あなたは、ある日突然マウンテンバイクのクロスカントリーレースに出場しようと言われたらどうしますか?
返事はYes ? No ?
どうも、お久しぶりです。BMXレーサーの土井です!

僕の答えは…「Yes」(‥しかなかった)
2025年はどういう訳かマウンテンバイクのクロスカントリーレース(以下:XCO)で国内シリーズ戦「Coupe du Japon 通称CJ」に仲間3人で参戦中です。
CJのXCOは初参加で何をどうすればいいのかよく分からないところからスタート。
トレーニングやセッティング、レース展開など試行錯誤しながら4〜5戦を消化しました。
徐々に適応してきているものの、CJ参加者達のレベルの高さと、いくつかの”謎の”チームオーダーがあり、まだまだ成長が必要な3人は苦戦を強いられている。。。が、きっとここからググンッと伸びるはず!
※決して速い人のレポートではありません。
自転車好きが苦手なジャンルへのチャレンジだという認識のもと、暖かく見守ってください(笑)
【突然のCJ参戦決定!】
きっかけは2025年3月1日、CYCLE MODE RIDE OSAKA。
元チームメイトで2024年KEIRINグランプリ王者・古性優作と一緒にダイアテックブースを訪れたときの事。

ダイアテック「アキラー、今年クロカン出ようや。」
ドイ「いやいやムリムリ!(笑)ダイエットもトレーニングも必要やし、バイクも33rpm(ハードテイルエンデューロバイク)しかないし!」
ダイアテック「いや、バイクは用意するよ!(笑)」
……横を見るとマスダがニヤニヤ。
コレ裏で完全に話ができあがってるやつやん!
でも、「そろそろマスダと何かでまた勝負したい」と思ってたところだったので、ちょうどいい機会かな、いやでもクロカンて‥
ここから全てが始まった…
ちなみに3人目のメンバーは新入社員ルーキーY(のちほど紹介)
「せっかく自転車の会社入ったんやし、クロカンでも出てみたら?」
という軽〜いノリの誘いに「出ます!」と即答。
あとで聞いたら、クロカンが何かも知らなかったそうです(笑)
ちなみにマスダ→「健康診断で引っかかったから」
……黒幕はお前やん!(笑)
まぁ、そのような背景はありつつ、実は着々と進んでいるUAのフレーム(その他パーツもあるとかないとか?!)のポテンシャルを自分たちで試すのが主な目的です!たぶん(笑)
それでは、改めて簡単な自己紹介。
僕(ドイ)は8歳からBMXレースを開始。10歳くらいからBMXと並行して時々ですがMTBとロードレースにも参戦。
BMXエリートクラス、MTB 4Xプロクラスなどで優勝経験あり。
ここ数年はグラベルやシクロクロス、ショートダウンヒルのイベントにも出場している。
特技はいろいろな自転車でジャンプを飛ぶこと。
12インチ~29インチ、フラットバーからドロップハンドルまで対応。

2025 BMXレーシングマスターズクラス全日本チャンピオンの47歳。

一緒にCJを走るチームメイト!
その1:マスダ

ダイアテックのスタッフにして、ダウンヒル現役エリートライダー。現在45歳
極一部で「ハードテイルの神」と呼ばれ、Unauthorized 33rpmでダウンヒルレースにも出る変なヤツ。ダウンヒルバイクに乗ったプロライダーに勝ってしまうことも(たまに)ある。
小学生の時から自転車は好きだったが、ツーリングがしたくて16歳のときにMTBを手に入れたが、気づいたらトレイルライドからダウンヒルにどっぷり。
元4Xシリーズチャンピオン。ちなみにBMXレーシングも元エリート。
特技はサスペンション有りでも無しでもハードテイルバイクでダウンヒルを楽しむこと。
彼とは20年以上前からMTBの4Xレースでバチバチやり合ってた仲。
同じチームなのでたまにブース内が険悪な雰囲気になることも‥
これまでSDA王滝100km、ショートダウンヒル、BMX、シクロクロス、グラベル…などなど様々なジャンルで遊び競ってきた。
BMXでは負けへんけど、ダウンヒルではなかなか勝てへん。
それ以外は何やってもだいたい同じくらいのレベル。

2人とも登りと持久系が苦手という弱点が共通(笑)
お互いテクニックにはある程度自信があるけど、40代後半になって体力の伸び代はあるのか心配。
仲間であり宿命のライバル。
2人の対決をより深く知りたい方はこちらでチェック→https://journal.diatechproducts.com/archives/5040
その2:MTB未経験者、ルーキーY(20歳)

ダイアテックの新人スタッフで、なんとマウンテンバイク経験ゼロ。ただしガチ野球部出身!
自転車歴は「通学のみ」ですが、クロスカントリーに出るためTREKを購入。
運動神経◎、スタミナ◎、体型もXCO向きのスリム高身長。
なにより若い。つまり、伸び代モンスター!
これからの成長が楽しみです!
いや、あんまり頑張らなくていいぞ!(負けたくないから)
特技はサインプレー!(野球)
マニアック過ぎるやろ。(笑)
XCOって何?
XCO(クロスカントリー)は、自然と人工セクションを組み合わせた周回コース(3〜6km)を走るMTB競技。
オリンピック正式種目でもあり、40分〜70分ほどのレースを一斉スタートし全力で走り続け着順を競います。登りも下りも岩もジャンプも、全部できないと勝ち上がれない(はず)。まさに、「体力 × テクニック × 精神力」が問われるけっこうサバイバルなレースです。
【準備スタート!】
CJ開幕戦まで、あと1ヶ月!
やるしかない。
遊びとはいえ、全力で挑む。
なぜならマスダに負けたくない。
だからやるしかない。
バイクセッティング(33rpmをXCO仕様に)
愛車「Unauthorized 33rpm」はダウンヒル寄りのハードテイル。XCOとは真逆のバイク。
まずはこいつをXCO仕様に。

ポイントは
タイヤ交換:iRC TANKEN GEKKOTA 2.6(DH用)→ GEO CLAW 2.4(XCO用)⇒ 軽くて転がりやすくなり、機動性UP!これだけでもかなり違って面白い。
ポジション:ステムを35mm → 80mmへ変更、ハンドル位置を低く・遠くへ
サドル:前に出し、前下がりに。登りで1番乗りやすくなるよう調整。
あまり関係ないけど、こだわりポイント
チューブレスバルブ:Muc-Off BIG BORE⇒ オシャレ&使いやすい。シーラントの詰まりが起こらない新設計なのでメンテナンス性が良い。デザインもカッコいいと褒められがち(笑)
クランク:CANE CREEK / eeWINGS ⇒ 約400gのチタン製。剛性と軽さのバランスが神。こちらもカッコいいと褒められがち(笑)
ライドしてみた結果、思っていたより登りがスイスイ登れて下りも楽しめるバイクに仕上がった。33rpmはセッティング次第でガラッと雰囲気を変えれる楽しいバイクであることが判明。



では続けてトレーニング編
まずはBMX封印。
ロング&ヒルクライムに耐えられる身体作りへ。
目標1:平日2日は仕事終わりにヒルクライムTTを含めた距離30km、獲得標高700m。
目標2:週末はMTBで距離&登坂ボリューム増!
箕面とどろみMTBフィールドの解放日に自走で往復して100km超えにもチャレンジ
意外とスイスイ走れて楽しかった!
他の日は大きめの山でトレーニング。


目標3:ダイエット!78.5kg→72kg
これがなかなか難しい。運動したら食べたくなるし。
正直、まだテンションが上がりきってなかったので無理のない範囲内で行う。
CJ 1週間前、いざ菖蒲谷へ!
【#0 菖蒲谷・試走編】
3人でコース試走。初めての菖蒲谷は……
超トリッキーだけど、めちゃくちゃ面白い!!
ハードなオフロードに慣れてないとかなり難しいレベル。
登りはパワーを出しながらトラクション掛けることを意識してペダリングしないと登れないところがある。
下りはドロップオフやジャンプ&多彩なコーナーの連続でスリル満点。正確なライン、ブレーキ、体重移動などが求められる。
今どきのXCOのコースって面白いやん!
この時点でマウンテンバイク歴が約3週間のルーキーYはできる限り練習してきたがハイレベルなコースに苦戦…。そりゃそうだ。(笑)
そこでドイとマスダで緊急スクール開催! ときに理論で、ときに根性論でなんとか対応。

ド素人をそのままレースに出すわけにはいきませんからね(笑)
たくさん落車はしてましたが、諦めずに真剣に頑張っていました。
コースに慣れてきたので模擬レース3周回を実施!
つまり模擬 #土井vs増田
まずはルーキーYが飛び出す。
若さが溢れている。
ドイ、マスダは自分達のペースでヒルクライムへ。
最初の激坂でルーキーYがトラクションを上手く掛けれずミス。その間に追い越す。
2つ目の丘のヒルクライムで増田が前に出てきた。
「これは無理してるのか?それとも余裕なのか?」
するとラダーの滑りやすい登りで増田がミスして足を着く。僕は行き場がなくなり増田にぶつかり軽い落車。
急いで駆け足からバイクに飛び乗り!…のはずが高いサドルに足が引っかかり跳ね返されて本気の落車!
非常にダサいコケ方になり足にダメージを受ける。。。ますだー!!(怒)
下りは面白いが攻め過ぎると疲れるので登り返しなどは勢いをつけて(BMXなどのテクニックが活かせるー)省エネで速く走ることを心がける、このあたりは自分もマスダも心得ている。
3つ目の丘は比較的低くて登りは短く緩い。
下りはジャンプが楽しくて疲れが吹き飛ぶが、すぐに最初の丘の激坂が待っている…。
早めにマスダを抜いて、3周回そのままジリジリ離してゴール。
結果
1位:ドイ
2位:マスダ(5分差)
3位:ルーキーY(大差)
比べる対象が自分たちだけなので速さは分からないが、登りも下りも楽しく走れたので33rpmのセッティングはしっかり出せている。相手がいる実戦形式の練習は大切。
尚、ダイエットは全く進んでなくて体重は78〜9kgをウロウロしている。
ついにクロスカントリー本格デビュー
【Coupe du Japon 第1戦/菖蒲谷兵庫県たつの市】
ついに本番。本来なら #土井vs増田 の勝負をする予定でしたが増田は出張で不参加。
土井&ルーキーYで参戦。
ルーキーYは初めての自転車レースが大雨のCJ菖蒲谷という過酷過ぎるデビュー戦!(笑)
はたしてちゃんと走れるのか⁉︎
コースは前夜から降り続けている大雨の影響で超マッドコンディション!
車の温度計では4月とは思えない8℃を表示していて雨も風も強くてとてつもなく寒い。
ハッキリ言って外に出たくない。。。事前練習のときは快晴で最高やったのになぁ。
会場の雰囲気を感じるためにグルッとひと歩きして受付を済ませる。やはり寒い!

【試走】
早速レインウェアに身を包み試走へ。
開き直って非日常を楽しむしかない。
コースは大きく分けて3つの丘で構成されている。
一つ目の丘は激坂&超ヌタヌタ!押し上げすら困難な場面がある。さらに鬼キャンバーツルツルダウンヒル!ここは観てても走ってても面白かった!(笑)
今回1番の難所。
2つ目、3つ目の丘はどんどん土質が良くなり走りやすくなる。特にダウンヒルが楽しい。ときどき乗車困難な登りがあるのでバイクの乗り降りをスマートにこなすのがポイントとなりそうだ。
ローラー台など持っていないのでジョギングでウォーミングアップを行い温めた。
【レース】
いよいよレースが始まるが相変わらず風雨が強いのでASSOSのレインジャケットを着て走ることにした。これが大正解!まだ美しいですね。(笑)

僕たちはCJ初参加なのでチャレンジクラス最後尾からスタート。チャレンジの前にはひとつ上のアドバンスクラスも同時スタート。前に30名以上のライダーがいる。
そしてコースコンディションはオープンクラスのレースが行われた後なので試走のときより更に悪化していた。
カウントダウンが始まりスタート!みんな勢いよく一つ目の丘へ向かって飛び出していく。僕はレース経験が豊富なので緊張感もなくゆっくりスタート。
最初の登りで予想通り大渋滞が起きたので早めにバイクから降りて隙間ををスルスルと追い越していく。作戦成功!動きはスルスルでも呼吸はゼェ~ハ~ゼェ~ハ~…必死です。

半分くらい追い越して激坂ヌタヌタキャンバーダウンヒルへ突っ込んでいく。日頃こんなところを走ることはないがなんとかコントロールして順位を上げる…はずが前のライダーが落車したのに巻き込まれてコース外まで転がり落ちていった。
「なんでー⁉︎」って感じだったがそれもレース。早速ドロドロになりながら再スタート。
そこからは下りで1〜2人パスしては登りで3〜4人にパスされるの繰り返しで徐々に順位を落とすが、これは想定内。
コース後半はジャンプセクションが楽しめるのがご褒美だ。こんなセクションが続いてほしいが次はヌタヌタの激坂が待っている。(笑)
結局、チャレンジクラス8位でゴール。
速いのか遅いのか分からないが、面白いくらい全身ドロドロなのが笑える。

ゴール後に冷た〜い水道水で全身水浴びして大まかな泥を落とす。こんな寒い日に水浴びなんて考えられへんけど、これも含めて非日常を楽しんでいる。(笑)
震えながら水浴びしてるとすぐにルーキーYも帰ってきた。なんと初レースなのに僕よりたったの5分遅れ12位でゴール!

事前練習のときの走りと今回のコースコンディションを考えるとこの結果は素晴らしい!
やはり伸び代モンスター!
事前の試走でドライでも無理だった激坂ダウンヒルセクションを乗車で下れたり、とてつもなく進化。
マウンテンバイク歴が約1ヶ月で恐ろしい成長。ドライで走りやすいコースだと負けるか…?
帰宅後、洗濯物を何度も手洗いしたが、いつまでも茶色い泥水が出てきたのは言うまでもない…。
GIROのヘルメットやシューズもスッキリ綺麗。
片付け終了までがレース。

#マスダ vs ルーキーY (ドイ不在!)
【5/4-5 #2 Coupe du Japonびわ湖高島Stage 滋賀県高島市】
今回はボクが不参加で、増田vsルーキーY!
ルーキーYは近所のヒルクライムのタイムが日に日に早くなっていて自信がついてきてる様子。
マスダは普段の週末トレイルライドでどこまで行けるか?って感じらしいけど、それってただの準備不足やろ?!
コースは登りがメインで下りは比較的簡単で抜きどころが少ない。これはルーキーYのフィジカルが活きる予感。
前日試走は一緒の時間にコースを走っていたのに、お互い手の内を見せないためなのか?一緒に走らなかったらしい(笑)
そして当日のスタートを迎える。
ルーキーYは菖蒲谷のリザルトから最前列スタート
マスダは初参加のため最後列スタート(とはいえ3-4列目くらい)
スタートすると予想通りルーキーYが登りで先行し3-4番手くらいにつける、下りに入ると増田がパスするという展開。
とにかく登りでルーキーYが(マスダの)前に出て、下りでマスダが抜かしての繰り返し。
しかし、周回を重ねるごとにルーキーYが登りでパスするタイミングが早く、マスダが下りでパスするタイミングが遅くなっていたらしい。
2人で抜きつ抜かれつの良いレースをするが、チャレンジクラス内で言うと二人とも順位はドロップしていっており、最終的にはルーキーYが下りで派手に落車、トラブルで復帰できずDNF、マスダがチャレンジクラス11位という結果。
あのままトラブルが無ければ…もしかすると⁇
ルーキーYはすでに土井、増田のライバルの域に達してきているのは確実。
マスダは11位という結果から、このままじゃアカンという危機感から本格的トレーニング開始とダイエット宣言
いない間に色々プレッシャーが増えた‥
次回は四国 八幡浜ステージ!
ついに#土井vs増田の直接対決!
そこにルーキーYが割って入るのか⁉︎
そして同時に僕たち3人に思いがけないチームオーダーが言い渡される!
さてどうなっていくのか、次回お楽しみに!?
