研究の背景

チェーンの横方向のズレ(斜め掛けやクロスチェーン、ミスアライメントとも呼ばれる)は、
ドライブトレインにを大きな摩擦損失をもたらします。また、そのズレが大きくなるにつれて摩擦損失は増加すると考えられています。

ギア比(ギア比=フロントのギア÷リアのギア、ギアの軽さを数値化して表したものです)が同じであれば、小さいギアの組み合わせより大きなギアの組み合わせの方が効率がよいと仮説がたてられています。

クロスチェーンを防ぎ、摩擦損失を防ぐシフトパターンは?

フロントをアウターギアを使用し走行する場合、リアをトップギアからローギアへシフトしていくと、チェーンとフロントチェーンリング、リアカセットが接する面が斜めになり摩擦損失が発生する(この現象がいわゆる「クロスチェーン」)のは想像がつくのではないでしょうか?
では、同じギア比でよりクロスチェーンにならないような組み合わせはあるのでしょうか?

本試験では、2×11速ドライブトレインの22種類のリングとコグの組み合わせによる摩擦損失と、チェーンリングサイズのみによる摩擦損失の影響を分析しました。


テストの概略

今回の検証は下記の機材を使用しました。
・使用フレーム: Cervelo R3
・カセットスプロケット: シマノCS-9000 11-28T(11・12・13・14・15・17・19・21・23・25・28)
・チェーンリング: シマノFC-9000 53T、FC-9000 39Tスモールリング
・ライダー出力: 250W、ケイデンス95RPM
・チェーン: シマノ・デュラエース 11速 CN9000 / SRAM 11速 RED PC Red 22
※検証の数値はシマノ、スラム両方のチェーンによる測定値の平均を使用しています。


最適なギア選択

1. 摩擦損失の少ないシフトパターンの考察

このグラフは、最も摩擦損失の少ない最適なシフトパターンを示したものです。
縦軸は摩擦損失をワット数へ変換し、消費ワット数は少ない(グラフが低い)ほど良いです。
横軸は効率の良いシフトパターンのギア比を表しています。
またアウターとインナーのシフトタイミングも示しています。

左側の薄いブルーはフロントがインナーの際の摩擦損失、右側の濃いブルーはフロントがアウターの際摩擦損失を表しています。
インナーではリアが23Tから、アウターではリアが13Tから一気にパワーの摩擦損失が大きくなっていることがわかります。


2. フロントギアに対する最適なリアのギア

この図はフロントギアに対して最適なギアを視覚的に示したものです。
濃い青い線はアウターで使用するべきギアの範囲(1~8番)
水色はインナーで使用するべきギアの範囲(6~11番)
です。


平地→登りへの移行(速度が低下し、ギアを軽くする)

平地から上りに移行するなど速度が低下しギアを軽くするとき、(トップギアから)8番目の21Tから9番目の23Tへ移行するタイミングでアウターからインナーへ変速しリアを6番目の17Tへ2段アップします。


摩擦損失を低減する理想的なギアの組み合わせ
 53-11→53-12→53-13→53-14→53-15→53-17→53-19→

 53-21→フロントをインナーへ落としリアを2枚上げる→39-17→

※フロントをインナーへシフトした際にリアも2枚シフトアップすることで大きくギア比が変わることがなくペダリングし続けられます。

 39-19→39-21→39-23→39-25→39-28


登り→平坦への移行(速度が上昇し、ギアを重くする)

逆に上りから平坦へ移行するなど速度が上がりギアを重くするときは、6番目の17Tから5番目の15Tに移行するタイミングでインナーからアウターへ変速しリアを2段シフトダウンします。


摩擦損失を低減する理想的なギアの組み合わせ
39-28→39-25→39-23→39-21→39-19→

39-17→フロントをアウターへ上げリアを2枚落とす→53-21→

※フロントをアウターへシフトした際にリアも2枚シフトダウンすることで大きくギア比が変わることがなくペダリングし続けられます。

53-19→53-17→53-15→53-14→53-13→53-12→53-11


3.同じギア比の組み合わせで摩擦損失は低減可能

このグラフは22パターン全ての摩擦損失、ギア比をグラフに表したものです。
(ギア比=フロントのギア÷リアのギア、ギアの軽さを数値化して表したものです)

縦軸が摩擦損失をワット数に変換したもの、横軸がギア比を表し緑の線が最適なシフトパターンを表しています。

同じギア比でも使用する組み合わせを変えれば摩擦損失は抑えられる

一番歯数の多い組み合わせ(53-28=アウターロー:ギア比1.89)に比べ、同じギア比(39-21:ギア比1.86)の小さなギアの組み合わせを使用することで0.74ワットの節約になります。


さらにギア比が大きくなるにつれ、節約できるワット数も大きくなります。39-11(ギア比3.55)に比べ同じくらいのギア比の53-15(ギア比3.53)を使用することで2.86ワットもの節約が可能です。


研究の結果

1.チェーンの横ずれ(クロスチェーン)は摩擦損失を生み、その損失は横ずれの角度が大きくなるにつれ増加する。

2.同じギア比、出力、ケイデンスでチェーンの横ずれをしないようにテストした場合、フロントのチェーンリングはインナー(小さなチェーンリング)よりもアウター(大きなチェーンリング)の方が摩擦損失は少ない。

3.チェーンとチェーンリング、リアカセットスプロケットの摩擦損失を少なくし、パワーロスを防ぐためには、ギア比を考慮した上でフロントのアウター/インナーを使い分けることが重要。


パワーを効率的にスピードに変えるには、
摩擦損失を抑えることが重要

CERAMICSPEEDのOSPWは、「摩擦を減らし、ワットを節約し、スピードを向上させること」を実現します。そこに、OSPWユーザーであるあなたが最適なシフトパターンを組み合わせることで更なるパワーロスの低減が可能になるのです。

OSPWとチェーンによる摩擦損失を抑えて、更なるハイパフォーマンスの境地へ共に辿り着きましょう!