
オーリンズの3チャンバーエアカートリッジは、セッティングがスピーディーかつ自由自在!
TTXと双璧をなすオーリンズの強み、もう一つの内部構造の秘密をご案内いたします。

オーリンズはエアスプリングシステムに、独自の3チャンバー【メイン・ランプアップ・サブ(ネガティブ)の3つ】を持つ内部システムを持っています。
サスペンション自体の硬さを調整するメインエアチャンバー。
それと奥(ストローク後半)の踏ん張りを調整するランプアップチャンバー。
この二つがあることで、セッティングが自由自在、スピーディに行うことができます。
超簡単に図解と共に
エアカートリッジの独自テクノロジーを解説します
エアスプリングを搭載したフロントフォークは、メインエアチャンバー、ネガティブエアチャンバー、ランプアップエアチャンバーの3つのエアチャンバーからなります。

◆メインエアチャンバーについて
メインエアチャンバーは、フロント荷重を支えるためのメインとなるエアスプリングそのもの。
(メインピストン中心に穴が空いており、図の中では分かれているように見えるが、上下繋がっています)
◆ネガティブエアチャンバーについて
ネガティブエアチェンバーは、エア圧により、シリンダ内壁に押し付けられるシールのフリクションを打ち消すために設けられた機構であり、サスペンションが縮む方向に動き始めるときに、メインエアチャンバーの反対側から、空気の圧力で加勢して、フロントフォークがスムーズに動き始めるようにする役割。
オーリンズのトレイル・DH系フロントフォークでは、エアセッティング後数回ストロークさせることで、メインエアチャンバーに充填されたエア圧が、シリンダ側壁に設けられたバイパスエア通路を経て、ネガティブエアチャンバーへ自動的に充填される仕組みとなっています。

◆ランプアップエアチャンバーについて
ランプアップエアチャンバーは、フォークのボトム側にバルブが設けられている3つ目のエアチャンバー。
ここでストローク後半の踏ん張り調整が可能です。
メインエアチャンバーの圧力が、このランプアップエアチャンバーの圧力と同じになると、フリーで動く設計になっているランプアップピストンが動き出して、ストローク後半の踏ん張りを調整する第2のスプリングとして機能します。
下りが好きなライダーが、大きなジャンプやドロップオフなどの着地で、最も避けたいフルボトムを免れるための機構になります。

◆重要◆
この『3チャンバーエアカートリッジ』は、初期から中間域のスプリング特性に影響することなく、ボトミング特性だけを制御することが出来る、ライダーの好みに合わせたセッティングをスピーディーに出せるシステムで、オーリンズのフロントフォークだけが備える画期的な機能です。
該当フォーク:DH38 m.1 / RXF38 m.2 / RXF 36 m.2 / RXF 36 m.3 / RXF DJ
※ 分解(オーバーホール)はオーリンズ本国でテクニカルセミナーを受け認定をされた人しか許可されておらず、それ以外で分解された場合は保証期間内でも該当サスペンションの保証は終了となりますのでご注意ください。
次回は「RXF36 m.3のセッティング」に続きます。

3チャンバーエアカートリッジ & TTX18ダンパー採用モデルがこちら
ÖHLINSについて
OHLINSの歴史は、まさにレーシングとともに育ってきた。
その名はケンス・オーリン
スウェーデンジュニアチャンピオンなどの実績を持ち、乗り手としても優れた才能を持っていたケンス。
1970年代初頭からモトクロスバイクは2ストローク単気筒エンジンの進化で馬力が飛躍的に向上。エンジンが強力すぎて、サスペンションが伴っていないことに問題があると考えました。
彼は、親父の作業場で旋盤を回し、ストックでは満足できないショックをチューニングすることを楽しみ、レースに挑んでいました。
他のライバルがケンスのショックに興味を抱き始め、ついに1976年「オーリンズレーシング AB」創業。
そこからわずか2年、1978年世界モトクロスGPでG.モイセーエフがワールドチャンピオンを獲得するという偉業を達成!
今までOhlinsは数々の勝利に導き、そしてマウンテンバイクにおいても2013年に参入、数々の輝かしい成績を残しています。
F1・MotoGP・NasCarなど究極のレースで勝つために生まれた構造、セッティング、技術力は、完全にアフターマケットに落とし込まれています。
(実はそれらの輝かしい実績を支えてきたエンジニア達が極度のMTB大好きな人達で、そのテクノロジーを惜しみなく注ぎ込んで、MTBのプロダクトを立ち上げたのです。)
マウンテンバイク用サスペンションにも当然その技術が盛り込まれており
その最たるシステムが “TTX(Twin Tubeテクノロジー)”
元々、300km/hを越えるF1の技術から生まれたテクノロジーは、極限状態で理想的な減衰力が得られ、路面の情報を超正確にキャッチし、乗り手が正確なコントロールをできるように生み出された技術。
まさに”究極”のものしか市場に出さない。
それが今も変わらないポリシーです。

F1用のサスペンションユニット(スクーデリア・フェラーリ)

MOTO GP用サスペンション&ステアリングダンパー
(確認できている限りでヤマハファクトリー・ドゥカティファクトリー・ホンダファクトリーがサスペンションを採用しています。)
