- 「テコの力」で硬いボルトも楽に緩む
強力なテコの原理を利用。
力を効率よく伝える設計で、固着した8mmや10mmのクランクボルトもスムーズに緩めることができます。 - CeramicSpeed BBツールと連動
CeramicSpeed製のボトムブラケット脱着工具と組み合わせて使用します。
ベアリングを内蔵した専用のハンドル(ハンドホイール)を回すだけで、安定した作業が可能です。
CeramicSpeed クランクボルト取り外し工具:運用・安全操作マニュアル
発行日:2026年1月29日(初版)
本製品は、特に高トルクで固着したクランクボルト(SRAM DUB等)に対し、人力による不確実な衝撃ではなく、機械的な「静圧」をかけることで、パーツや作業者へのダメージリスクを低減しつつ、安全に分離するための専用工具です。
【重要】作業前の確認事項
- ネジ方向の確認: 本ツールは構造上、正ネジ(反時計回りで緩むボルト)専用です。一部の反ドライブ側に見られる「左ネジ(時計回りで緩む)」に使用した場合、ボルトをさらに締め込む形となり、クランク、ボルト、およびツールを破損させるリスクがあります。作業前に必ず各パーツメーカーのマニュアル等で、ボルトに刻印された回転方向(LEFT HAND THREAD等の表記)を確認してください。
- 適合確認: 使用するボルトのサイズ(8mmまたは10mm)に適合するビットを正しく選択してください。
1. 事前準備と清掃
- 徹底清掃: ペダルを取り外し、クランクボルト穴および、支点となるペダル取付穴をパーツクリーナー等で清掃し、砂・汚れ・古いグリスを完全に取り除いてください。異物が付着していると、ツールの食い付きが悪くなり、不意の脱落やパーツ破損の原因となります。
- アクセスの確保: クランクボルト穴が完全に露出しているか確認してください。セルフエクストラクティングキャップ(自己排出キャップ)等が装着されている場合は、あらかじめそれらを取り外す必要があります。
2. ツールの装着手順
- ビットの確実な奥突き: ボルトサイズに適合するビットを選択し、ボルト穴の奥まで隙間なく完全に差し込んでください。挿入が浅い状態で負荷をかけると、高トルクによってボルト頭部が損傷する重大なリスクがあります。
- 擬似アクスル(支点)の固定: ビットを差し込んだクランクアームのペダル穴側へ、ツールの支点となる「擬似ペダルアクスル」を差し込み、ガタつきがないように最後までしっかりとセットします。
3. 本体角度の調整と確認
- セット位置と有効角度: クランクアームを時計の9時方向(水平)に保持した状態で、ツールのレバーアームが12時〜1時方向(斜め右上)を向くようにセットします。その際、最終的に力をかける段階でツール本体とクランクアームが適切な角度(80〜90度付近)になることを確認してください。
セット時の角度が鋭角すぎたり、90度を大幅に超えていると、ハンドルを回した際に力が逃げ、正しく機能しない場合があります。
また、作業全周においてツールがフレームや周辺パーツ、パワーメーター等に干渉していないかも併せてチェックしてください。
4. 取り外し作業(固着の解除)
- 【重要補足】 :ハンドホイールを時計回りに回すと、テコの原理によりクランクボルトには反時計回り(緩め方向)の力がかかります
- 制御された加圧: ツールのハンドホイールを手でゆっくりと時計回りに回し始めます。
- 固着剥離: 本ツールはネジの原理を利用し、じわじわと機械的に圧をかけていきます。固着状況によっては音と共に固着が剥がれるまで、一定の速度でハンドルを回し続けてください。
- 異常を感じた場合は即時中断: 異常な抵抗を感じたり、異常な手応えやツールのたわみを感じた場合は、直ちに作業を中断してください。ネジ方向の再確認、ビットの浮き、または想定トルクを大幅に超える異常固着の可能性があります。
5. 仕上げ
- ツールの撤去: ボルトが十分に緩んだ感触(手応えの消失)があったら、ハンドホイールを緩めてツール一式を取り外します。
- 最終分離: 残りのネジ山は通常のアーレンキー(ヘックスレンチ)等を使用し、手作業で最後までボルトもしくはクランクアームを抜き取ってください。
【重要】クランクボルト取り外しに関する安全上の注意事項
1. 従来手法(打撃・延長バー)のリスク回避
固着したボルトに対し、延長バーを用いた無理な人力やハンマーによる打撃を加える行為は極めて危険です。これらの手法は、工具の滑りによる重大な怪我、フレームやパーツの損傷、ボルトの破断を招く恐れがあります。本製品は、これら「不安定な衝撃」を「機械的に制御された静荷重」へと置き換えるための安全補助装置です。クランクに完全に固定されるため、作業ミスによるパーツへの傷や怪我のリスクを最小限に抑えつつ、固着を確実に解除します。
2. 異常時の判断基準と浸透潤滑剤の併用
ハンドルを回してもボルトが一切動かない、または異常に強い抵抗を感じる場合は、無理に続行せず作業を中断してください。ネジ方向が正しいか再確認し、必要に応じて浸透潤滑剤を併用し、薬剤が浸透するまで時間を置いてから改めて作業することを推奨します。
3. 精密機器(パワーメーター等)の保護
パワーメーター搭載クランクにおいて、打撃衝撃を加えない本ツールの使用は内部センサーの保護に極めて有効です。ただし、ツール本体や支持部が精密機器のハウジング、配線、電池カバー等を干渉・圧迫しないよう、装着状態を慎重に確認してください。
この手順に従うことで、「人力による滑り」や「衝撃による破損」のリスクを低減しながら、安全にクランクを分離することが可能です。
【免責事項】
- 本マニュアルに記載された手順および注意事項を遵守せずに作業を行った結果生じた、パーツの破損、工具の損傷、および作業者の怪我については、一切の責任を負いかねます。
- 固着の状態が著しく、ツールの許容負荷を超えると判断される場合は、作業を中止してください。
- 本マニュアルの内容は、製品の仕様変更や安全基準の更新に伴い、予告なく改訂される場合があります。


