◆"チーム UA" CJ XCへの挑戦！ vol.06 - Un Authorized アンオーソライズド公式サイト

【全員崖っぷち！第8戦】

9/27-28 #8 Coupe du Japon エコピアの森下関・深坂国際山口県下関市

前回の大会からインターバルは3週間。

さて、今回も状況を整理しよう。

3月のサイクルモードのときにBMXレーサー、MTBダウンヒルライダー、自転車競技未経験者の3名でクロスカントリー公式戦への挑戦が決まる
チームオーダー発表「フルリジットのクロモリMTB+フラットペダルで、3人今年中にエリートクラスまで昇格しようね」→エリート昇格って厳しない？
マスダが#3 八幡浜でチャレンジクラスで衝撃優勝し、一足先にアドバンスクラスへ昇格を決める
ドイ、美山ステージで執念の2位、アドバンス昇格を果たす
ドイは年内に参加できるレースは今回の山口が最後上がらないと年内エリートがなくなる。
ルーキーY、今回1位か2位で上がらないと年内エリートがなくなる。
マスダ、ルーキーYは最終戦の熊本県吉無田まで参戦予定。

奇跡を起こせるか⁉︎

つまり、ぼく(ドイ)は今回の下関がラスト。
初アドバンスクラス参戦にして、1位か2位に入り特別昇格をする必要がある。
それ以外はゲームオーバー。奇跡を起こせるか⁉︎

ルーキーYも崖っぷち。
ここ山口でチャレンジクラス1〜2位に入らなければ、最終戦の熊本の前にゲームオーバー。
奇跡を起こすなら下関、熊本の連続特別昇格しかない。つまり「スゲー奇跡」を起こすしかない！

マスダは2回チャンスがあるが決して余裕はない。
少しでも早く昇格したいところ。でもキミは頑張らなくていい(笑)

【トレーニング】

山口ステージ10日前にマスダ、ルーキーYは突然2人で合宿すると言い出す。しかも、どうやらけっこうキツい早朝トレーニング。
2日間だけだったようだが、どう結果につながるのか？

マスダはいつも通り出張先で美味しいものを沢山食べて体重増やしていいんやぞ(笑)
久々に同じクラスで走るからブチのめしたいからな。

ルーキーYは従来通り全力自転車通勤でフィジカル強化中。

僕はXCOとBMX racingの全日本用トレーニングを並行して開始。
しかし、これがなかなか厳しい！9月とは思えない暑さとBMXのトレーニングが久しぶり過ぎてとにかく筋肉痛や古傷が疼きだす。

↓CJ美山が午前中で終わったので帰り道にBMXトレーニング。とにかく時間が足りない。

ジャンプのテクニックは維持できているが、スタートのテクニックとパワーが全く無くなっていた…。
スタートで勝負の8割が決まると言われるBMX racingでは致命的。どーする⁉︎

とにかくやれるだけ両立したので本番に向けて整えるしかない。疲れた〜！

【移動】

今回はルーキーYと2人で大阪の南港から北九州の新門司港までフェリー。南港でフェリーに乗るまでに4つくらいトラブルが発生してバタバタしたのはナイショ。

無事に乗船して一安心。

関西万博の花火が見れてラッキー。
ライトアップされた瀬戸大橋も美しい。この景色が見れるのもフェリーの特権。

ぐっすり睡眠をとり翌朝。
ルーキーYが見つめるのはエリートに上がる未来か？それとも今日の夕食を考えてるのか？

無事に新門司港へ到着。フェリーが着港する瞬間はテンションが上がる。
まずは北九州市から海底トンネルで下関市へ。フグのイラストが可愛い。

出張先から移動してきたマスダと合流。
レース後はまた戻るらしい。年間どんなけ移動してるの？(笑)

軽く買い出しを済ませレース会場のエコピアの森へ。下関市内から15分ほどという好立地。

【最終戦にして、完成した最終兵器！】

コースに着くと今回から使用するUnAuthorized 78rpmを受け取る。
もちろんフルリジット。

「フルリジットに慣れたいからなるべく早く渡してね」とお願いしたが「BMXもフルリジットやしいけるっしょ」と、安定の現場渡し。
これって僕を落とし入れるマスダの作戦ですよね⁉︎

うん、カッコいい！

シンプルで美しいメッキのクロモリ製リジットフレーム&リジットフォーク。そしてフラットペダルをセットした78rpmの存在が際立つ。

CJの会場ではカーボンフレームにフルサスペンション、そしてビンディングペダルが主流(ペダルに関してはフラペは一人もいないのでは？)。
つまりかなりの変わった仕様！

78rpmは春前くらいに発売になるのかな？
とにかくポジション調整を終える。

土曜の午前中は同じコースで耐久レースが行われていたので、観戦しならがエスキーナでランチ。
美味しい、リーズナブル、栄養バランスが良い…食うしかないやろ。

【プラクティス】

いよいよコースイン。最初の林道の登りは78rpmの走りの軽さにビックリ！フロントサスが無いとこんなにダイレクトで軽いの？

林道の終わり際にロックセクションと、小さな沢のコンビネーションが出現。これがラインやバランスが難しく苦戦。

右に折り返し下りだしてすぐ、深くて長いロックセクション！

入りも高さがあるし途中で岩から降りて、すぐまた乗るなどかなりテクニカル。
みんなバイクを降りて悩んでいる。自分もこの高さは無理やろ…と思ったが数名がササっとクリアするのを見て「行くしかない」と決心。

BMXには絶対にないセクションで経験も自信もないがとりあえずアタック！ここでフルリジットのウィークポイントがハッキリ出る。
ロックセクションに乗り上げたあとの振動が凄い！前後パンパン弾かれて安定しない。
さすがにフルサス要るで！

さすがにマスダですら苦戦している。何度か練習して安定感は出てきた。が、速さは無い。。。

ルーキーYは担ぎ上げでササーッと走り抜けそんなにロスはない感じ。僕たちが真似すると遅いと思う。

その後も丸太超えや多彩なセクションでコース面白い。

ルーキーYも自分のテクニックの使い分けやフィジカルの活かし方が分かってきている。伸び代ハンパない。

3周走って感じたのはフルリジットだと下りだけでなく、登りでもラインを選ぶ必要があるようだ。

ちょっとした石や根っこでフロントが詰まり失速する。つまり走っている間はずっとライン取りに全集中！
筋力も体力も消耗しそうだ。今までOHLINSがめっちゃ仕事をして助けてくれてたんですね。

そしてこれまで完成車そのままの仕様で戦ってきたルーキーYが、ついにホイールセットをアップデート。

え？「ENVE M5pro」…ってアップデートし過ぎてない⁉︎
明らかに走りが良くなったそうです。
僕はこれまで足りないフィジカルをバイク性能で補ってきたのに性能差が縮まるとヤバいぞ。(汗)

【遠征メシ】

練習を終えて夕食へ。
もちろんご当地グルメということでフグ？と言いたいところだが「瓦そば」を食べに。

瓦に乗った冷たいざる蕎麦をイメージしていたが、熱々の瓦に乗って登場。
和風の焼き蕎麦つけ麺って感じ？
イメージの斜め上って感じで、遠征来た感あって、本当に美味しく映えたお蕎麦でした。

今回の宿は本州と九州を結ぶ関門海峡が目の前。
美しい夜景を眺めながら夜食にサラダを食べるマスダ。いつからそんなキャラになったんや？腹いっぱいでも追加でこってりラーメンを食べてたマスダはどこに行ったんや⁉︎(笑)

みんな疲れていたので8時間ほどぐっすり寝てスッキリ。
いや、背中と土踏まずが筋肉痛⁇ハードなコースを慣れないフルリジットで練習したからやな。

関門海峡を眺めながらの朝食。
今シーズンの集大成、ベストリザルトを目指すぞぉ！

【レース本番！奇跡を起こせ！】

朝のプラクティスを終えて早速レース。
コースはドライで良い感じ。

召集エリアではキラッと光るフルリジットの78rpm (フラットペダル)に注目が集まってる‥気がする。

「カッコイイですね！なぜフルリジットなの？なぜフラットペダルなの？」毎回頂く質問ですが「謎のチームオーダーなんです」としか言いようがない(笑)

今回はマスダ、ドイがアドバンスクラス。ルーキーYがチャレンジクラスだが、両クラス同時スタートでスタートループ+3周で争う。

最初にもお伝えしたが3人とも「年内にエリートへ昇格」の目標を達成するにはかなり追い込まれている状況。「奇跡」を起こすなら最低でも3〜4位以内を走る必要がある。

マスダは最前列のイン側をチョイス。1番有利な位置を取りやる気を感じる。ドイはアドバンス最後尾なので中央辺り。前の状況次第でラインを変える作戦。

ルーキーYはすぐ後ろのチャレンジ先頭のややアウト側。

スタートループは2コーナーまでは芝のフラットだが急に激坂&左コーナーでタイヤトラクションやシフトチェンジのテクニックが必要になる。おそらくここで渋滞が起こるので先に抜けたい。

カウントダウンが始まり運命のスタート！マスダが勢いよく1コーナーをトップで通過。そのまま激坂へ入っていった。僕もスタートは得意なので2コーナーで5〜6位までジャンプアップして激坂へ突入。

激坂に入り力強くペダリングしながら丁寧にシフトダウン。ここで気を付けないとメカトラを起こす可能性がある。

すると前の選手がミスして失速。バランスを崩してこちらへ倒れてきたー。
避けれずぶつかり立ち往生。その隙に何台かに抜かされたがルーキーYも押し上げで抜けていった。

マスダは勢いよくペダリングで突き進み離れていく。
僕も押し上げでしばらく走ってから乗車したが、前方の遠くに長い激坂を猛烈な勢いで押し上げしている選手がいる。ルーキーYだ！

その勢いは凄まじくペダリングしているアドバンスのライダーを次々とパスしていく！もはや登坂テクニック云々は関係ない。暴力的なフィジカルごり押しでこのキツくて長い登りの最後まで走り切っていった。エグいて！

あの姿を見て少し心が折れたのはナイショです。。。(笑)

スタートループを終えて1周目に入りトップはマスダ。
ルーキーYもチャレンジのトップ、総合でもかなり上位を爆走中。僕は10番手辺りを頑張ってます。(ヤバい)

78rpmが得意とするジープロードの登りを頑張るが、そもそも登りが苦手なのでじわりじわりと後退する。

ロックセクションは速さより確実さを優先してクリアする。

いつもなら下りで前のライダーに追い付いたりパスしたり得意な分野だが、衝撃を受け続けるフルリジットでなかなかそうもいかない。
じわりじわり追いつくが45rpm × OHLINSの組み合わせより遅いし身体への負担がでかい。

マスダはフルリジットの78rpmでフルサスに乗ったライダーをどんどんパスしているのが信じられない。負けてられないので自分もフルリジットで爆速で下れるように頑張ろ。(普通はサスペンション使うよねw)

2周目も頑張って追うが、頑張りとは裏腹に少しずつポジションを落とす(ヤバい、ヤバすぎる)

そしてラストの3周目に入るとき全身の疲労感と前方との差でこれが頭をよぎる。

「奇跡適応外‥?!」

奇跡を起こすならラストラップで最低でも3〜4位辺りにはいないといけないが、この時点で何番手かわからない位置にいるということは奇跡は起こり得ない。つまりゲームオーバー。。。

あとは少しでもチームメンバーに追い付くために頑張るが、少し順位を上げただけで見せ場もなくアドバンス11位でフィニッシュ。

僕のCJエリート昇格へのチャレンジは終了した。

「実力不足」

これに尽きる。残念！

その頃マスダとルーキーYは…

【マスダ】

1列目イン側(明らかに狙ってる)からスタートダッシュを決めホールショットで1コーナーへ。そのまま加速して激坂直登へ。
スタート直後の激坂で絶対にガチャつくことを見越して、そこだけは1位通過を狙っていた模様。
狙い通りトップのままスタートループを終え良い感じ。

1周目は先頭付近で粘っていたが、懸念の微妙な斜度の登りジープロードの後半で、トップの選手と、ルーキーYにもパスされる。
2周目中盤位までは4位で粘っていて、残り1周半で「奇跡適応圏内」をキープしている。
ただ、ここまで全力を出してかろうじてこの順位を維持していたので疲労が出始める。昇格をかけて攻め続けるが、それでも前との距離は明らかに離れていっている。
ついに終盤の激直登区間を気持ちですら踏めなくなり、一気に3人ほど抜かれる。2周目終了時点で7位。マズい！

3周目も踏ん張ってペダリングするが前の選手が離れていく。この辺りでアドバンス2位以内が厳しいポジションになったが、ルーキーYに負けるのも嫌だ。(ドイは追い上げてくる様子はなさそう。)

「キツい‥でも自分がキツい時は相手もキツいはず」と言い聞かせて何とかと踏ん張る。

結果、ゴールでMCからアドバンス7位と聞こえてくる。
なんてこった‥

【ルーキーY】

スタート直後の激坂直登、こんなに混乱することは予想していなかった！で、まぁ野球で鍛えたフィジカル発揮して、ダッシュして渋滞にハマっているドイを走ってパス。そこからアドバンスのライダーをそのまま押し上げでどんどんパ〜ス！直登終わりにはチャレンジ1位総合3位辺りまでジャンプアップ。トップを行くマスダの姿を捉える。

そして勢いはそのまま、スタートループを終えて1周目のジープロードの登り後半でマスダをパス。

「先輩をパスするの気持ちいいー！」
レースに先輩後輩はない。(何かのCMみたいw)

と、順調に走っていたが1周目中盤にチェーン落ちのトラブル！
同じチャレンジの選手にパスされクラス2位に。ついでにマスダにもパスされるが同周回の後半で抜き返す。絶対に負けない！

2周目は、1周目に頑張った影響で呼吸も脚もかなりきつかったが、「もしかして昇格圏内のチャレンジ2位を走ってる？」と思うと不思議と脚が動いた。ただ、後ろを見ると近くに3位の選手が迫っていた。

ここは冷静にミスなく走ろうと集中していたが、またもや痛恨のチェーン落ち！

「やば！」

チェーンを直している間に3位に落ちたが、すぐに復帰できたのでまだチャンスはまだある！
冷静に落ち着いて3周目へ。

ここでスパートをかけて2位へ浮上。
その後もジワジワと差を広げて下りで差を詰められても焦らず集中。
ここまでメカトラでリタイアや落車で順位を落として良い結果が出せなかったので、このチャンスを逃すわけにはいかない！

ここからは「メカトラ、落車は起こさない、丁寧に」と暗示をかけ続ける。
現在、自分はチャレンジ2位を走ってるはずだが、混走なので正直なところ確信はなかった。しかしゴールの瞬間、MCの声を聞いて2位だと確信。
首の皮一枚、次に可能性が繋がって嬉しい！

【ルーキーY 2位！】

無事に2位を守り切りついにアドバンスへ昇格決定！

これまでフィジカルはあるものの、マウンテンバイクの技術や駆け引きが分からず苦戦してきた。
しかし、今回は自転車競技歴たったの6ヶ月でテクニックを要するXCOのコースに適応して昇格。
これは「奇跡」ではなく実力がついてきた証拠。
しかもフラットペダルでアヒルみたいなペダリングしてるのに(笑)

まだまだ伸び代があるのが恐ろしいが、ルーキーYおめでとうー‼︎

ということで恒例の「参りました」をしました。
もうね、悔しいというより自分の不甲斐なさを反省。。。

ということでルーキーYは最終戦の熊本に望みを繋いだ。

でも熊本では「奇跡」を起こすなよ！(笑)

【最終戦を迎えちゃうのね‥】

これにて最終戦に出ない僕は脱落決定。3月に急にCJ参戦が決まりみんな急いで準備してここまでやってきたので本当に悔しい。
「歳を取ると…」っていう言い訳のような言葉は嫌いやけど、さすがに今回は痛感した。伸び代残ってないのかな？(笑)

頭を切り替えて2週間後のBMX racingの全日本選手権を頑張るしかない。

マスダとルーキーYは熊本での最終戦に全てを賭ける。
今回の走りを考えると2人揃ってエリートへ昇格しちゃいそうな、嫌〜な予感がする。。。

万が一そんなことが起こったら…僕だけアドバンス…⁉︎
チームUAとして2人とも応援はしてるけど、心の奥〜の方には「あんまり無理せんでいいんやぞ！もう一度言うけど無理せんでいいんやぞー！」って言うてるもう一人の自分がー

【Un Authorized 78rpm】

最初にお伝えしますが、78rpmはクロスカントリー用のバイクではありません。
自宅から自走で、まるでグラベルバイクのように軽やかに山へ向かい、ジープロードはもちろんグラベルバイクでは不可能なトレイルのてっぺんまで楽しめちゃうマウンテンバイク。

僕たちは78rpmの可能性を探りながら、レースでも使用しています。つまりモルモット(?!笑)

78rpmは、45rpmをベースに、サスペンショントラベルを0～最大120mm辺りを想定して、ジオメトリーを見直しされている。
遊びもカスタムも自由度が高い78rpm。

もちろんフルサスバイクと比べると悪路は本当に悪路感が伝わってきます。
それだけにちょっとしたトレイルでもライン選びや操作が大切。ちょっとしたセクションでも自分の失敗成功がハッキリします。つまりゲーム性が高い遊べるバイク。

逆に言うと、フルサスだと何も感じない小さなギャップが遊びのセクションになるんです。