フォークは、どう摩擦を減らすのか。

新しいBoXXer Ultimateのロワーレッグを取り外すと、アッパーチューブに加工された、小さなくぼみの配列が見えます。ワイパーシールより上には現れない位置にあるのは、ブッシュへ潤滑油を届けるためです。

そもそも、Butter Wagonとは?

RockShoxでは、トレイル/グラビティフォークの開発チームを「Butter Wagon」と呼んでいます。この小さなくぼみもButterCupsも、そのチームの発想から生まれました。そこで名付けられたのがButterWagonTechです。

しくみはシンプル。アッパーチューブのくぼみがロワーレッグ下部のオイルを拾い、フォークがストロークするたびにブッシュへ運び、摩擦を減らします。

ButterWagonTechを加えるだけで、停止している面同士の静止摩擦は3%減少。動き始めた面の運動を妨げる動摩擦も9%減り、乗り味に大きく影響しました。ただし、開発はそこで終わりません。

潤滑まで、ひとつのシステムに。

サスペンションをはじめ、部品同士が滑る構造は常に摩擦と向き合っています。摩擦は熱やスティクションを生み、スムーズな動きを妨げます。ButterWagonTechに合わせて、ロワーレッグの潤滑油とシールグリスも見直しました。

潤滑油はブッシュとアッパーチューブの間に油膜を作り、滑らかな動きを保ち、長期的な摩耗を減らします。相対運動する面の摩擦・摩耗・潤滑を扱うトライボロジーの知見を使い、適切な配合を検討しました。

薄すぎるオイルは必要な面にとどまりにくく、長期的な摩耗につながります。厚すぎるオイルは抵抗となり、システム内で別のダンパーのように働くこともあります。

たどり着いた配合は、摺動面に長くとどまり、低摩擦の状態を長く保ちます。わずかに増える減衰はダンパー側で対応し、ライダーが調整できるフォークのフィーリングの一部として設計しています。

ButterWagonTech、新しい潤滑油、温度変化に安定したMaximaのシールグリス。この3つの組み合わせにより、非採用のフォークと比べて走行中の摩擦は18%、静止摩擦は24%減少しています。

ロックガーデンを走る途中だけでなく、トレイルに入ってフォークが動き始める瞬間も、摩擦の少なさを感じられます。ストロークのたびに潤滑油を運ぶButterWagonTechは、時間の経過によるフォークの摩耗を減らすことにもつながります。

ButterWagonTechは
2026 BoXXer Ultimateに採用。

BoXXerを詳しく見る

さらに詳しく