前回のKEO 2 MAXに続き、KEO BLADEのインプレです
前回は、LOOKのペダルを代表する定番モデルとして、KEO 2 MAXをインプレしました。
KEO 2 MAXは、誰が使っても違和感が少なく、ケイデンスを生かして軽く回す走りに合うペダルでした。
今回はその続きとして、実際のロードバイクに取り付けて使用しているKEO BLADEをインプレします。

KEO BLADEは同じLOOKのペダルでありながら、KEO 2 MAXとは踏み味の方向性が少し異なります。
よりしっかり踏み込む場面で、足元を安定させてくれる印象がありました。
レーシングスペックへ進化したKEO BLADE
KEO BLADEは、モデルとしては以前から継続されていますが、かつて自分が使用していたものからマイナーチェンジがされていました。
プレートの形状や肉抜き加工が加わり、よりレーシングスペックなモデルへ進化している印象です。

今回使用したモデルは通常のクロモリシャフトで、重量的に劇的な軽量モデルというわけではありません。
それでも、ペダルとしての基本性能は高く、踏んだ時の安定感や安心感をしっかり感じられます。
軽さだけを追うのではなく、踏み込む力を確実に受け止める。
その方向性が、実際の走りの中で足元の信頼につながります。
踏み込む力を受け止める広い踏み面
KEO BLADEでまず印象的なのは、踏み面の広さです。
ビンディングシューズでなくても、かなり安定して漕げると感じるほど、足元にしっかりとした安心感があります。

この広い踏み面は、高トルクで踏み込む場面で特に効いてきます。
足裏を面で支えてくれることで、踏み込んだ力を逃がしにくく、シッティングでじわっと力をかけ続ける場面でもペダリングが安定します。

足元の土台がしっかりしていることで、スピードを維持したい場面でも安心して踏み続けやすくなります。
しっとりとした回転が生む安心感
シャフトの滑らかさでいうと、KEO 2 MAXよりもしっとりとした感触です。
KEO 2 MAXが軽く、ややドライな回転感だったのに対し、KEO BLADEはグリースがしっかりと充填されたような動きをしてくれます。
実際のペダリング時にも、その感触は足で感じ取れます。
軽く回るだけではなく、踏み込む力をなめらかに受け止めてくれる印象です。
広い踏み面としっとりした回転が合わさることで、力をかけた時にもペダルが落ち着いていて、足元の信頼感を高めています。
高トルク・低ケイデンスで際立つ安定感
私は高トルク、低ケイデンス寄りで走ることが多いですが、そのような場面ではKEO BLADEの安心感がより際立ちます。

TTやシッティングでしっかり漕ぐ方には、より合っているのではないかと思います。
昨今はバイク自体の進化もあり、よりトルクをかけてしっかり進むシーンが増えてきたと感じます。
その意味で、このペダルはまさに現代の走り方に適したペダルではないかと思います。
一踏みごとの入力を安定して受け止めてくれることで、低いケイデンスでも落ち着いてトルクをかけやすくなります。
板バネが生むバシッとしたキャッチ感
KEO BLADEは、クリートを固定するテンションが通常のバネではなく、裏面の板バネによって生まれています。
この板バネには4種類の強度があり、8、12、16、20とテンションを上げることができます。

交換は道具さえあれば多くの方が対応できるため、よりバシッとしたキャッチ感が欲しい方は交換もありだと思います。
固定感を好みに合わせられることで、ペダルとの一体感を高めやすくなります。
しっかり固定されている感覚があると、高負荷で踏み込む場面でも足元を信頼しやすくなります。
低いスタックハイトによるダイレクト感
スタックハイトの低さも、KEO BLADEの特徴のひとつです。
シャフト軸の中心に近い部分に踏み面があるため、非常にダイレクト感のあるペダリングを体感してもらえると思います。

足裏とペダル軸の距離が近いことで、踏み込んだ力がより素直に伝わります。
ペダルの上に乗っている感覚ではなく、バイクと直接つながっているような踏み味を感じやすくなります。
このダイレクト感は、強く踏んだ瞬間だけでなく、一定の出力を保つ場面でも効いてきます。
力の伝わり方が分かりやすくなることで、バイクを進ませる感覚をつかみやすくなります。
LOOKペダルに共通する身体への負担の少なさ
KEO 2 MAXとKEO BLADEの2モデルに共通して感じたのは、昔から言われている人体への負担の少なさです。


LOOKのペダルは不思議なことに、ペダリング時の身体への反動が少ないと感じます。
これは説明が難しいのですが、やわな感じはありません。
しかし、当たりそのものには角がない、という表現が一番イメージに近いです。
踏み込んだ際にしっかり受け止めてくれているのに、素材のせいか、構造的なものなのか、ソフトにそのパワーを受け止めてくれます。
こうして書いていると、LOOKのペダルはまるで人間の「関節」のようにできている気がします。

人の関節も、大きなパワーを受け止めつつ、関節の周りは軟骨や液胞で守られ、関節そのものの消耗を防いでくれています。
LOOKのペダルも、そのようなイメージで作られているのかもしれません。
単に力を受け止めるだけではなく、ライダーの身体に返ってくる衝撃をやわらげてくれる。
この独特の踏み味が、長く走った時の疲れにくさや、ペダリングの自然さにつながっているように感じます。
佐野 淳哉
2014年全日本選手権個人ロードレース優勝。大学から始めた自転車競技で運動嫌いからプロ選手へ。2024年プロを引退。
現在は解説やインプレッションなど自転車に関わり、デフリンピックのコーチも行い文部科学省から表彰。




