使い方を知る / ペダルフィードバックを知る

ペダルキックバックとは?

想像している現象とは、少し違うかもしれません。

「ペダルキックバック」は、サスペンションが縮むことで足へ伝わる感触として語られてきました。サスペンションの圧縮に伴ってチェーンステー長が伸びる、いわゆるチェーングロースにより、チェーンがクランクを後方へ引き、足へ反力を伝える現象です。

SRAMとOchainのエンジニアは、Manuel Gerth(HS-PF/TUM)とともにDHバイクへDAQ(データ収集)システムを取り付け、テストコースを繰り返し走行しました。その結果、通常のトレイル速度では、ペダルキックバック自体は大きな問題になりにくいことが分かりました。

走行中はフリーハブが駆動から切り離され、カセットが自由に回転できるためです。主に問題になるのは、低速で大きくサスペンションが圧縮される場面。たとえば、低速のドロップや平らな場所への着地などです。

このときはフリーハブがかみ合い、カセットが独立して回れず、チェーンがクランクを後方へ引きます。実際に発生する現象ですが、想像するほど頻繁ではない可能性があります。発生したときは、Ochainがその反力を和らげます。

実際に感じているのは、ペダルフィードバック

ペダルキックバックとペダルフィードバックは、似た名前でも意味が異なります。ペダルフィードバックは、足を通じて感じるトレイルからのさまざまな振動や反力の総称で、ペダルキックバックもその一部です。サスペンション、ドライブトレイン、ライダーの荷重などが関係します。

SRAMとOchainは、クランクにかかるトルクとしてフィードバックを測定しています。テストでは約15 N·mからライダーが感じ取りやすくなることが確認されました。これは170mmクランクの後ろ足側に、約9kgの重りを掛けたときに相当します。

主な要因は、ペダルキックバック、Cassette Backwards Slap(カセットの後方への反動)、Rear Wheel Lockup(後輪ロック)です。これらは独立して起こるだけでなく、重なったり、短い間隔で続けて発生したりします。

Ochainがペダルキックバックを和らげる仕組み

低速で大きくサスペンションが圧縮され、フリーハブがかみ合っていると、チェーンの張力がクランクを引いて足へ反力を伝えます。Ochainは、スプリングを備えたチェーンリングをクランクから独立して後方へ回転させ、その反力を吸収します。

Cassette Backwards Slapとは

Slapbackとも呼ばれる現象で、多くのライダーがペダルキックバックだと思っている感触は、こちらかもしれません。

障害物に当たって後輪が上へ動くと、チェーンの上側と下側にたるみが生じます。下側ではディレイラーケージが慣性で前へ動き、上側ではカセットが前方へ回転することが原因です。

元に戻るとき、ケージとカセットがチェーンを急に張り直します。カセットが後方へ引かれ、クランクへトルクを伝えて逆方向へ動かすため、足に反動を感じます。比較的小さな力でも頻繁に起こり、ライダーが慣れてしまっている感触でもあります。

OchainがSlapbackを和らげる仕組み

カセットとチェーンがクランクを後方へ引くと、Ochainのスプリングが働き、チェーンリングだけが後方へ回転できます。クランクは中立の位置を保ちやすくなり、足がチェーンの動きから切り離されます。チェーンを自由に動かすことで、足へ伝わるノイズと反動を抑えます。

Rear Wheel Lockupとは

荒れた路面で前後ブレーキを強く使うと、減速によってライダーの荷重が前へ移り、前側のペダルに強くかかることがあります。

同時に、後輪が路面から跳ねた瞬間にブレーキで回転を止められ、着地すると再び転がり始めることがあります。タイヤをずっと滑らせて停止させる状況ではなく、速度を調整するブレーキング中に、離地と接地を繰り返す場面です。

後輪が空中でロックすると、カセットとチェーンも止まり、駆動系が動きにくくなります。そこへライダーの前方への荷重がペダルへ加わり、反対向きの力が足へ直接伝わります。沈み込んでいたトランポリンが突然硬くなるような、反力の変化です。

Ochainが後輪ロックの反力を和らげる仕組み

Ochainは、後輪が止まった状態から再び転がり始めるまでの移行を滑らかにします。後輪がロックして荷重が前へ移ったとき、通常のチェーンリングは駆動系に対して動けません。Ochainでは、チェーンリングに対して前側のクランクアームが下方向へ動けるため、後輪が再接地して回転を取り戻すまでの反力を減らします。

Ochainのスパイダーダンパーは、どう吸収する?

Ochainは2段階の仕組みでフィードバックを和らげます。動き始めは内部のスプリングが圧縮され、可動範囲の最後の約1°ではエラストマーが働きます。サスペンションのボトムアウトバンパーのように、終端での急な衝撃を抑えます。

Ochain RとSは、External Travel Adjustノブを備えています。ノブを回すと、小さなギアが内部部品を動かし、可動範囲の開始位置を変えてトラベル量を調整します。

Ochainの特徴

SRAMとOchainは、ペダルキックバックだけでなく、ペダルフィードバックの各要因へ対応する点を特徴としています。

  • 2段階の制御:スプリングからエラストマーへ滑らかに移行し、可動範囲の終端で急な反力が出るのを抑えます。
  • 3つの要因へ対応:ペダルキックバック、カセットの後方への反動、後輪ロック。ハブ側を切り離す方式は、主にキックバックと後輪ロックへ対応します。
  • 取り付け:104 BCDチェーンリングを使用し、ハブやホイールを交換する必要はありません。
  • 調整とサービスが可能。

ペダルフィードバックは、現在も研究が進む分野です。SRAMとOchainはテストを重ねながら理解を深めています。Ochainが目指すのは、足へ伝わる余計なノイズを減らし、バイクのコントロールとライドへの集中を高めることです。

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