日本に到着、開封!ÖHLINS RXF36 AIR “m.3”

新しい ÖLINS RXF36 m.3フォークが到着しました。
m.2と比べデザインこそ大きな変化はありませんが、細部においてのアップデートはさすがOHLINS!

事前情報によるRXF36 m.3
主なアップデートポイント

① クラウン、アウターケースのアップデートで軽量化
② 内部ブッシングの重なり部分を拡大
③ トラベルの幅を狭め140~160mmトラベルで最適化 ※29インチ
④ 摺動部分の摩擦をさらに低減し感度が向上→トラクションと快適性が強化され、どんなトレイルも制覇可能に

左がRXF36 m.2、右がRXF36 m.3

m.2からm.3のアップデートの詳細を見ていきます。

◆ここからも、画像は 左がRXF36 m.2、右がRXF36 m.3 として見比べてください。

ブレースが太くなっている

ここは左右のレッグのねじれ方向に影響を与える部分。
太くなって、フロントタイヤがもっていかれたりした場合も踏ん張ってくれます。

内側がトラス構造のため、太くしても重量には大きく影響がなさそう。


エンド付近が違う

m.2はアウターの先端から生えるようにエンドが出ていたが、m.3は覆うように変更。

おそらくここもねじれ対策としてのアップデート!

ほら正面から見ても全然違います。


クラウンの形状が!

上から見ると狭くなっていて

前から見ると分厚くなっています。

この部分に負荷がかかるのは、特に下りでのブレーキングの時。
ここがしっかりしていてこそ、フォーク本来の役割を果たしてくれます。

仮にカットした時の断面は、m.2が横長長方形、m.3は正方形。
実はこの形状RXF38ですでに採用されていました。


ブッシュの位置

ブッシュはインナーチューブとアウターケースの摺動部。そしてサスペンションが真っ直ぐ入りこむためのガイドの役割を果たします。
アウターに入り込む部分からブッシュまでが長く取れた方がより剛性感にもつながるし、何より動きのスムーズさに直結します。

上の画像では全く何だかわからないですが、下の画像の指している部分。

ここが実はブッシュの入っている部分。
よーく見ると太くなっている。測るとコンマ5mmほど。

m.2とm.3でその位置が違うのがよく見るとわかります。
つまり右のm.3の方が嵌合長が長いということ。

アウターケースの形状を見直して、補強する箇所、抜く箇所があって、結果剛性もあがりました。


軽いのか??!

はい、軽いです。
コラムカット、スターファングルナットとクラウンレース付きのm.2が2,132gに対し、コラムカットしていないm.3はなんと 2,035g

これは軽い!

「どんなトレイルでも制覇可能」とはどういう意味だろうか?と正直思っていました。
事前に告知のあった内容と、現物を見て照らし合わせるだけでもOHLINSの言いたいことに近づいたように思います。

まとめ

① クラウン、アウターケースのアップデートで軽量化→軽量化はもちろんだが、剛性感アップ!

② 内部ブッシングの重なり部分を拡大→幅を長く取り嵌合いを長くしたことで剛性感と動きのスムースさアップ!

③ トラベルの幅を狭め140~160mmトラベルで最適化 → ②と同じく、嵌合いを長くしたことで剛性感と動きのスムースさアップ!

④ 摺動部分の摩擦をさらに低減し感度が向上→トラクションと快適性が強化され、どんなトレイルも制覇可能に→これも②③と同じく、嵌合いを長くし、サスペンションが真っ直ぐた動く(入り込む)ことに集中し、動きのスムースさアップ!

軽量化しているのに剛性感があがり、動きも良くなる。
これはトレイルやエンデューロレースに出るのも楽しみになってきます。

次回は「OHLINSはダンパーが凄い良いらしいけど何が違うの?」と「メンテナンスについて」に続きます。


スペック

• Öhlins TTX テクノロジー
• トラベル:140/150/160mm(29”)
• 独立スプリングシステム
• 独立ダンパーシステム
• m.3用エアスプリングシステム
• 36mmインナーチューブ
• オフセット:38mm、44mm、51mm
• ホイールサイズ:29インチ、27.5インチ
• レース実績に基づく設定バンク • コイルスプリング対応設計
• フローティングアクスル採用(フリクション軽減)
・15x110mmアクスル
• 重量:2035g(実測、ボルト+アクスル込)
• eMTB対応

価格:¥249,700-(税込)



ÖHLINSは…

オーリンズは1976年から(約50年の歴史)モトクロス用のサスペンションから始まり、F1やMotoGP、フォーミュラカーなど超繊細な動きが求められる分野でも実績多数。

スウェーデンのストックホルムに本社を構え、世界有数のサーキット『ニュルブルクリンク』の近くにもオフィスやテクニカルセンターを構えています。

実はそれらの輝かしい実績を支えてきたエンジニア達が極度のMTB大好きな人達で、そのテクノロジーを惜しみなく注ぎ込んで、MTBのプロダクトを立ち上げたのです。
たまに「OHLINSって中身は他社の○O○Xなんでしょ〜」と言われますが全く違います。

F1用のサスペンションユニット(スクーデリア・フェラーリ)

MOTO GP用サスペンション&ステアリングダンパー
(確認できている限りでヤマハファクトリー・ドゥカティファクトリー・ホンダファクトリーがサスペンションを採用しています。)


このように日々OHLINSは世界最高峰のレースの現場で戦っており、路面からの情報をライダーへ伝えるための重要な役割をサスペンションは果たしているという思いで開発しています。

時速300km/hを超える状況で乗り手が的確な情報を感じるために独自のテクノロジーがあり、その最たるモノがツインチューブテクノロジー(TTX)です。
そのテクノロジーをMTB用サスペンションにも採用しているのです!

元々F1・MotoGPのサスペンションのエキスパート、その中のMTB好きエンジニアが作った、正真正銘で自転車用にテクノロジーを落とし込んだサスペンション。
ストロークの動きの良さと、シビアな場面で問われる減衰の立ち上がりの自然さ。
本当に1mm未満の単位で体感できる減衰です。