SRAMのワイヤレスコンポーネント「AXS(アクセス)」シリーズの強みは、
パーツ単体の性能だけでなく、コンポーネント全体が1つのシステム(エコシステム)にまとまっている点にあります。

他社が「変速の精度」「耐久性」「デザイン性」といったパーツ単体の完成度を追求するのに対し、
SRAMは「パーツ単体の完成度 + パーツを全て1つのシステにまとめ、ライディング体験を向上させること」を目指しています。
ではワイヤレスパーツを全て連動させると、MTBのライディングはどう変わるのでしょうか。
連携する4つのパーツ
▶︎SRAM – Eagle Transmission(イーグル・トランスミッション)
フレームに直付けする構造を採用することで、人が乗っても折れない耐久性を実現。
取付はボルトで固定して、コントローラーとワイヤレス接続するだけ。初期調整は不要です。

▶︎ROCKSHOX – Flight Attendant(フライトアテンダント)
センサーが地形や衝撃・速度を0.005秒で解析。
「Open」「Pedal」「Lock」の3モードを自動で切り替えてくれます。

▶︎Quarq –Power meter
ペダルの入力をFlight Attendantへ瞬時に送信し、サス制御の判断材料に。
厳しい環境下でも高い測定精度(誤差 ±1.5%前後)を維持。

▶︎ROCKSHOX – Reverb AXS
取付はフレームに差してコントローラーに接続するだけ。
他パーツとバッテリーの互換性があり、アプリで操作割り当ても可能。

登りで発揮されるシステム動作の流れ
トレイルで平坦から登りに差し掛かった際、以下の順番で処理が瞬時に行われます。
1. 登りを検知
ペダルを踏み込むと、パワーメーターがトルクの上昇を検知して「ペダルに負荷が掛かった」という信号をFlight Attendantに送ります。
2. サスペンションの自動制御
データを受けたFlight Attendantが「登り」と判断し、サスペンションの動きをロックしペダリング時の沈み込みを防ぎます。
3.ライダーによる変速 / シートを上げる
重いギアから軽いギアに変える際も、チェーンがスムーズに移る最適な位置を電子制御で合わせる仕組み(Cassette Mapping + X-SYNC)により、ペダルを強く踏み込んだままでも確実にギアが変わります。

実走行で得られるメリット
ハンドル周りのスッキリ化
ワイヤーはブレーキのみとなるため、コクピットが非常にシンプルになります。
また手動でサスペンションのレバーを操作する手間もなくなります。
ライドへの集中
変速やサス操作の判断をシステムに全て任せることで、ライドやコース状況の判断に専念できます。
アプリでカスタマイズ
スマホからサスペンションの感度調整や、スイッチの配置を簡単にカスタマイズできます。

実は、そんなに重量の増加はない
バッテリー(1個あたり25 g)や電子部品の追加による重量増がありますが、
ブレーキ以外のケーブル類(1台分で約 150g〜200g)が全てなくなるため、
システム全体の総重量増は、わずか約 250 g 〜 400 g 程度に収まります。
全てを電子化すると変わること
SRAMのエコシステムは、全パーツのバッテリーが共通化されているため、走行中に万が一リアディレイラーの充電が切れても、ドロッパーポストのバッテリーを付け替えるといった対応が可能になります。
また、Eagle Transmissionはフレームへ直付けするだけで装着が完了。
従来の変速調整やワイヤーの初期伸び対策といった調整が必要なくなります。
さらに、これらシステム全体のバッテリー残量チェックやスイッチの割り当て、その他設定は、1つのアプリで一括管理できます。

SRAMが考える「操作の自動化とシステム統合の狙い」
ライドのあらゆる判断をシステムへと委ねることで、ライダーはトレイルを走る純粋な楽しさだけに集中できるように。
これこそが、SRAMがフル電動化によって実現した「身体機能の拡張」であり、最大の進化です。


