ただの深緑じゃない。「B17 RACING GREEN」が語る、2位という名の豊かな美学。

BROOKSのアイコンモデル「B17」に登場した新色、RACING GREEN(レーシンググリーン)。

落ち着いたシックな佇まいと、英国らしい気品を感じさせる深い緑色が特徴のアイテムです。

しかし、このサドルを眺めていると、一つ疑問が湧いてきます。
「なぜ、単なる“ダークグリーン”や“深緑”ではなく、“RACING GREEN”と名付けられたのか。」

実はこの色名には、イギリスのモータースポーツ史に輝く伝説のドライバー、スターリング・モス(Stirling Moss)のスピリット、そして「Second Place, First Class(2位でも一流)」という美学が込められています。


「無冠の帝王」スターリング・モスと、英国の誇り

スターリング・モスは、1950年代のF1グランプリで圧倒的な速さを誇りながら、一度も世界チャンピオンになれなかったことから「無冠の帝王(無冠の最高峰ドライバー)」と称されたイギリスの英雄です。

彼が王座を逃し続けた大きな理由の一つに、「イギリス車で勝つことへの強いこだわり」がありました。

当時、F1界を席巻していたフェラーリやマセラティといったイタリア勢に対し、性能面で一歩劣るイギリスのチーム(ブリティッシュ・レーシンググリーンを纏ったマシン)に乗り続け、不利な状況をも愉しむかのように走ったのです。

結果は年間2位(シリーズ準優勝)が4回。
しかし、自国の誇りを胸に妥協なく立ち向かう彼の気品あるスタイルと潔さは、世界中のモータースポーツファンから「1位の王者以上にエレガントで一流(First Class)だ」と称賛され、今も語り継がれています。

「1番になること」だけが、すべての価値だろうか?

かつてBROOKSの革サドルもツールドフランスの集団で最前線を走っていました。
しかし時代が変わり、昔からの伝統を守り抜くBROOKSのレザーサドルは、現代のレース最前線で使われなくなりました。

第18回オリンピック東京大会・自転車競技写真集
協力 横尾双輪館

ですが、スピードや順位だけを競うスタイルから一歩引いたとき、そこには新しいサイクリングの魅力が広がっています。

トップを追うのをやめ、あえて「2位(Second Place)」のポジションを選ぶ。
自分のペースで風を感じ、流れる景色や途中で出会うカフェでの時間を噛みしめる。

BROOKSはそんな「Second Place, First Class(2位でも一流)」という思想に感銘を受け、ブリティッシュ・レーシング・グリーンのレザー製品限定コレクションを制作しました。


モータースポーツの伝統色「レーシンググリーン」を纏う

英国のナショナルカラーであり、モスが愛した「ブリティッシュ・レーシンググリーン」。

最速を競う場から生まれたこの色が、
あえてスピードを競わない豊かなライドスタイルを象徴するカラーとしてB17に落とし込まれた——
この背景にこそ、BROOKSの想いが詰まっています。

クラシックなクロモリフレームにはもちろん、現代的なグラベルロードやモダンなシティバイクにも深みのあるアクセントを加えてくれます。

使い込むほどにあなたの体に馴染み、日差しや雨を経て深みを増していく天然レザー。
乗った分だけ刻まれるエイジングは、あなたが積み重ねてきた「上質なライドの記憶」となります。

「一番速く走ること」だけが自転車の価値ではありません。

スターリング・モスのように、自分自身のこだわりとペースを愛し、道中の移ろいや寄り道を楽しむ。そんな大人なサイクルライフの相棒に、気品あふれる「B17 RACING GREEN」を選んでみませんか?