CeramicSpeed Bearing Cleaning & Maintenance
クリーニング・メンテナンス・グリス塗布のガイド
はじめに
CeramicSpeedのベアリングの滑らかな回転や寿命を最大限に維持するために、定期的なメンテナンスを行いましょう。
お住まいの地域の気候や走行条件・走行環境*により、メンテナンスをより頻繁に行うか、他の種類のCeramicSpeedグリスを使う必要があります。以下の推奨は、CeramicSpeed All Roundグリス(青色)の使用を前提としています。
CeramicSpeedのボトムブラケットとホイールベアリングは、5,000〜8,000kmごとにメンテナンスを行ってください。ヘッドセットベアリングは、メンテナンスを年に一度行いましょう。
*高温(平均気温が35℃以上)で多湿な気候や砂地、砂丘、雨またはウェットコンディションで走行される場合は、メンテナンスをより頻繁に行ってください。CeramicSpeed Long Lifeグリスは、上記の環境でより長期間耐えられます。
通常メンテナンスは、ベアリングをカップ、フレーム、ハブシェルから取り外さずに行える場合がほとんどです。そのため、ベアリングを叩き出したり、再び取り付けたりする際の変形や破損を防ぐことができます。
BBのメンテナンスでは、クランク、スペーサー、ダストカバーを取り外します。
ハブのメンテナンスでは、ハブまたはホイールメーカーのマニュアルに従ってアクスル、カップ、ダストカバーを取り外し、ベアリングが見えるようにします。
ベアリングが見えたら、カッターナイフなどの鋭利な物の先端でベアリングシールの内輪側を慎重に持ち上げます。この際、シールの破損を防ぎましょう。
シールを取り外したら、両面をきれいに拭き、変形がないことを確認してから保管します。
この状態で、ベアリング球が露出しています。布でベアリング表面に付着したグリスを拭き取ります。
一体のリングはベアリングの裏面です。ベアリングの向きは性能に関係ありませんが、ベアリングの表面の方がクリーニングやメンテナンスをより簡単に行えます。ベアリングをひっくり返し、裏面も入念にクリーニングをしましょう。
CeramicSpeedベアリングのクリーニングでは、イソプロピルアルコール(一般的な消毒用アルコール)を用いましょう。
スプレーボトルでベアリングの内側にアルコールを吹き付け、内輪を回して攪拌させ、隅々まで行き渡らせます。
20〜25秒経ったらエアーガン(エアーの強さにご注意ください。エアーが強すぎるとベアリングを傷めます)でグリス、汚れ、残ったアルコールを吹き飛ばします。
ベアリングを一つずつアルコールで濡らして撹拌させると、行き渡るまでに最初のベアリングの汚れをエアーガンで吹き飛ばせるので効率的です。
ベアリング内部に蓄積したグリスや汚れの量に応じて、この作業を3~4回繰り返しましょう。
ベアリングが目視できれいになり、滑らかに回転するようになったら、最後にアルコールを軽く吹き付け、ベアリングを自然乾燥させてから新しいグリスを塗布します。
最高の性能と寿命を得るために、下記にあるグリスの選び方と適用ガイドに従ってください。
グリスを塗布したら、シールのゴム面を表に向けてベアリングの上に置き、外輪の溝に均等に押し込んで取り付けます。
シールはベアリングの上に平らで均等に置かれていなければなりません。再び組み立てる際は、ダストカバーの向きに注意してください。
通常のクリーニングでは十分にきれいにできない場合、または推奨されるメンテナンス期間を大幅に超えてベアリングを放置していた場合、ベアリングを再び滑らかに回るようにするにはディープクリーニングが必要です。ボトムブラケットのカップをフレームから慎重に取り外すか、カップがない場合はベアリングをハブやフレームから取り外し、外せるシールを全て取り外します(上記のシールの取外し方を参照)。ベアリングを耐薬品製の容器に入れ、ナフサ(ホワイトガソリン、ベンゼン、ヘプタン)、PESPOオールマイティー洗浄剤に浸します。ベアリングを溶剤の中で攪拌(可能であれば、シェーカーなどの容器でベアリング全体に溶剤を行き渡らせる)し、2~3分放置します。 保護手袋と保護眼鏡を着け、使用する溶剤の安全ガイドラインに従って換気の良い場所で作業すると良いでしょう。溶剤からベアリングを取り出し、圧縮空気で乾燥させます。完全に洗浄され、永久的な損傷がない場合、ベアリングは自由かつ滑らかに回転するはずです。
リアシールを取り付け、使用目的に応じて以下のグリスの選び方と適用ガイドに従ってください。表面のシールを取り付けたら、CeramicSpeedのプーリーホイールオイルや同様の低粘度の鉱物油製コンパウンドなどの保護オイルをベアリングの外側に薄く塗布します。
ベアリング圧入ツールでベアリングをフレームやハブに慎重に圧入するか、カップをフレームに取り付け、残りの部品を元通りに組み立てます。
用途および製品 |
走行環境 |
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カテゴリー |
CeramicSpeedの構成部品 |
ドライコンディション |
ウェットおよびシビアコンディション |
オンロード |
ボトムブラケット&ホイールキット |
All Round Grease |
All Round / Long Life Grease |
プーリーホイール& OSPW System |
CeramicSpeed Oil |
All Round Grease / CeramicSpeed Oil |
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ヘッドセット |
Long Life Grease |
Long Life Grease |
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オフロード |
ボトムブラケット、ホイールキット&ヘッドセット |
All Round / Long Life Grease |
Long Life Grease |
プーリーホイール& OSPW System |
All Round Grease / CeramicSpeed Oil |
All Round Grease |
|
TT/Track |
ボトムブラケット&ホイールキット |
Race Day Grease |
All Round / Race Day Grease |
プーリーホイール& OSPW System |
CeramicSpeed Oil |
All Round Grease / CeramicSpeed Oil |
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ヘッドセット |
Long Life Grease |
Long Life Grease |
ご使用のベアリングに適したCeramicSpeedグリースの選択方法をご紹介と、CeramicSpeed Long Life、All Round、RaceDayグリースのさまざまな利点についてご紹介します。
CeramicSpeed All Round Grease |
CeramicSpeed Race Day Grease |
CeramicSpeed Long Life Grease |
レース向け: オールラウンド |
ドライのコンディションのレース向け(ただし短距離のみ) |
全てのトレーニング環境 |
オールラウンドに使える標準的なグリス、ベアリング全種類に適合
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メンテナンス期間は短め(再潤滑) |
メンテナンス期間は長め |
推奨充填率 60〜80% |
推奨充填率 30〜50% |
推奨充填率 70〜100% |