ボトムブラケットは、ただ軽く回ればよいパーツではありません。
ペダリングでは、左右の踏力差、ダンシング時のねじれ、路面からの振動、クランクにかかる荷重変化が絶えず加わります。
つまりBBには、回転以外の負荷にも耐えながら、なめらかな動きを保ち続ける性能が求められます。
CeramicSpeed BB ALPHAは、前作の低摩擦性能を受け継ぎながら、ベアリング構造、シール、ダストカバー、カップ、メンテナンス性まで見直した新世代ボトムブラケットです。
前作との違いは、単に「さらに回る」ことではありません。
低抵抗を、より長く、より安定して維持しやすくなったことです。

この記事はこんなライダーにおすすめ
・前作のCeramicSpeed BBとBB ALPHAの違いを知りたい方
・スチールベアリングではなく、セラミックベアリングを選ぶ理由を知りたい方
・雨や洗車後でも、BBの軽い回転を長く保ちたい方
・レースやロングライド、グラベルなど、最適な状態で走りたい方
BB ALPHAは、短時間だけ軽く回るBBではありません。
負荷がかかる実走環境の中で、低抵抗を長く維持したいライダーに向いたボトムブラケットです。
前作との主な違いをひと目で

| 比較項目 | 前作のCeramicSpeed BB | BB ALPHA |
|---|---|---|
| ベアリング構成 | STANDARD / COATEDを選択 | 全シリーズで硬化ステンレススチールレースへ統一 |
| コーテッドモデル | あり | 廃止 |
| ベアリング保護 | 従来構造 | 保護性能を500%向上 |
| シール | 従来シール | ライトコンタクトシールを新採用 |
| ダストカバー | 従来形状 | POMプラスチック製の新形状 |
| カップ | 従来アルミカップ | 7075強化アルミ合金で約10%軽量化 |
| 仕様展開 | GXP、BB65、レッドカラーあり | GXP、BB65、レッドカラーを廃止 |
| メンテナンス | メンテナンス対応 | 3種類のグリスからライドスタイルに合わせて選択 |
BB ALPHAでは、選択肢を増やすのではなく、必要な性能をひとつの基準へ整理しています。
STANDARDかCOATEDかで迷う構成から、耐腐食性と低抵抗を両立しやすい構造へ。
使う側にとっては、より分かりやすく、長く付き合いやすいBBになりました。
BBはただ回るだけではない。セラミックボールが負荷に強い理由
スチールベアリングでも十分、という考え方があります。
ただ、実際の自転車では、BBはきれいに一定方向へ回り続けているだけではありません。
左右のパワー差、ダンシング時のバイクの振り、踏み込んだ瞬間のトルク変化。
こうした力が重なることで、ベアリングには回転以外の負荷も加わります。

BB ALPHAは、スチールボールではなく、硬度の高いセラミックボールを使ったベアリングを採用しています。
負荷がかかった状態でもボールの変形や摩耗を抑えやすく、なめらかな転がりを保ちやすいことが特徴です。
数値以上に大切なのは、実走で低抵抗を持続しやすいことです。
踏み始めの軽さだけでなく、上りでトルクをかけたとき、ダンシングでバイクを振ったとき、ロングライド後半で脚が重くなってきたとき。
BBまわりの抵抗感が増えにくいことで、ペダリングのリズムを保ちやすくなります。
硬化ステンレススチールレースと新シールで、低抵抗を守り続ける
BB ALPHAでは、ベアリングレースに硬化ステンレススチールを採用しています。

前作ではSTANDARDとCOATEDで仕様が分かれていましたが、BB ALPHAでは全シリーズでレース素材を統一。
コーティングに頼る構成ではなく、素材と構造そのものを見直すことで、耐腐食性と低抵抗を支えます。
さらに、カスタムメイドのライトコンタクトシールを新採用。
ベアリング保護性能は500%向上し、水分や汚れから内部を守りやすくなりました。
BBは、雨天走行や洗車の影響を受けやすい場所にあります。
だからこそ、保護性能の向上は新品時の回転だけでなく、使い込んだ後の軽さに効いてきます。

走り出しのなめらかさを、次のライドでも、その次のライドでも感じやすい。
BB ALPHAの進化は、そうした日々の安定感につながります。
新しいカップとダストカバーで、軽さと扱いやすさを高める
BB ALPHAのカップには、7075強化アルミ合金を採用しています。

素材の強さを活かしながら不要な部分を削り、BB全体で約10%の軽量化を達成。
中心部にあるパーツだからこそ、軽さだけでなく、しっかり支えることも大切です。
ダストカバーも新しくなりました。
剛性の高いPOMプラスチックを使い、ベアリングまわりへ汚れが入り込みにくい形状へ変更されています。

DUB規格ではスペーサーを減らし、Shimanoモデルではスペーサーを使わない構成になりました。
取り付けまわりがシンプルになることで、組み付け時の迷いが減り、安定した状態を作りやすくなります。
ライダーにとっての違いは、パーツの存在を意識しすぎずに踏めることです。
余計な不安が減ることで、ライド中はペダリングそのものに集中しやすくなります。
メンテナンスできるから、低抵抗を長く維持できる
CeramicSpeedのベアリングは、メンテナンスして使い続けられることも大きな特徴です。
BB ALPHAも、使い捨てのように性能が落ちるのを待つパーツではありません。
定期的に状態を確認し、グリスを入れ替えることで、低抵抗を長く維持しやすくなります。

グリスは3種類から選べます。
回転の軽さを重視するか、耐久性を重視するか、日常使いとのバランスを取るか。
ライドスタイルに合わせて選べるため、レース用のバイクにも、ロングライド中心のバイクにも合わせやすい構成です。

ここは、スチールベアリングとの大きな違いです。
ただ回るだけではなく、負荷に耐え、汚れから守り、メンテナンスで本来の性能へ近づけていく。
BB ALPHAは、低抵抗を一時的な性能ではなく、長く維持するためのパーツとして使えます。
まとめ
CeramicSpeed BB ALPHAは、前作の低摩擦性能を受け継ぎながら、実走での耐久性と維持性能を高めたボトムブラケットです。
前作からの主な変更点は、硬化ステンレススチールレースへの統一、コーテッドモデルの廃止、500%向上したベアリング保護性能、新しいライトコンタクトシール、POMダストカバー、7075強化アルミカップによる約10%の軽量化です。
ただし、BB ALPHAの価値は数値だけでは語れません。
左右の踏力差やダンシング時のねじれなど、実走ではBBにさまざまな負荷がかかります。
その中で、硬度の高いセラミックボールを使ったベアリングが低抵抗を支え、メンテナンスによってその性能を長く保ちやすくしています。
前作が持っていた「軽く回るBB」という魅力を、BB ALPHAはより実走向きに磨きました。
踏み始めの軽さ。
ロングライド後半でも失われにくいなめらかさ。
メンテナンスしながら、低抵抗を長く保てる安心感。
BB ALPHAは、回転の軽さを一瞬の印象で終わらせず、日々のライドの中で持続させたいライダーのためのボトムブラケットです。


