ワウトがついにパリ〜ルーベ勝利!あえて特別ではないバイクセッティング

パリ〜ルーベで、ワウト・ファンアールトはポガチャルとのスプリントを制し、初優勝を飾りました!

11月にCervélo本社で実際に話すことができたワウト・ファンアールト。

ロードレースよりもシクロクロスの方が楽しいと語っていたワウトは、負傷により悔しいシクロシーズンを過ごすこととなり、今までも2位や3位を経験してきた末の初勝利。

また2018年パリ〜ルーベのレース中に友人を亡くしており、

「このレースで天を指差すことが目標でした。この勝利はマイケル、彼の家族、そして以前のチームのスタッフのためです。」

と語り、ワウトにとって、特別な勝利となりました。

今回ワウトが使用し、勝利したバイクは特別仕様の一台ではありませんでした。

極端な装備ではなく、Cervélo S5をベースに、石畳で本当に必要な部分だけを整えた現実的なセッティングでした。

そこに、今のパリ〜ルーベで勝つための考え方がよく表れています。 


石畳でもS5を選ぶ理由は、空力を捨てないため

ワウトが今回選択したの乗り慣れているCervélo S5でした。

S5は最速のエアロバイクです。フロント周りのエアロ化を進め、前作比6.3w削減。
ワンピースハンドルや、シートポストなどの見直しにより前作比-124gの軽量化を達成。

そのほかにも最大34Cまでのタイヤクリアランスや数値的なスペックアップ以外にも、路面のからの振動吸収性能のアップなど高速かつライダーが快適に走れるようにもアップデートされています。

これによりかつてのパリ〜ルーベでは、快適性を優先したバイクが選択されていましたが、今回のS5はそうした流れが変わったことを示しています。

つまり今は、石畳だからといって空力を大きく犠牲にするのではなく、速いベースバイクを土台に必要な快適性と安定性を足していく考え方です。


32mmタイヤを軸に、実測幅まで整えた現実的な足回り

タイヤはVittoria Corsa Pro TLRの32mmを使用。

これは今年のプロ集団でも標準的な選択肢だったとされます。さらに重要なのは、ホイールとの組み合わせで実際の装着幅が変わっている点です。

海外メディアの実測値によると

フロントのReserve 42の内幅は25.4mmで、32Cのタイヤは実測で約33.94mm
リアのReserve 49の内幅は24.8mmで、同じ32Cのタイヤでも実測約33.01mmとなり同じ32C でも接地感が変わります。

単純に太いタイヤを使ったではなく、フロントの安定感とリアの転がりや収まりまで含めて詰めた構成でした。


極端な冒険はせず、トラブル回避を優先した判断

注目されたのは、タイヤをリムに固定するグルー処理を採用しなかった点です。
チーム内でも採用例はあった一方で、ワウトはそれを選びませんでした。

パリ〜ルーベでは、速さはもちろんですが、最後まで大きなトラブルなく走り切ること自体が結果を左右します。

派手な新機軸よりも、信頼できる範囲でリスクを減らす。この現実的な判断が、全開で踏める安心感につながります。


1x・56Tが示すのは、勝負の軸を明確にした駆動系

ドライブトレインはSRAM Red AXSの1xで、フロントチェーンリングは56T。チェーンはチーム全体でワックス処理されていると報じられています。

変速の複雑さを減らし、荒れた路面でもシンプルに駆動を保つ考え方がはっきり出た仕様です。 

リアは13sのXPLRディレイラーを12s仕様に改造しているチームがある中、通常のディレイラーに10t-28tのスプロケットが装着されていました。


フィットも装備も、“特別感”より一貫性を優先

サドルは新しいPrologo Choice、ペダルはWahoo Speedplay、コンピューターはGarmin Edge 850をストラップ付きで固定。 

どれも派手な話ではありません。しかし、ルーベで本当に効くのはこうした細部です。

乗り慣れたポジションを崩さず、落車やトラブルの芽を減らし、走りに集中できる状態を整える。
特別な機材で勝ったというより、勝てる状態にバイク全体を揃えたことが大きかったといえます。

だからこそこの一台は、過酷なレースでも最後まで自分の走りを貫くための信頼を支えます。 

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