楕円チェーンリングは、2010年代の流行で終わったのか

楕円チェーンリングは一時的なブームだったのか

2010年頃、ロードバイク界で大きな話題となった楕円チェーンリング。

2008年のツール・ド・フランスを制したカルロス・サストレをはじめ、ブラッドリー・ウィギンスやクリス・フルームなど、多くのトップライダーが使用・テストしたことで一気に注目を集めました。

一方で、現在では以前ほど話題になることは少なくなり、「結局は流行だったのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、ROTORはブームになる以前から、人のペダリングそのものを研究し、Q RINGSを開発してきました。

楕円チェーンリングは何を変え、どんなライダーに向いているのでしょうか。


なぜ楕円なのか

ペダリングでは、一回転を通して常に同じ力を出しているわけではありません。
踏み込みでは大きな力を出しやすく、クランクが上下を通過する付近では力を掛けにくくなります。

Q RINGSは、この脚の特性に合わせてチェーンリングの半径を変えています。

力を掛けやすい位置では少し重いギアに、力が入りにくい位置では少し軽いギアになるため、一回転の流れを途切れにくくします。

ペダリングを変えるのではなく、脚が持つ力に合わせてギア比を変える。それがQ RINGSの考え方です。


慣性が小さい上りほど、Q RINGSの特徴を感じやすい

ヒルクライムでは速度が低く、平地ほど慣性が働きません。

そのため、クランクがデッドスポットを通過する際に推進力が一瞬抜けると、その影響がそのまま失速として現れやすくなります。

Q RINGSは、力を掛けにくい区間のギア比を小さくすることで、クランクを次の踏み込みまでつなげやすくします。

数値以上に感じやすいのは、一踏みごとの失速感が小さくなり、一定のリズムで登り続けやすくなることです。


TTやロングライドで一定出力を維持しやすい

TTやトライアスロン、ロングライドでは、何度も加速するよりも一定の出力を維持することが重要です。

Q RINGSは、一回転ごとのトルクの変化を穏やかにし、踏み込みから次の一踏みへつなげやすくします。

長時間同じリズムで走る場面ほど、この特徴を感じやすくなります。


OCP調整がQ RINGSの性能を引き出す

Q RINGSには、OCP(Optimum Chainring Position)という角度調整機能があります。

ライダーによって力を出しやすいクランク位置は異なり、ロード、TT、トライアスロンではポジションも変わります。
その違いに合わせてチェーンリングの角度を調整できるのがOCPです。

OCPが合っていないと、ペダリングに違和感を覚えることがあります。
一方、自分に合った位置へ調整すると、クランクが自然につながり、円形チェーンリングのようにスムーズな回転感を得られます。

Q RINGSは、楕円であることだけではなく、自分に合わせて調整できることが大きな特徴です。


Q RINGSのメリット

  • 力を掛けやすい位置でしっかり踏み込める
  • 勾配変化でもペースを維持しやすい
  • 一定出力を長く保ちやすい
  • OCPによって自分のペダリングへ合わせられる

Q RINGSのデメリット

  • OCPが合っていないと回転に違和感が出ることがある
  • 最適なOCPを見つけるために調整が必要
  • 円形チェーンリングとはペダリングの感覚が異なるため、自分に合う設定を探すことが重要

Q RINGはこんなライダーにおすすめ

Q RINGSは、特に次のようなライダーに適しています。

  • 富士ヒルなど長いヒルクライムへ挑戦する方
  • TTやトライアスロンで一定出力を維持したい方
  • ロングライドで最後までペースを崩したくない方
  • ペダリング効率を見直したい方

逆に、短距離の加減速を繰り返す走りが中心で、セッティングを変更せず使いたい方は、円形チェーンリングの方が扱いやすい場合もあります。


まとめ

楕円チェーンリングは、2010年代に注目を集めた製品ですが、一時的な流行だけで生まれたものではありません。ROTORは、人のペダリングを研究し続け、その力をより効率よく推進力へ変えることを目指してQ RINGSを開発してきました。

重要なのは、楕円であることではなく、自分のペダリングへ合わせること。

OCPを適切に調整することで、勾配が変わる場面でもリズムを保ちやすく、TTやヒルクライム、ロングライドでは一定のペースを維持しやすくなります。

Q RINGSは、すべてのライダーを速くするチェーンリングではありません。
しかし、自分のペダリングと合ったとき、その一回転の滑らかさは、流行では終わらない理由を実感できるはずです。