現役時代にはレースの最前線で活躍し、今はDeafJAPANのヘッドコーチやメディア出演でも知られる佐野淳哉さんの最速のエアロレーシングバイク「S5」のファーストインプレッション。
はじめに
現役時代を含め、実は人生初のエアロロードを使用するのははじめて。これから長期で使用して、最新最速エアロロードについて伝えて行ければと思っています。
圧倒的な存在感と美しいデザイン
まず目を引くのは、他に類を見ないほどマッシブなヘッド周り。サイドから見るとまるでTTバイクのような厚みで、存在感は抜群です。
さらに、特徴的な一体型ハンドル「HB19」はデザイン性だけでなく完成度も非常に高く、懸念していた操作性も問題ありませんでした。
艶のあるブラック塗装は、液体のように滑らかで高級感を漂わせています。


走行性能
〜見た目と裏腹のしなやかさ〜
外観から硬い乗り味を想像していましたが、実際には自然でしなやかなフィーリング。
コーナリングではヒンジ機構がスムーズに傾きをサポートし、無理なくラインを描いていけます。見た目のゴツさとは裏腹に、非常に扱いやすいバイクです。

加速と巡航性能
重量があるため低速域では重いのではと想像していましたが、実際には軽快そのもの。緩斜面や下りでは空気に吸い込まれるようにスルスルと進みます。
レースのカーペーサーに引かれているかのような推進感は、他のバイクでは感じたことのない特別な体験でした。


これらの特徴的に作られた構造がそうさせているのかもしれません。
スルーっと空気が流れていくと表現すれば良いのかわかりませんが、恐ろしく滑らかに空気が流れていく感じを持ちました。
これは勘違いかと思っていましたが、一緒に走った方もこの進み方には驚いたようで、後ろについていたと思ってるのに、ちょっとした勾配の変化の部分でスルーっと距離が空き、それがなかなか縮まりにくかったらしいです。
僕の感じた感覚は間違えではなかったようです。

クライミング性能
4〜6%程度の登坂では山岳バイクを凌ぐほどのパフォーマンスを発揮。エアロ効果が効率的に働き、リズム良く登れます。
石川ロードやツール・ド・おきなわのような流れのあるレースでは、間違いなくアドバンテージを得られるでしょう。

まとめ
エアロロードの常識を覆す万能バイク
「エアロバイク=硬い、限定的」というイメージを覆すCERVELO S5。
エアロ効果が発揮されるシーンでは高確率で優位に立てる、万能なエアロロードです。
もし機会があれば、ぜひ一度この加速感を体験してみてください!!


佐野 淳哉さん
2014全日本ロードレースを制したレジェンド選手。2024年プロを引退しDeafJAPANヘッドコーチを務める傍ら、ENVE、ASSOSアンバサダーをはじめ、NHKチャリダー出演や、GCTVレポーターなどを務める。 1982年生まれ 178cm 90kg。