見た目が似ているこの2つのアイテム
・BIO CHAIN CLEANER
・BIO DEGREASER
どちらも油を除去する洗浄剤ですが、何がどう違うのでしょうか?
結論から言うと、
BIO CHAIN CLEANERはチェーン向きの速効型
BIO DEGREASERはパーツを外してじっくり型
というイメージです。
違いは成分の比率
この2つのクリーナーに入っている成分は主に
・石油系溶剤
・界面活性剤
の2つです。
BIO CHAIN CLEANERは石油系溶剤の割合が高く、
BIO DEGREASERは界面活性剤が高め
この比率の違いで、そのクリーナーの性質が変わります。
各成分の違いは以下のとおりです、
石油系溶剤は油を溶かして落とす力はありますが、石油成分自体が水では落としきれません。
かといって界面活性剤だけでは油に対する洗浄力があまり強くなく、金属表面にこびりついた汚れを落としきることができません。
そのため、チェーンや金属パーツに付着した油汚れを洗浄するには、
石油系溶剤と界面活性剤を組み合わせると、最も効率よく洗浄できます。
その比率が、
BIO CHAIN CLEANERは石油系溶剤の割合が高く、
BIO DEGREASERは界面活性剤が高め
となっています。
なぜ、配合比率を変えるのか
その理由は、洗浄力、水との親和性、ルブの浸透、樹脂パーツへの攻撃が関係しています。
BIO CHAIN CLEANERが石油系溶剤の割合が高い理由は、
・石油系溶剤の方が油を溶かす力が強いので、ブラシが届かないチェーンのコマ内部の汚れを落としやすいから
また、洗浄した後に少しだけチェーンの表面に石油成分がコーティングされるため、ルブが浸透しやすくなります。
BIO DEGREASERが界面活性剤が高い理由は、
・パーツを分解して洗浄する際に、石油成分が残ってベアリングのシールなどの樹脂を攻撃しないようにするため
界面活性剤が石油成分、汚れ、水と結合することで、すすぎ洗いした時に油が残らずスッキリ洗浄できます。
という理由です。
実際にスプロケットにスプレーした時、どちらとも綺麗に汚れは落ちますが、
BIO DEGREASERは油膜が取れてベターッとしていますが、
BIO CHAIN CLEANERは薄く油膜があるので、水滴が粒状になっているのがわかります。
チェーンの場合、この油膜が少し残ることで、ルブが浸透しやすくなるという理屈です。
反対にカセットなどパーツはルブの浸透が必要ないのでBIO DEGREASERでOK、
ベアリングの洗浄の際は、グリスアップした際にグリスと反応して柔らかくなってしまうため、BIO DEGREASERで洗浄した方が良いです。
今回紹介したアイテム
ちなみに、そのほかのチェーン洗浄系クリーナーの違いは?
・DRIVETRAIN CLEANER
石油系溶剤と洗剤成分のハイブリットで
BIO CHAIN CLEANERよりも洗浄力を強化したクリーナー
汚れを含んだ石油系溶剤と洗剤成分が水と結合し、瞬時に乳化することで、
樹脂パーツなどへの攻撃を減らす。
・HP QUICK DRYING DEGREASER
アルコールの力で揮発させることで、石油成分を残さないので、
水を使用せずに洗浄が可能。
また、強力ジェット噴射で汚れを一緒に飛ばすので、ブラシを使用せずに洗浄ができます。