自分で調整できるからフラットペダルが好き。
・溝やギャップを超える動作をビンディング任せにできないからここの部分は少し大変。(フラットペダルでもできるけども、イザというときビンディングなら無理やりにでもできる。)
◆このコースのポイントは18km続く登りx2
・今回のアスファルトのキツめの登りはどちらでもOKだと感じる。
・引き足を多用する方はビンディングでもいいけど、引き足で使う筋肉の方が小さく、そんなに長時間使えないはず
◆スプリントとトラクション
・今回はなかったけど、やはりこの2つはビンディングの大きなメリット
・ただしスピードは落ちるけど、フラットペダルでそれができると結果キレイなペダリングが身につく
◆トータルでは?
・全体を通して、上に書いたポイント以外ではスピードが遅いを感じることはなかった。
・踏む位置を自由に変えられるのがGOOD
→高回転で回す時は拇指球辺りがペダリングしやすい
→下りに入ると少し土踏まず寄りにすれば疲れてきたときにも踏ん張れる
・ふらついたらすぐ足が出せて安心
・疲れてきている時にビンディングを外す面倒がない
・安心感を持ってライドするならフラットペダルが絶対良い
今回特に意識してペダリングしていましたが、よくビンディングを使ってできることで言われるのが『引き足』ではないでしょうか。
確かに上手く引き足を使えると『スピード』に直結します。
でも、この引き足ってペダルが一番下の位置から半分位戻るまでの位置(反対側の足が力が入り始めるまでの所)の状態で、自分の足の重さがペダルに残っているから、それを引き上げるのが引き足の第一歩。
つまりペダルを引き上げているのではなく、自分の足の重さ分を抜重している(自分の足の重さを引き上げている)イメージです。。
それならフラットソールシューズでも十分できるなと以前から感じていました。
なぜなら抜重だけなら、ペダルを引き上げていないから。
(もちろん円運動なので、ロスが無いようにペダルの軌道でしっかり足を回転させる必要はあるけど、乗っていくうちに慣れる。)
ビンディングは長距離を走る際に助けになりますが、こうして見るとフラットペダルのメリットも十分あります。
全く違うジャンルでも脱ビンディングペダルをしたライダーがフラットペダルで楽しんでいます。
オリンピックでも3位になったBMXレーサー、ニック・ロング。
BMXレースも速さだけを求めるとビンディングペダル一択です。
楽しさ重視になると結局は行き着く所はそこなのかもしれません。
ざっくり言うと距離160km 獲得標高約3800m(内グラベル区間30km)のスーパーハードなグランフォンド。
第一回目から出ていますので、様子が気になる方はこちらのリンクから是非御覧ください。
増田 直樹
27年前にツーリングがしたくてMTBを手に入れ琵琶湖一周。
その後ダートライドに辿り着くにはそう時間はかからず、さらに1年後にはダウンヒルレースにハマっていた。4Xレースで日本一になったり、日本代表で世界選手権へ行ったり、ハードテイルダウンヒルでアメリカNo.1になったり、アメリカで救急車で運ばれたりしたけど、今でも楽しく自転車に乗っている。
今もダウンヒルにハードテイルで出るし、グラベルイベントも走るし、気付けばあの日から片時も離れず自転車に触れてきて、これからもそうであることが楽しみでしかたない。
土井 昭
幼少期に全日本モトクロス選手権を観戦しに連れて行ってもらい幼稚園児の頃から近所で自転車でウイリーやドリフトなどを使いレースごっこを。
小学2年生でBMXレースに出会い、4年生の時に全日本選手権で2位。MTBもロードも当時から広く深く自転車を楽しんでいた。
高校一年生でBMX世界選手権に出場。アメリカ遠征などで経験を積み、MTB 4Xでは4X NUGプロクラスシリーズチャンピオン、30代後半ではBMXでマスターズクラス全日本チャンピオン2回、代表権をつかんで世界選手権出場。
そしてBMX練習中に大怪我…、復帰してから楽しみの幅を広げSDA王滝100kmで6時間切りで42位、シクロクロスはC2(だった)、そしてグラベルイベントなどにも参加しながら広〜く楽しんでいる。
ふたりとも30年前後自転車に乗り続けてきて、フラットシューズもビンディングシューズも使い込んできました。さらにどちらも超スプリントレースをしており、ビンディングペダルの良さも十分に分かっています。
しかし長く深い自転車歴で、最大に楽しむ時はフラットペダルであることが圧倒的に多いですね。フラットペダルのメリットは自由で安全。それが大胆なチャレンジや、楽しいライディングを産んでくれるし、それがあるからさらに楽しんでいる中で上手くもなる。
なのでこれからも基本的にフラットペダルで楽しみます。(ビンディングペダルのメリットが圧倒的に上回る場合はそっち使うかも…笑)
いつも楽しみにしつつ、あまりにキツいからエントリーする時にためらってしまう、そんなグランフォンド妙高。
事前情報はグラベル区間を含む160km獲得標高4000m、正直自分達にはタイムカットも十分考えられる難易度高めのライドです。
本来は妙高の笹ヶ峰林道を通るのですが、通行止めでルートが大きく変更されてGravelBikePark斑尾でおなじみ斑尾高原の横を通るルートへ。
今回のメンバーはドイ・マスダ・マツノ・イトウの4人。
グランフォンド妙高では必ず何かが起こってしまうのだが、今回もその予感しかしないメンバーである。
こういったイベントでは寝不足や移動の疲れが最大の敵になるので、前日の土曜に早めに移動して受付を済ませブリーフィングも聞いて準備万端。みんなで野尻湖一周サイクリングするくらいの余裕ぶり。
当日は4時起き、会場には5時頃に到着し、6時のスタートに向け準備します。
ドロップハンドルのグラベルバイクが大半ですが、MTBやファットバイク、ロードバイクの方までおられ、それぞれの得意分野へ振ったスタイルも見られます。各々の作戦がどう出たのは気になる所です。
主催のRide Japanのアダムさんがスタートのコール!緩やかに全体が動き出す。さて、そこからは各自それぞれのペースで進む。
ドイは涼しい時間帯にできるだけ距離を稼ぐ作戦で、先頭集団から第2集団で、我々4人の中では先頭を進みます。
最初に飛ばして過去に痛い目にあっている他の3名は同じようなペースで結局固まって走っていたが、今回は昨年までのチームで完走を目指すのではなく個人戦。それぞれ楽しく話しながら進んでいるが、お互いにスキを探している(はず)。
ほぼ一緒のペースに感じているが、実際には場所によって得手不得手があり、緩い登りや平地や下りやコーナー、それぞれが微妙に相手に合わせて調整している。が、それが後々の疲れにつながるから、早めに自分にとってリズムの良いペースにもっていくことが重要。
しばらく走り、妙高杉ノ原辺りのグラベルでマツノがポンプを落とす、その数秒後にイトウが枝を拾ってガチャガチャなってる。ここでマスダは待たずに先に進む。
そもそも体力がないので、人のペースに合わせる余裕がない…見捨ててごめん!
赤倉温泉スキー場、関温泉スキー場を良い感じのルートでつないでいく。
大きく迷わずペースも良く。
とにかく前と離されると逆転のチャンスはまずない。
コース内最長の登り『斑尾クライム』がチェックポイント前にそびえている。しかも今日はこれを2回とか…
行くしかないので、リズム良く登っていく。疲れず自分のペース崩さずに。
チェックポイントでも休憩は最小限にし前を追う。
実はここを出発する時にマツノが到着したのが見えたのだが、あまり近くにいることに気付かれてしまうと、追いつかれる可能性があったのでソッと声をかけずにスタートしていく。
(マツノの戦いもありその模様は別レポートにて→https://www.diatechproducts.com/archives/34260)
チェックポイントの後は斑尾高原を通る。この3連休は台風の影響も懸念されつつもこの土日は快晴、斑尾高原のキャンプ場も満員御礼状態で忙しそうな中GravelBikeParkでお世話になったスタッフの方が見えたので、少しご挨拶…「あともう1回登ってくるので(笑)」と言いながら5分程休憩して元気をもらう。
さらにその後のグラベル登りではこれまたGravelBikePark斑尾のボスにバッタリ!実はこの日『信越五岳トレイルランニングレース』が1000人規模で開催されており、それのボランティアとして大忙し。
冬は斑尾パトロールの隊長、夏はトレイル切り開いたり、グラベルパーク開拓もするし、ものすごくパワフルでさらにパワーをもらい、こちらもグイグイ進む。
その後の野尻湖までのグラベルダウンヒルもATBスタイルタイヤサイズ2.1の恩恵を受けてかっ飛ばしていく(もちろん公道なので、もしもの対向車に対する安全マージンはしっかり取る。)
1周目通過の理想は10:30、デッドラインは11:00と設定。
これが前日、4人の作戦会議で決まった内容。
これをクリアしないと、最終チェックポイントの通過が難しくなる可能性が大きくなるのではないか?という話し。
ドイ10:20 ・マスダ10:50の通過時間
すでに30分差、これ以上は離されるわけにはいかないので、束の間のコーラ&トイレ休憩を挟んですぐに2周目に突入。
この日は台風が近づいており、フェーン現象で最長18kmの登り斑尾クライムでは手元のGPSでは33度を表示している。
実際に昨年は最長の強烈な登りで本当に暑く水が無くなり、休み休み登るしかなくなった経緯もあって十分注意はしていた。
前日から十分水分を取って、前夜のアルコールもとらず、体内の水分量が多くなるよう調整していたが、それでもとっても汗かき暑がりの自分にはキツい。
1周目より断然気温も高く日陰も少ない…
今年の斑尾クライムには2箇所の湧き水があって本当に助かる。
※水質検査証などは無いので、飲むかどうかは自己判断で。
122km地点の最終チェックポイントのタイムカットは14:00。
ドイを追っているはずがいつの間にか、この「CP14:00」に追われていた。
足の攣りが来そうな雰囲気を感じながらも止まらずペダリング、GPSデバイスに翻弄されながらもなんとか13:55に到着。
最終CPのスタッフさんや、ライダーの方々がイェーーイ!みたいな感じで迎えてくれてメチャクチャ嬉しい!なんだったらココでゴールでもいいわ。
このあとも必死で走るが、かろうじて完走するのが限界で、最終CP後斑尾の自販機で15分くらい大休憩、完走メンバー内で後ろから5人目くらいでゴール。
ドイから約120分遅れ!
なんとドイは9時間17分で全体の9位!
そしてマツノ・イトウもすでにゴールしている?!→https://www.diatechproducts.com/archives/34260
悔しいけど、皆から約2時間遅れて最後にゴールしたものだから、暖かく迎えてくれた仲間から急かされてサッと片付け撤収!
ライド後そのまま撤収作業に入れるのもフラットソールシューズ『TRACKER』の良いところ(笑)
でも真面目な話し、水を頭からかぶって足元が濡れても走っているうちに乾くし、走り終わった直後も蒸れてないしTRACKERは通気性に優れているのが本気レベルで体感できたのは大きな収穫。
とにかく、ライドに自由さ楽しさを求めるのならばフラットソールシューズ、絶対選択肢に入れてくださいね。
さて、来年? …まだ前向きに考えることはできません。