スポーツサイクルを乗る上で、体と接するハンドル・ペダル・サドルの3点は非常に重要となり、特にサドルは多くの体重がかかるためお尻に痛みが出やすくなります。

そんな痛みの出やすい部分をサポートするのがサイクリングショーツの一番の役割です。

サイクリングショーツを履いた方がよい方、なくてもよい方。サイクリングショーツの種類。選び方をご紹介します。

目次

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サイクリングショーツとは

サイクリングショーツとは自転車用パンツのことで、

レーサーパンツ(レーパン)/サイクリングパンツ/サイクリングショーツ/ビブショーツなど…

色々な呼ばれ方をしていますが、どれも自転車用のパッド付パンツのことをさします。

サイクリングを行うことに特化しており、空気抵抗を増やさないようにピタッと足に密着し、生地も通気性、速乾性に優れたものが使用されています。

サイクリングショーツは必要なのか

サイクリングに特化しているとはいえ、サイクリング時には絶対に履かないといけないのかというとそうではありません。

サイクリングをはじめてお尻が痛いと思ったことがない方や、30分以内や10km以内のライドが多い方はサイクルショーツがなくてもサイクリングを楽しむことが可能です。

逆に言うと、30分以上もしくは10km以上移動をする方。今までにお尻の痛みを感じたことがある方ですとサイクルショーツを履いた方が、楽しいサイクリングを行える可能性が高まります。

サイクルショーツの選び方

サイクルショーツを履いた方がよいと言ってもどれを履いても同じように快適という訳ではありません。

様々なメーカーが目的に合わせて開発しているため、自身の乗り方に合わせてサイクルショーツを選ぶ必要があります。

サイクルショーツを選ぶ基準

  • シーズン

  • 丈の違い

  • コンセプトの違い

  • ビブストラップ有無

  • ポケットの有無

選ぶ基準を理解し適切なサイクリングショーツをお選びください。

 

1.使用するシーズンを決める

サイクリングショーツとはいってもウェアになります。まずはじめに使用するシーズン(季節や気温)を選びましょう。

それぞれのシーズンによって想定される気温が異なり保温力が変わってきます。

春/秋(10℃~20℃)
夏(20℃以上)
冬(10℃以下)

夏のものは薄手で涼しく作られています。
春秋は薄い起毛素材を使用し少し暖かくなります。
冬は厚手の起毛で寒い中でもサイクリングが出来るようとても暖かく作られています。

2.丈の長さの違い

サイクリング ” ショーツ ” といっていますが、サイクリングショーツは短いものばかりではありません。

膝上太腿丈のショーツタイプ
膝下ふくらはぎ丈のニッカータイプ
足首までのタイツタイプ

があります。

春秋のモデルや冬のモデルは丈が長いとより暖かく履くことが可能です。

夏のモデルは丈が伸びると暑く感じられますが、日焼け対策になります。
丈の短いショーツタイプは涼しいですが、履いている位置でくっきりと日焼け跡が出来てしまうため注意が必要です。

3.サイクリングショーツのコンセプトで選ぶ

履く時期と丈の長さが決まればサイクリングショーツのコンセプトを選びましょう。

インナータイプ

上にショートパンツやカーゴパンツなどを合わせるインナーパンツ型、黒無地でパッドも少し薄めが多い

コンフォートタイプ

きつくは感じないがピタッとする履き心地、パッドはクッション性が高く痛みが出にくいように作られている

ロングライドタイプ

コンフォートタイプに比べコンプレッションが高く筋肉のサポートが強い、パッドもよりクッション性が高くなり長時間でも痛みが出にくい

グラベル/オフロードタイプ

コンフォートタイプとロングライドタイプの中間のような履き心地、落車でも破れにくい生地が使われていることが多い

インドアライドタイプ

室内向けのタイプ走行中の風がなく暑くなりやすい環境でも熱がこもりにくい生地が使われる、外で使うことを考えられていないこともあり、紫外線ブロックなどはないこともある

レースタイプ

エアロやパフォーマンスを意識しタイト目な設計でコンプレッションを強く感じられる、ダイレクト感を重要視するためパッドは薄め

ワンピースタイプ

ジャージと一体型化しているタイプ、レースタイプのモデルがベースになっていることが多くつなぎ目がないためよりエアロ

4.ビブストラップの有無

サイクリングショーツにはビブストラップと呼ばれる肩紐が付いたモデルもあり、ビブストラップの有無にはそれぞれメリットデメリットがあります。

ビブストラップありのメリット

  • ライド中にズレてこない
  • お腹で支えないため腹部の圧迫感が少ない

ビブありのデメリット

  • サイクリングショーツを下す際にジャージを脱ぐ必要がありトイレが面倒
  • 着ていると圧迫感を感じることもある
  • サイズ選びが重要

ビブなしのメリット

  • どんな姿勢でも楽
  • トイレが楽

ビブなしのデメリット

  • ライド中ズレやすい
  • ウエストに圧迫を感じやすい

5.ポケットの有無

荷物はジャージに入れる事を前提にしているため、基本的にサイクリングショーツにはポケットがありません。

しかし、最近はロングライド/グラベルタイプを中心にふともも横や背中などにポケットが付くモデルがあります。

ポケットがあることはメリットに見えますが、やはりメリットデメリットがあります。

追加ポケットのメリット

  • 荷物を持ち運べる量が増える
  • ふともも横の場合バックやパックポケットに比べ取り出しやすい

追加ポケットのデメリット

  • ペダリング時に足が重くなる
  • 慣れるまで足に当たるのが違和感を感じる
  • 太腿横の場合落車時にスマホなど荷物が破損する可能性が高くなる
  • 追加の布になり、重量や、空気抵抗が増える

 

サイクリングショーツについてよくある質問

サイクリングショーツは直に履くものなのですか?

はい。サイクリングショーツは下着を着用せずにそのまま履きます。

サイクリングショーツは蒸れないように通気性が高くい生地を使用し、シワなく身体に密着してズレないように製作されています。
下着を着用することによりサイクリングショーツ内でシワができてしまいペダリングの動きによってシワと肌が擦れ股ズレの原因となります。

さらに通気性が下がり熱がこもり肌が柔らかくなるため、より肌を傷めやすくなります。

はい。通常通り洗濯機で洗濯して問題ありませんが、乾燥などは生地を傷める原因となります。

また柔軟成分や、漂白成分などが含まれる洗剤で洗濯するのも生地のダメージの原因となりますので漂白や、柔軟成分が含まれない洗剤を使用ししっかりとすすぐことをおすすめします。

はい。ライド中であればビブストラップ付のモデルがおすすめです。

しかし、自転車に乗って目的地に向かい観光や、写真撮影などがメインとなる場合は、直立の姿勢でも楽なストラップなしもおすすめになります。

ビブストラップの上にジャージを着用しているため、下すためにはジャージを脱ぐ必要があります。

男性の場合、メーカーやモデルによりますが、ウエスト部分を下に引っ張ることでトイレを行うことが出来る場合があります。

女性のモデルですとストラップだけがマグネットなどで固定されておりジャージを脱がずとも下せるモデルも存在します。

サイクリストの多くが、足の毛を剃っていますが必ず剃らないといけないということではありません。

サイクリストたちが足の毛を剃る主な理由しては、
落車した際の治療時に傷口に地面の砂や、小石などが付着するのですが綺麗に取り除くには毛がない方がスムーズであるためという理由。
プロなどライド後マッサージをする際に毛がない方が行いやすいという理由です。

また足の毛を剃ることで空気抵抗を削減するとも言われています。

足の毛を剃ることに抵抗があれば無理に行わなくてよいですが、落車時の治療などを考えると剃っていた方が良いかもしれません

おすすめのサイクリングショーツ

昔からサイクリングショーツというものはありましたが、現在のように快適なものではありませんでした。

スイスを拠点とするサイクリングウェアブランド「アソス」が現在でも使用されている、身体へ密着する生地を採用、パッドもクッション性のあるものに変更しサイクリングショーツへ大きな革命を起こしました。

アソスのおすすめサイクリングショーツ

コンフォートタイプ

アソスのサイクリングショーツの中ではベースとなるミレGTビブショーツはコンフォートタイプのサイクリングショーツです。

パッドをお尻からズラさない構造をしており、サイクリングでの痛みの原因となる股ズレや尿道の圧迫を起こさせません。

アソスではコンフォートタイプのみビブストラップなしモデルが存在します。

レースタイプ

ベースとなるミレGTショーツをよりタイトにスピードを出すポジションに合わせて改良されたのがレースタイプのエキップショーツです。

痛みの出ない構造は同じですが、コンフォートタイプに比べパッドが薄くなり、筋肉をサポートしてくれるコンプレッション性が高くなっています。

深い前傾ポジションの方はこちらがおすすめです。

この4アイテム以外にも、アソスにはサマーサイクリングショーツがラインナップされています。

コンセプトに合ったサイクリングショーツを選ぶことでより快適に楽しいライドを行うことが可能です。