Cane Creek(ケーンクリーク)から、全く新しい発想と技術が詰め込まれた新型サスペンションフォーク「Invert Enduro(インバート・エンデューロ)」が登場しました。


最大の特徴は、マウンテンバイク界で長年議論の的となってきた「倒立(インバート)式」を採用していること。
これまでMTB界では何度も倒立フォークが開発されては定着せずに姿を消してきましたが、
Cane Creekはなぜ今、この構造に挑み、そして「最高だ」と自信を持って言えるのでしょうか?
今回は本国のジャーナル記事をもとに、Invert Enduroの秘密と魅力に迫ります。
モトクロス愛から生まれた「Invert」
Invert Enduroの誕生の背景には、Cane Creekの開発チームが持つ「モーターサイクルへの深い愛」があります。
実はCane Creek社員の約15〜30%は日常的にモトクロスを楽しんでおり、シニアデザインエンジニアのブランドン・ブレイクリーも熱狂的なモトクロスレーサーです。

モーターサイクルの世界では、倒立フォークは「よりスムーズな乗り心地」と「フロントの圧倒的なトラクション」をもたらすものとして、すでに常識となっています。
彼らはこの恩恵をMTBにもたらすべく、開発をスタートさせました。
なぜ「倒立」なのか?
倒立フォークが優れている理由は、大きく分けて「スムーズさ」と「トラクション」の2点にあります。
1. 究極のスムーズさ(フリクションの低減)
サスペンションがスムーズに動くためには、ブレーキングや段差によってフォークが前後にしなり、チューブ同士が引っかかる「バインド」を防ぐ必要があります。

ブレーキやハブと干渉しない、スペースに余裕がある上部(クラウン側)に一番太い筒を配置することで、タイヤの太さ倒立フォークはを配置し、前後方向の剛性を飛躍的に高めました。
さらに、内部のブッシュの配置をアクスルに近づけ、ブッシュ間の距離を長く取ることで、※衝撃によるテコの原理が働きにくくなり、内部の摩擦が劇的に軽減されています。
※倒立フォークは、ブッシュ間が大きくとれるため、インナー、アウター間のガタつきが減る
※フォークが沈むにつれてインナーチューブとアウターチューブの重なりが大きくなるため、一番負荷がかかる時に剛性が最大化する

2. 魔法のようなトラクション
近年、MTB業界は「絶対的な剛性」を追い求めてきました。
しかし、硬すぎるパーツが常に正解とは限りません。

倒立フォークの真骨頂は、フロントホイールが滑りやすいオフキャンバーや荒れた路面に差し掛かった際、適度な「ねじれ(トーション)フレックス」を生み出すことです。
これにより、タイヤが弾かれることなく路面に追従し、まるでバイクが荒れたセクションを泳ぐように進む魔法のようなトラクションを獲得します。
Invert Enduroは従来の倒立フォークの欠点を”独自技術”で突破
Cane Creekの「Invert Enduro」が過去の倒立フォークと決定的に違うのは、独自の「SquareLoc(スクエアロック)アクスルシステム」を採用している点です。


この特殊なアクスルシステムにより、Invert Enduroは「市場で最も剛性の高いシングルクラウン倒立フォーク」となりました。

過去の倒立フォークの弱点であった「過剰なねじれ」を克服し、狙ったラインを正確にトレースできる高いステアリング精度を実現。
しかし、完全にねじれないフォークはサスペンションの動きを妨げてしまうため、
倒立ならではの路面追従性はしっかりと残すよう設計されており、まさに「硬すぎず、柔らかすぎない」究極のバランスを突いたフォークです。

そして重量は、これだけの剛性を確保しながら実測値 2,780g(180mmトラベル仕様 / ガード等込み)という重量に抑えられています。

過去の重厚すぎる倒立フォークのイメージを覆し、現代のエンデューロバイクに求められる現実的なスペックを実現しつつ、ねじれに強い強靭な構造を獲得しました。
Invert Enduroの主な特徴
- 極太の45mmアッパーチューブによる究極のスムーズさ
一般的なエンデューロフォークの38mmチューブより19%も太い45mmアッパーチューブを採用。前後方向の剛性を飛躍的に高めることで、ブレーキング時などにチューブがしなって内部が引っかかる「バインド」を防ぎます。 - 計算された内部ブッシュ配置
内部のブッシュをアクスルに近づけ、ブッシュ間の距離を長く取ることで、衝撃によるテコの原理が働きにくくなり、内部の摩擦が劇的に軽減されています。 - 定評のあるHelm MKIIダンパーを踏襲
ダンパーシステムには、Cane Creekの高性能フォーク「Helm MKII」で実績のあるシステム(HSC、LSC、LSR調整機能)を採用し、幅広いセッティングに対応します。 - トラベル量は160mm / 170mm / 180mm
現代のハードなエンデューロやフリーライドに最適なトラベル量をラインナップ。
(※トラベル変更にはエアスプリングの交換が必要)

これまでの常識を覆すフォーク「INVERT」
「倒立はバネ下重量が軽いから動きが良い」という説がありますが、現代のMTBフォークのマグネシウム製アウターレッグは非常に軽いため、これはほぼ神話です。
Invert Enduroの圧倒的な滑らかさは、純粋に「シャシーの剛性バランス」と「ブッシュ構造」の賜物なのです。
現在、本国では圧倒的な人気のため、納期が未定な状態。
日本でもわずか初回は数本のみ入荷となっています。

モトクロスの常識をMTBの最前線へ。
Cane Creekが送り出す「Invert Enduro」は、過去の倒立フォークの失敗を研究し尽くし、現代の技術と独自のアイデアで見事に弱点を克服した意欲作です。
未体験のトラクションとスムーズさを、ぜひあなたのバイクで体感してください。
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