LEDワールドツアーレポート

先日LEDワールドツアーと題した、Y17の新型LEDのプレゼンにLezyne創業者であるミッキーが来日。
国内の販売店とメディア向けにセミナー形式のプレゼンを行いました。
今回は、そのプレゼン内容を抜粋。
Lezyne誕生のストーリーから、17年目を迎えたLezyneが製造するLEDの全てについて惜しみなく話し尽くしていってくれました。

創業者はどんな人?

まずは、Lezyne誕生の話から。
ドイツ人だったミッキーはMAXCYCLEという自転車を販売する会社をドイツで創業。
その後、TRUVATIVというコンポーネントメーカーを立ち上げる。
その後SRAMグループにTRUVATIVを売却。
アメリカに移住して、生活をするが、徐々に新たなチャレンジをしたいという気持ちが生まれ、LEZYNEを立ち上げる。

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こうして、ミッキーは自転車本体、コンポーネント、そしてアクセサリーと自転車に関わるほぼ全てに関わり、自転車の世界では35年と非常に長く濃いキャリアをもっている。
17年前当時には、自転車のアクセサリーというと、安っぽいプラスチックの製品、カラーバリエーションもなく、退屈な製品が多かった。
なぜ自転車はこだわり抜かれているのにアクセサリーには安っぽいものしかないのか、プレミアムな自転車にはプレミアムなアクセサリーを。
そんな思いから、Lezyneはスタートした。

LEZYNE ブランドスタートは ハンドポンプから

その後、ラインナップを拡大し、今日に至る。

ハイエンドなバイクに使われているものと同じ素材を

と、ここまでですでにたくさんの情報量になってきたので、Y17のLEDポイントに入っていく前に、まずはLezyneアイコン的なアルミについて。

A6061or7075?
Lezyneの製品に使われるアルミは、自転車のコンポーネントなどに使われるアルミのグレードを使用しているとのこと。
6061、7075とアルミのグレードは聞いたことあるし、なんとなくいいものなのだろうという認識はあって
7075が最高級みたいなイメージがあったが、実は、90%以上はほぼ同じ組成で、後は何を配合するかによって特性が変わってくるそう。
使用用途によってそのアルミを決定していく。

LezyneのライトにはT6061-T6アルミを採用。
6061-T6は、95.8-98.6%がアルミでそこに、マグネシウム、シリコンやクロム、銅、鉄、チタン、亜鉛などが配合されている。
それだけでは柔らかいため、熱処理であるT6処理がされて硬さを出している。
7075-T6は、87.1-91.4%がアルミでマグネシウムや亜鉛の割合が高まる。そしてT6処理も加えることで、非常に固くなる。

重要なのはElongation(伸び率)
クランクの設計などに携わっていたミッキーは、アルミの特性を研究して、Elongation(伸び率)で、その製品の特性に応じたアルミを採用している。
Elongationは引っ張ってどれだけ伸びるか。
アルミを引っ張り、伸び始めるポイントと、切断されるポイントから導き出せるそう。

LEDライトに6061をLEDライトに採用する理由
・高い強度耐重量比
 →軽く丈夫に作れる

・複雑な形状に押し出し成型が可能
→ライトの筒型のような形状に向いている


・正確な加工性
→電子部品などの細かいパーツを正確に収納


・高い熱の伝達能力
→LEDが持った熱をボディーに行き渡されて放熱させる


・安定したアナダイズ処理が可能
→様々な色と仕上げが可能。

逆に硬い7075が適していて採用されるのは、圧力に耐えられるCO2インフレーターのヘッドなどだそう。

Engineered Design(工学設計)
このようにLezyneは自転車、コンポーネントの開発に関わっていたミッキーが、
自転車、コンポーネントに使用されるものと同じ素材であるアルミを切削し、高級感のあるアクセサリーを作り始めたのが始まり。

当時、ハンドポンプ、携帯工具からスタートした時、ミッキー自ら図面を引きそれを形にしていったそう。
本人もデザイナーではなく、美しい形が先行とという事はできなかったが、
どうすれば素材、構造的に理にかなっているのか、そんなアプローチから製品づくりをして、無駄を削ぎ落としていくと、
自ずと、不要な装飾のない美しい機能美を備えた製品ができあがっていった。

そこから5年後、LEDライトにも参入。
同じコンセプトで、アルミの切削を主体とした今までにないLEDライトをリリース。


アルミボディーのかっこいいライト。というところから、新たなフェーズに突入。
Y17、つまり17年目を迎えたLezyneのライトはどんなところに入っていくのか、これから掘り下げていきたいと思います。