サドルケアオイル(PROOFIDE)メンテナンス
塗ったらどの程度浸透させればいいの?
塗り過ぎも怖いし、乾燥してレザーにヒビが入るのも怖い。
難しいことはありませんので、おさらいの意味も含めオイルメンテナンスの方法を改めてご紹介します。
PROOFIDEを塗ってみよう
PROOFIDEは天然素材から抽出されたオイルになっており、植物系の染料を使用したBROOKSサドルに適した純正ケアオイルです。
動物系のオイルや石油系のオイルなど、いろいろなケア製品が販売されていますが体重をかけるレザー製品というのはサドル以外にはなかなかありません。
必要以上に革を伸ばしてしまわないためにも純正オイルの使用をお勧めします。
サドル全体に薄く広く伸ばしていきます。
ブラックやブラウンのサドルではあまり出ることはありませんが、ハニーのサドルでは塗った直後はかなり色が濃くなります。
浸透している証拠、安心して塗り伸ばしていきましょう。
どれくらい浸透させればいい?
BROOKSはオフィシャルに1時間放置して浸透させるとレザードレッシングが魔法をかけてくれると記述しています。
この間にバイクの他の部分を洗車したり、コーヒー飲んでリラックスしたり。
メンテナンスにかける時間を有効に楽しんでください。
浸透したらあとは拭き取り
ズボンにオイルが移らないように、しっかりと磨いて行きます。
ここではまず表面に浮き出しているオイルをしっかり拭きとることが大事。
私はオイルを拭う布と、その後の磨きに使う布とを使い分けています。
表面のオイルが拭えたらひたすら磨きます、この磨きで表面の艶が随分と変わってきます。
目安としては1分程度の磨きを2~3度繰り返すと艶が出てきます。
すでに、必要な油分は浸透していますから表面にオイルを残しておく必要はありません。
専用のPROOFIDEを使用すると革の毛穴を埋めてしまうこともなく、呼吸する革の状態を維持できます。
定期的なオイルケアでサドルを乾燥から守り、あなただけの座り心地を手に入れることができるでしょう。
どの程度の頻度で塗ればいいの?
特にトラブルなどなく通常使用であれば6ヶ月ごとに塗るといいとしています。
私は今回のようにしっかりと浸透させるケアは6ヶ月毎、表面の艶を取り戻すための薄く塗り伸ばす程度の磨きは季節の変わり目ごとにやっています。
BROOKS 推奨オイル
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おまけ情報
サドルのメンテナンスをお受けする時にたまに見受けるケースになります。
永くサドルを使い続け、成長させていくためにもBROOKS推奨のPROOFIDEのご使用をおすすめいたします。
・ワークブーツのメンテナンスに良く使われるミンクオイル
浸透性が非常に良く、硬いブーツを馴染ませメンテナンスするには適していますが直接体重をかけるサドルの場合柔らかくなりすぎる傾向があります。
・ライダースジャケットのメンテナンスに良く使われる馬油
こちらもバキバキに固くなったジャケットを馴染ませるのに向いているオイルではありますが、ミンクオイル同様もしやそれ以上に浸透性が高く、やはりサドルが柔らかくなりすぎる傾向があります。
新しく硬いサドルを早く柔らかくしたいと言う想いから塗られる方も見受けるのですが、やはりサドルの寿命にはかなり影響を与えてしまいます。
革の伸びと変形に大きな影響を受けたサドルのメンテナンス相談をいただくケースが複数ありますのでお気をつけてください。
あとは浸透性が高いにも関わらず塗りすぎてしまい、カビの温床と化してしまうケースも見受けられます。
サドルメンテナンス、トラブルQ&A
Q1:レザーサドル、濡れたらどうする?
さぁーっと小雨に降られた、軽く湿った程度ならさほど気にすることはありません。
しっかりびしょびしょになってしまったときはこちら↓↓↓
特に夏の時期、台風の中自転車で外へ出る機会は少ないかもしれませんが、ゲリラ豪雨には遭遇してしまうことはあるかもしれません。
もし濡れてしまったら。
カバーを掛け忘れたら。
焦らず、きちんとした対処をすれば何の問題もありません。
いくつかの注意だけを覚えておいてください、そうすればBROOKSサドルをより長く使ってもらうことが可能です。
★ まずは焦らず、乗らずに放置
ここは急いで帰りたいところですが、ちょっと我慢。
水を含んだ状態のレザーサドルに力をかけると、革の伸びの原因になります。
革が一気に伸びることでサドルの変形や寿命を短くしてしまうことも。
こういうときはのんびりしながら、おおらかな気持ちで自然に乾燥するのを待ちましょう。
★ 覚えておきたい注意事項は3つだけ
① 強制乾燥はダメ
② 濡れたままサドルカバーは付けない
③ 濡れた状態でオイルは塗らない
① 強制乾燥はダメ(詳しくはこちら)
焦って乾かそうと無理をするのは止めましょう。
ヘアドライヤーやヒートガンでの強制乾燥はレザーそのものを必要以上に乾燥させてしまいます。
自転車から外して電子レンジとか絶対ダメ ×
自然の素材から作られているレザーサドル
乾燥にも自然の力をかり、無理はしないようにしてください。
無理に熱風を浴びせるのではなく自然乾燥がいちばんです。
② 濡れたままサドルカバーは付けない(詳しくはこちら)
カバーをかけると、湿気の抜けが悪くなり革にカビが生える要因になります。
カバーは濡れないようにするための保護具、濡れてしまったら掛けないほうが良いです。
ラップを掛けてご飯をチンするとラップの中には水滴がついていますよね、同じことで外へ水分を逃がしにくくなりますので乾燥させるためにはおすすめできません。
③ 濡れた状態でオイルは塗らない(詳しくはこちら)
水を含んだレザーは色々と吸収しやすい状態にあります。
濡れてしまったらオイルを塗って保湿してあげたいところですが、乾燥しきってから作業をしてください。
濡れた状態でのオイルメンテナンスは、革の伸びに影響を与えることがあります。
★ では、乾燥のさせかたはどうすればいい?
日陰で、風通しの良いところに置く
やるべきことはこれだけ
できるだけ日の当たらない駐輪場や、室内に保管できればベスト
風通しがよく湿気のたまらない場所が理想です。
人の出入りのない倉庫や湿度管理していないガレージなどはカビが怖いかも、普通に日陰を探して置いておくのがいちばんと思います。
濡れ方にもよりますが、乾燥するには1日から2日くらい要すると思えば参考になるかと思います。
もし絞ったら雑巾みたいに水が滴るのでは?くらいのひどい濡れ方なら2日は乾燥させたほうが良いかもしれません。
濡れてしまっても、怖いことはない
もし望んでいなくても濡れてしまった場合はこちらを参考に自然に乾燥を待ってください。
乾燥を待って、オイルメンテをしてあげれば問題は起きません。
濡れそうなとき、急な雨が怖いとき
そんなときには予めレインカバーをかけるか、コンビニ袋でもいいのでサドルを保護しておくと良いです。
自然の素材には、自然のチカラでのんびり乾燥を待ちましょう。
絶対濡らしちゃダメ?と聞かれることも多いのですが、絶対ダメならこの記事のために自分のサドルを濡らすことは私もしません。
ただし、革ですから濡れてしまうことで少しの水ジミなどはできると思います、それもまた味。
経年変化を楽しみながらBROOKSレザーサドルで快適なライドを味わってください。
Q2:サドルのテンション調整は難しい?
簡単にメンテ可能、サドルの座面が少し凹んできたときが調整時
テンションスパナをサドル前から見た時に時計方向へ
サドルの革にスパナが当たるので、一回に回せるのは約90度程度になります。
一度の調整では一気に張りすぎないよう、この90度づつ調整し、張りが足りなければもう一度調整するを繰り返します。
お問い合わせいただくことが稀にあるのが、「テンションピンが一緒に回ってしまうのですが」というご質問。
この場合はBROOKSもオフィシャルで公開していますが、プライヤーなどでピンを押さえる必要があります。
なんともシンプルな回答になりますが、先細のペンチで固定しながら作業を進めます。
注意することは、一気に張りすぎない
一気に革の張力をあげ、そのまま体重を押し当てると革の繊維へかなりの負担をかけることになります。
身の回りにある革製品を見ていただくと、靴、カバン、財布など全体重を革に掛けるような製品はあまり存在しません。
調整は少しづつ、革を慣らしながら行っていただくとさらにサドルの寿命をのばしてより良いフィット感へと成長していきます。
オイルメンテナンスクイックガイド
① PROOFIDEをサドル全体に薄く広くのばして塗布
② 1時間を目安に浸透を待つ
③ サドル表面に残ったPROOFIDEを拭き取る
④ 約1分程度の乾拭きを2〜3度繰り返し、革に艶を出す
⑤ 完成
6ヶ月毎のオイルメンテナンスを目安に愛車のサドルを育てていきましょう!
テンション調整クイックガイド
① テンションスパナで一度に90度を目安に締めて調整(サドル前から見て時計方向へ)
② 実際に乗って、押してみて、まだ弛んでいるようなら再調整
③ 革にしっかり弾力が出てきたら完成、一気に締め込みすぎないようにだけ注意!
もし、大雨でサドルが濡れてしまったら
① びしょびしょに濡れたままでの乗車は我慢(サドルの変形や革の伸びに直結します)
② 風通しの良い日陰で自然乾燥(強制乾燥、サドルカバーの設置、濡れた状態でのオイル塗布はダメ)
③ 乾燥したら、オイルメンテナンスを行い適度な保湿を
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