カリフォルニアで開発を行う理由とは?Cervélo会社訪問記

このたび、Cervélo本社を訪問し、現地の環境や開発の舞台となる日常を直接見ることができました。


カリフォルニアの恵まれた環境に根づく開発拠点

Cervélo本社が位置するカリフォルニアは、年間を通して気候が安定しており、年中20度前後の日が多く冬場には雨が降る日もありますが、基本的に晴れの日が多くサイクリングにも生活にも快適な地域です。

このように年中安定した気候を持つカリフォルニアに開発できる本社を置くことで、1年中テストライドを行うことができ、製品開発のスピードと質を高めよりよいバイク開発を行うことができます。

Cervéloってカナダのブランドじゃ?と思われた方もいると思いますが、現在では年中開発が可能なカリフォルニアに本社があります。

Cervéloの歴史についてこちらから


製品が生まれるテストコースでライド

各国のディストリビューターとともに、Cervéloスタッフが日常的に使用しているテストコースを約1時間のライドを行いました。

本社をスタートしてから少し丘があり、登りも下りもテストできるコースです。
アリソ & ウッド・キャニオン・ワイルダーネス・パークという自然保護公園の中のサイクリングロードのような道を走ります。

この公園は自然保護と野生生物保護区に指定されているとのこと。公園内にはトレイルコースもあり、ロードからグラベルMTBまで楽しめるそうです。


モデルごとの開発チーム

Cervélo では、S シリーズには S シリーズ専任の、R シリーズには R シリーズ専任の開発チームが存在し、それぞれのチームにはマーケティング担当者も加わっています。一見すると縦割りの組織構造になりがちですが、実際にはモデルごとのコンセプトが明確で、チーム間の連携も非常にスムーズです。
今回の S5 と R5 のコンセプトがしっかりと差別化されているのも、その成果といえます。

情報共有を深める「定期グループライド」

Cervélo の開発チームは、定期的なグループライドを通じてコミュニケーションを図っています。
開発中のバイク同士を交換して乗り比べたり、気づきをその場で共有したりと、リアルな体験をベースにしたフィードバックが日常的に行われています。

この取り組みが、各モデルの特徴を際立たせつつも、「Cervélo らしさ」を見失わないための大きな理由となっています。


ライド文化の根付く本社

Cervéloにはライドを日常にしているスタッフが多く、社内にはロッカールームやシャワールームが整備されていました。

走り終えるとすぐにリフレッシュでき、開発とテストを自然に行える環境が整っています。


オープンな議論が生まれる社屋環境

社屋内には広々としたラウンジスペースが設けられ、部署を越えたミーティングやディスカッションを気軽に行える環境が整っています。
自然と人が集まり、アイデアが交わることで、ブランドとしての方向性を共有しやすい文化が根づいています。


ブランドの軌跡が並ぶ社内スペース

社内を案内いただくと、エントランスには現行モデルが並び、その奥にはヴィスマのバイクをはじめとする歴代の記念バイクやジャージが展示されていました。


グランツールを制したバイクとジャージ

新型S5とR5

グラベル選手権を制したR5 CXと過去のPシリーズ


次回はスペシャルゲストとの会話を紹介

今回の訪問中、ワウト・ファンアールト選手とマルゴー・ヴィジエ選手がサプライズで登場!
少しでしたがインタビューする時間が取れましたので次回の記事でお届けする予定です。


理念が日常に根づく場所

Cervéloはブランド名が示すとおり、創業時からデータを基点に開発を行ってきました。
しかしそのデータを“机上の数値”で終わらせず、日常的なライドで確かめ続けられる環境に本社を置いていることが、大きな強みになっています。

“MAKE RIDERS FASTER”

この言葉は単なるスローガンではなく、どの判断も“速さに資するか”で決めるCervéloの哲学そのものです。

そして、この哲学を支えているのは、バイクづくりを心から楽しみ、Cervéloというブランドを愛するスタッフたちです。彼らが走り、考え、語り合う日常が、製品を前に進める熱源になっています。