FIDLOCK訪問記 第2弾:TWISTを生み出した会社の原点とは

前回の記事では、FIDLOCKの人気製品「TWIST」がどのように誕生したのか、その開発ストーリーを紹介しました。
では、そのTWISTを生み出したFIDLOCKとはどのような会社なのでしょうか。

ドイツ・ハノーファーにあるFIDLOCK本社。
営業や開発担当者へのインタビューを通して、製品の裏側にある考え方や企業文化について話を聞いてきました。

取材の中で何度も耳にした言葉があります。
それが「FIDLOCK MOMENT」です。

スー、ピタッ!でおおっ!となる瞬間

製品を初めて触った人が思わず「おおっ!」と驚く瞬間。
その瞬間の体験がFIDLOCK MOMENT。
そして、その体験を生み出すことこそが、FIDLOCKのものづくりの原点でした。


ハノーファー郊外にあるFIDLOCK本社へ

FIDLOCK本社は、ハノーファー中心部からトラムで約20分ほどの場所にあります。

トラムを降りて歩くと見えてくるのは、ガラスを多く使ったモダンなオフィスビル。
今回訪問した日は大型連休直前ということもあり、多くの社員が在宅勤務中で、オフィスは比較的静かな雰囲気でした。

今回お話を聞いたのは、

・エレナさん(海外事業開発マネージャー)
・ホルガさん(セールスディレクター)
・フリーデマンさん(開発責任者)
の3名です。

チェロケースから始まったFIDLOCK

FIDLOCKの始まりは、自転車とは全く関係のないところにありました。
創業者のヨアヒム氏はチェロ奏者でもあり、「チェロケースに弓を片手で簡単に固定できるホルダーがない」という不便さを感じていました。
こんな感じでケースに弓を片手で収める方法を探していたよう。


その問題を解決するために作ったプロトタイプが、後のFIDLOCK創業につながります。
本社には今もそのプロトタイプが展示されています。

2007年にベルリンで設立された会社は、事業拡大に伴い現在のハノーファーへ移転。
当時10人ほどだった会社は、現在では約120名規模まで成長しています。

2024年には、チェロを弾くヨアヒムさんの頭上をサポートライダーがジャンプしていくというムービーもリリース。


バックルメーカーとして成長

創業当初のFIDLOCKは、自社ブランド製品を販売するメーカーではなく、マグネットバックルや固定機構を開発するサプライヤーとして成長してきました。

現在ではナイキのシューズやCASIO G-SHOCKのバンド、ファッション業界、ドイツや日本のランドセル、医療・リハビリ機器、警察の装備や、さまざまな分野でFIDLOCKの技術が採用されています。


普段は表にブランド名が出ることは少ないものの、多くの製品の中で「簡単なのに確実に固定できる」という体験を支えてきました。
その技術と経験が、後にTWISTやVACUUMといった自社ブランド製品へとつながっていきます。

社員の皆さんもFIDLOCKが採用された製品をそれぞれの生活の中で自然に使っています。

世界に広がったTWISTの成功

FIDLOCKの名前を世界中に広めるきっかけとなったのが、2016年に発表されたTWISTシステムです。
従来のボトルケージという常識を覆したこの製品は、自転車業界で大きな話題となりました。

前回の記事でも紹介した通り、当初は一般販売を前提としていなかった製品でしたが、ユーロバイクでの予想外の反響をきっかけにFIDLOCK BIKEブランドが本格的にスタートします。

また、自転車市場での成功によって、ヘルメットメーカーなどでも「FIDLOCKバックル付き」という点がユーザーから評価されるようになり、ブランド認知は一気に高まりました。

安心安全が絶対条件であること。
VACUUMのプロモーションビデオではなんとREDBULLのハードラインを走行しても大丈夫というムービーまで


VACUUMが生み出した新たな市場

2020年にはVACUUMシリーズが登場します。
スマートフォンを近づけるだけで固定できるマウントシステムとして開発されましたが、発売時期はちょうどコロナ禍の真っただ中でした。

オンライン会議の増加によって、デスク上でスマートフォンを固定する用途などが広がり、自転車以外のユーザーにも浸透していきます。

現在では自動車、バックパック、家庭内などさまざまなシーンで活用される製品へと成長しています。
エレナさんによると、産休で約3年間会社を離れていた間に、復帰した時には会社の規模がほぼ倍になっていたそうです。


なぜハノーファーなのか

FIDLOCKは現在ハノーファーに本社を構えています。
もともとは事業上の理由でベルリンから移転したそうですが、今では非常に相性の良い場所だと話します。

ドイツのほぼ中央に位置し、各都市へのアクセスが良いことに加え、鉄道網も充実しています。
さらに街の周辺には自然が多く、自転車に乗る環境にも恵まれています。
製品開発を行う上でも、実際に使いながらテストできる環境は大きなメリットになっているようです。

ハノーファーの街の様子は、また今度紹介します。


FIDLOCKらしさとは何か

取材の中で印象的だったのが、「FIDLOCKらしさとは何か」という質問への答えでした。
返ってきたのは、
「FIDLOCK MOMENT」という言葉です。

FIDLOCKの製品は、単に便利なだけではありません。

近づけると吸い付くように固定される。
強力に保持されているのに簡単に外せる。

その体験そのものに驚きや楽しさがあり、思わず笑顔になる瞬間を大切にしているといいます。

営業活動でも同じです。15分かけて説明するよりも、まずは実際に触ってもらう。
「Do it yourself(まず自分で試してみて)」という考え方を重視しており、製品に触れた瞬間に価値が伝わることが最大の強みだと話していました。

お客さんが最初に驚くポイントは?

「最初は無理だろうと思っていても、実際に使うとすぐ理解できてしまうことです。」
複雑な説明は必要ありません。

子どもでも直感的に使えるシンプルさと、安全性の両立こそがFIDLOCK製品の特徴です。

FIDLOCKは何を解決する会社ですか?

「マグネットで解決できる問題は、すべて解決したい。」
バックルから始まったFIDLOCKですが、現在ではスポーツ、自転車、医療、産業機器、ファッションなど幅広い分野で製品が採用されています。

その根底にあるのは、マグネットを活用して人の動作をもっと簡単に、もっと快適にしたいという考え方でした。


FIDLOCKを一言で表現すると?

最後に、FIDLOCKを一言で表現すると何かを聞いてみました。

返ってきた答えは、
「Magic」でした。

2007年、チェロケースの小さな不満を解決するために生まれたFIDLOCK。

バックルメーカーとしてスタートした同社は、その後さまざまな業界へ技術を広げ、2016年にはTWISTをきっかけに自転車のアフターマーケットでも大きな成功を収めました。

創業当時10人ほどだった会社は、今では120人を超える規模へと成長しています。

しかし今回の取材で感じたのは、会社の規模や事業領域が大きく変わっても、その根底にある考え方は創業当時から変わっていないということです。

強力に固定されているのに簡単に外れる。
安全なのに楽しい。
便利なのに思わず誰かに見せたくなる。
本来、バックルや固定具は主役になる製品ではありません。
しかしFIDLOCKの製品には、思わず誰かに試してもらいたくなる不思議な魅力があります。

そんな「FIDLOCK MOMENT」を生み出すことが、彼らのものづくりの原点なのかもしれません。

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8,470 (税込)
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価格帯: 8,910円 – 10,890円 (税込)
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