ジロ・デ・イタリア2026で、Team Visma | Lease a Bikeのヨナス・ヴィンゲゴーが総合優勝を果たしました。
勝因は、ひとつではありません。
勝負どころで決め切るヴィンゲゴー自身の強さ。
エースを最後の山岳まで運ぶチーム力。
そして、その走りを速さに変え続けたcervéloS5とP5。
ヴィンゲゴーは第7、9、14、16、20ステージで勝利。
第14ステージでマリアローザを獲得し、最終的に総合2位に5分22秒差をつけてローマに到達しました。
強いライダーが、強いチームに支えられ、速く走るためのバイクを使う。
そのすべてが噛み合ったジロでした。
この記事はこんなライダーにおすすめ
・ヴィンゲゴーのジロ総合優勝を振り返りたい方
・山岳でもエアロロードが使われる理由を知りたい方
・S5とP5が勝利にどう関わったのか知りたい方
・個の強さ、チーム力、バイク性能をセットで見たい方
この勝利は、cervéloだけで語るものではありません。
ただし、トッププロの世界では、強い選手と強いチームの走りを、どれだけ効率よくスピードへ変えられるかが結果に直結します。
勝負どころで決め切る、ヴィンゲゴー自身の強さ
第14ステージは、AostaからPilaへ向かう133kmの山岳ステージ。
獲得標高は約4,200m。5つのカテゴリー山岳を含む、総合争いに大きな影響を与える一日でした。

このステージで、ヴィンゲゴーは最後のPilaの登りで決定的なアタックを仕掛けます。
Velonのデータでは、残り約5kmでのアタックは660W。
その後の単独走では、約12分間で平均390W、推定6.8W/kgを記録しました。
強かったのは、一瞬の加速だけではありません。
長い山岳ステージを走った後に、最後の局面でこの出力を出せること。
それが、ヴィンゲゴーの総合系ライダーとしての強さです。
Velonとは
Velonは、プロチームと連携し、レース中のパワー、スピード、心拍、オンバイク映像などを発信するプラットフォームです。
選手やチームから提供されるデータをもとに、レース中の強度や勝負どころの数値を見られるのが特徴です。
今回の660Wのアタックや、12分平均390Wという数値も、レースの厳しさをより具体的に伝えてくれます。
https://www.instagram.com/veloncc
チーム力が、最後のアタックを生んだ
ヴィンゲゴーの勝利を支えたのが、Team Visma | Lease a Bikeのチーム力です。
山岳ではセップ・クスがエースを支え、平坦や移動区間ではヴィクトール・カンペナールツがチームを安定させる。
ティム・レックス、ティモ・キーリッヒ、バルト・レメンも、位置取りやペースメイクでレースの流れを作りました。

特に第14ステージでは、ティム・レックスの走りが象徴的でした。
Velonのデータでは、レックスは最後の2つの登りを合わせて31分間、平均400W、最大580Wで走行。
エースが最後に動くためには、その前にチームがライバルを削り、勝負できる状況を作る必要があります。

グランツールは、エースひとりでは勝てません。
チーム全員が勝負どころまでレースを整え、最後にヴィンゲゴーが決める。その形が、ジロ2026では高い精度で機能しました。
山岳ステージでもS5を使う理由
ヴィンゲゴーがロードステージで使用したのはcervélo S5です。
S5はエアロロードのためそのため、平坦向けのバイクと見られることもあります。

しかし、現代の男子トッププロの山岳ステージでは、登りでも速度域が高い。
第14ステージ全体の平均速度は34.2km/h。
最終登坂のPilaは16.3km、平均勾配7.1%の長い登りです。
Watts2Winでは、ヴィンゲゴーのPilaでの主要な登坂努力として44分、推定5.4W/kgが示されています。
16.3kmを44分で上ると、平均速度はおよそ22km/h。7%を超える登りでも、トッププロはこの速度域で走っています。

この速度だからこそ、エアロが必要になります。
登りでは軽さが重要です。
ただし、20km/hを超える速度で長く走る場面では、空気抵抗も無視できません。
さらに山岳ステージは、最後の登りだけで決まりません。
登りに入るまでの高速巡航、下り、谷間の区間、勾配が緩む場面での再加速。そこでスピードを保てるかどうかが、最後に残る脚を左右します。
S5の役割は、山岳を軽さだけで攻略することではありません。
ステージ全体で空気抵抗を減らし、勝負どころまでヴィンゲゴーの脚を残すことにあります。
Watts2Winとは
Watts2Winは、プロロードレースの登坂タイム、推定パワー、W/kg、平均速度、レース難易度などを分析するパフォーマンスデータサイトです。
Velonのようなチーム提供データとは異なり、Watts2Winの数値は登坂タイムやコース情報などをもとにした推定分析データとして見るのが自然です。
実測値そのものではありませんが、トッププロがどの速度域と強度で山岳を走っているのかを理解する参考になります。
P5が支えた、総合争いで失わない速さ
ロードステージではS5。
タイムトライアルではP5。
ジロ2026の第10ステージは、42km個人タイムトライアルでした。
この日、ヴィンゲゴーは総合首位との差を大きく縮めました。
ステージ前に2分24秒あったアフォンソ・エウラリオとの差は、タイムトライアル後に27秒まで短縮。
つまり、この1日で約1分57秒を取り戻したことになり、これは、総合争いにおいて非常に大きな意味を持ちます。

グランツールは、山岳で大きく勝つだけでは届きません。
タイムトライアルで失わない。むしろ、ライバルから時間を奪う。
その積み重ねが、後半の山岳で攻める余裕につながります。
P5は、ライダーの出力をできるだけ無駄なくスピードへ変えるためのタイムトライアルバイクです。
第10ステージで縮めた1分57秒は、ヴィンゲゴーが第14ステージでマリアローザを奪うための重要な布石になりました。
山岳で勝負を決める前に、P5で総合争いの距離を一気に詰めていたことも、このジロを制した大きな要素です。
MAKE RIDERS FASTERが示した、勝利への答え
ヴィンゲゴーがジロ・デ・イタリア2026を制した理由は、cervéloのバイクだけではありません。
第14ステージで見せた660Wのアタック。
約12分間、平均390Wでの単独走。
7.1%のPilaをおよそ22km/hで上る速度域。
第10ステージのタイムトライアルで縮めた、総合首位との差約1分57秒。


そこには、ヴィンゲゴー自身の強さがありました。
そして、その力を勝負どころまで運んだTeam Visma | Lease a Bikeのチーム力がありました。
cervéloの考え方は、MAKE RIDERS FASTER。
それは、バイクだけを前面に出す言葉ではなく、ライダーが実際のレースでより速く走れる状態を作ることです。
山岳ステージ全体でスピードを保ち、最後のアタックまで脚を残すS5。
タイムトライアルで総合争いの差を縮めたP5。



個の強さ、チームの完成度、そして走りを速さへ変え続けるバイク。
その3つが重なったことが、ヴィンゲゴーの総合優勝につながりました。
cervéloのMAKE RIDERS FASTERという考え方は、この勝利の背景で確かに機能していました。

