BROOKS工場に再訪
11月末、BROOKSの工場を再び訪れる機会がありました。
1866年創業、来年で160年を迎える老舗ブランド。

長い歴史のなかで「変わらず続いてきたこと」自体が大きな価値ですが、実はその裏で、少しずつ確実にアップデートされている部分もあります。
前回の訪問記、サドルができるまでの詳しい説明はこちらにアップしているのでチェックしてみてください。
変わらないもの
BROOKSの工場に足を踏み入れた瞬間に感じる、あの独特の匂い。
金属をプレスする音、そして革の香り——。
前回の訪問記でも触れましたが、ここに来ると“変わらないことの尊さ”をあらためて実感します。
変わらない点としては、
・主力となるラインナップとそれを形づくる金型
・バーミンガムでの一貫した生産体制
・熟練工による手作業が今も工程の中心であること
これらはBROOKSの「揺るぎない価値」の土台となり続けています。

変わるもの
一方で、BROOKSは伝統を守るだけのブランドではありません。
実は創業当初から革新的な姿勢を持ち、常に新しいことに挑戦してきました。
そもそもの始まりが、馬の鞍を作っていたBROOKS氏が、それを当時最先端だった自転車に応用しようとしたこと。革新性は、BROOKSの“もう一つの本質”なのかもしれません。
また、長い歴史があるからこそ「変わらざるを得ない」状況にも直面します。
外部環境が変わり続ける中で、適応できなければ生き残れない。
BROOKSは過去の栄光にあぐらをかくことなく、その変化に誠実に向き合い、必要なアップデートを続けています。
そこに、受け継がれてきた伝統と革新の共存がうかがえます。

環境的な要因として、革サドルは今、とても難しい時代にあります。希少な革の調達は年々難しくなり、製造に使う機械もビンテージで故障が増える一方です。
古い機械を修理しながら、新しい革の供給源を探し、「BROOKSらしさ」を守りながら時代に適応する。
その積み重ねが160年という歴史を支えているのだと感じました。

より魅力的になった人々
そして、変わらずBROOKSを支えているのが工場で働く人々です。
親子二代にわたり工場長を務めるスティーブン・グリーン氏をはじめ、リベットを打つ職人、レールを溶接する職人など、長年の経験が工場の隅々に息づいています。
今回は、以前よりも笑顔で挨拶してくれる人が増え、すれ違いざまに声をかけてくれることも多くありました。
顔見知りになってきたという以上に、“BROOKSで働くことへの誇り”が工場内でより強く共有されているように感じます。
工場内に貼られた写真。
今までも集合写真が掲示されていることはありましたが、一人ひとりの持ち場で撮影、名前入りに。
こういったところからも誇らしさが感じられます。

今年6月には、初めて工場を一般公開する「オープンファクトリー」を開催したとのこと。
これもまた、BROOKSの大きな前進です。
オープンファクトリーの様子はBROOKS本国の記事を(写真:Simon Weller)
画像をクリックで記事にジャンプします↓

伝統と革新のバランス感
変わるもの、変わらないもの。
この両方を的確に見極めながら前へ進むBROOKSの姿勢に、「続いていく企業の底力」を強く感じました。
そして来年、いよいよ“絶対に変わらないと思われてきた”レザーサドルにも、新たな挑戦があるようです。
その続報も、また追ってご紹介したいと思います。



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