エンジニアの情熱が生んだ、速さの原点
Cervélo(サーベロ)は1995年、カナダ・モントリオールのマギル大学で複合素材と空力研究を行っていたGerard Vroomen(ジェラルド・ヴルーメン )とPhil White(フィル・ホワイト)の2人によって創設されました。

大学の研究室で始まったその挑戦は、やがて世界中のトップライダーを速くする
「MAKE RIDERS FASTER」
(すべては、ライダーを“もっと速く”するために)
という理念へと発展します。
ブランド名の「Cervélo」は、イタリア語の*“Cervello(脳)”とフランス語の“Vélo(自転車)”を組み合わせた造語。
つまりブレイン・バイク
頭脳で速さを創る自転車 という意味です 。
科学で切り拓く、速さという感覚
創業初期からCervéloがこだわり続けてきたのは、感覚や経験則ではなく数値と理論で速さを定義すること。


90年代後半にはいち早くモノコック構造を導入し、カーボン素材の積層方向と強度を管理する「レイアップスケジュール」を確立しました。
この工程管理によって、軽さ・剛性・快適性の理想的なバランスを実現し、現代のカーボンフレーム設計の礎を築きました 。
Cervéloは常に“素材を減らす場所と増やす場所”を数値で導き出し、無駄を省きながらも体感的な安定感と推進力を両立させてきました。
それはまさに、数値以上に走りで感じる「速さ」を追求する姿勢です。
空力を支配するブランド
「風を味方にすることが、速さを支配すること」。
Cervéloは、世界で初めて風洞実験とCFD解析を融合させたブランドです。

マネキンを使った実走姿勢での風洞テストや、ライダーを含めた空力解析など、誰も行っていなかった手法を確立しました 。

こうした空力研究の成果は、現在のPシリーズやSシリーズといったエアロに繋がっています。
風を切る感覚が、これほどまでに滑らかで軽やかだったことは、他のどのブランドにもなかったといえるでしょう。
MAKE RIDERS FASTER ─ プロツアーで証明された哲学
2003年、CervéloはTeam CSCのサプライヤーとしてUCIプロツアーに参戦。

P3、Soloist、Rシリーズといったモデルが誕生し、ロード界で「空力」と「軽量性」を両立させた革新ブランドとしての地位を確立しました 。

2008年、カルロス・サストレがR3 SLとP3を使用しツール・ド・フランス総合優勝。
「MAKE RIDERS FASTER」という理念は、科学の域を超え、勝利という結果で世界に証明されました 。

カリフォルニアから生まれた究極の軽さ
2008年、Cervéloはアメリカ・カリフォルニアに自社研究施設を設立。

ここで生まれたProject Californiaは、軽さ・剛性・耐久性を極限まで追求したエンジニアリングプロジェクトです。
その成果であるR5caは、当時世界最軽量の量産フレーム(約5.47kg完成車)として登場。

同時に新開発のBBright規格が採用され、剛性とペダリング効率を飛躍的に高めました 。
Cervéloは、数値だけでなく「踏み出しの瞬間の軽さ」「登坂での伸び」という体感的速さを、設計の中に織り込んでいます。
MAKE RIDERS FASTER ─ それは哲学であり、使命
Cervéloの「速さ」は、単なるスピードではありません。それは科学的思考・構造美・そしてライダーの感覚がひとつに融け合った“体験としての速さ”です。

どのカテゴリーにおいても、Cervéloはひとつの問いを投げかけ続けています。
それは本当に、ライダーを速くするか?
この問いこそが、Cervéloというブランドの心臓であり、“MAKE RIDERS FASTER”という言葉が今も変わらず息づく理由です。




