今話題のSES4.5!佐野淳哉さん2ヶ月インプレッション!

4月にENVEアンバサダーに就任した元全日本チャンピオンの佐野淳哉さんに今話題のSES4.5をインプレッションしていただきました!

ENVEホイールのイメージ

ENVEのホイールは噂で「非常にいいホイール」と以前から聞いてましたが、一部のコアなサイクリスト向けの製品だと思っていました。しかし、昨年から世界のトップチームであるUAEチームエミレーツが使用し始めたのを見て、より一層興味が湧いていたホイールでした。

そんなENVEのホイールを実際にテストする機会に恵まれましたので、ここぞとばかりに2ヶ月で3,500kmほど走りました。

乗る前の印象

まず手元に届いた時の感想ですが、外見は非常にシンプル。
リムの印象としては「乾いた軽さ」という表現になると思いますが、他メーカーとは「何かが違う」というような感じを受けました。
その他、特にデザイン的にも尖った部分はない印象です。

重量もフロント50mm、リア56mmのリムハイトがありながら1,432gで軽量級だと思います。

全体的にネガティブな印象はなく、出来の良さそうなホイールだなというのが乗る前の印象でした。

ENVEのタイヤについて

今回、SES4.5についていたタイヤはENVEの27Cのタイヤが装着されていました。

こちらはメーカーがホイールとセットで出したかったのかな?という先行イメージがありましたが、実際に乗ってみるとこの印象が全く変わることに・・・

チューブレスでの使用だったので、空気圧は4.4 bar/63PSI(本人体重 84kg)で乗ってみることにしました。


実際に使ってみての感想

漕ぎ出し出して時速35kmくらいまでは非常にまっすぐ走るホイールだなというのが初めの印象でした。
リムハイトもそこそこあるので、こうなるかなという概ね予想通りの乗り心地でここまでは、堅実なブランドだとありがちな感触です。

SES4.5の実力が大きく発揮されたのは、さらにハイパワーで踏み始めた時でした。
リムの剛性が非常に高いからか、私が400wオーバーで踏んでもロスするようなたわみが全く発生しません。
今まで使用したきたホイールで、これだけ気持ちよく進んだホイールはなかった気がします。
スポークテンションが高いのかもしれませんが、次の一踏みが確実にスピードに変換されていきますね。
もがいた時の加速も抜群にいいですね。誰かスプリンターにテストしてほしいなと思いました(笑)

さらに性能が発揮されるコース

ハイパワーで踏んだ時もよい感触でしたが、特に起伏のあるコースでのスピードの乗り方が非常に良く、吸い込まれるような感じを持ちます。

起伏のあるコースで今までなら頂上付近で失速していた区間でも、失速せずになめらか〜に進み続けてくれ1km/h〜2km/h 程速く走れます。

この多少斜度があっても速度が落ちないおかげで高速での巡行はめちゃくちゃ快適です。SES4.5を使う前に比べて自分が強くなったような錯覚を覚えます。

この気持ちの良いスピード感はハブの回転がよいのか、リムがよいのか、不思議な感覚でした。
そう考えると、このENVEのオリジナルハブもめちゃくちゃいいです。今まで様々なホイールを使用した経験から気になる点としては、現状問題があるわけはありませんが、今後使い続けた時の耐久性が気になるところです。


いい意味で予想を裏切られたタイヤ

そしてタイヤですが、初めはメーカーがホイールとセットで出したかったのかな?と思っていましたが、一般道でもサーキットの路面でも、路面を問わずグリップ力がかなり高いですね。
路面の感触もしっかりとわかるので、無理をして転倒してしまうことはなさそうです。

ただ、僕の場合だと27Cよりも太めでもいいかなと思いました。空気圧も初めに入れていた4.4barよりもう少し落としても良さげです。

また使用していた27Cよりも少し太い29Cも試していきます。
29Cの感想はまた後日・・・


今までの経験と比較して

僕の場合は体重的も大きく、そもそもパワーが出るタイプなのでこのリムハイトはかなり有効で速度が40kmを越え始めるとSES4.5は特に楽に感じました。

過去にも有名ブランドの50mm前後のハイトのホイールにも乗ってきましたが、SES4.5が高速巡行で劣ることはありません。もちろん純粋な平坦だけで言うと60mmを超えるホイールの方が速いですが、少しでも起伏のあるコースなら速度が維持できる分SES4.5の方が速いです。

しかし軽量なサイクリスト。もしくはパワーが100w〜200w辺りで乗ることが多い人はもう少しリムハイトを低くしてもいいかもしれません。
このホイールは高速走行が得意ですが、ライダーにもそれなりのパワーが必要になります。
またリムが硬いので、パワーがないと早い段階でパワーを使い切ってしまい疲れやすいかも知れませんが、ある程度レース経験がある方でしたら1〜3%くらいのアップダウンでしたらSES4.5でも大丈夫かと思います。

あと、ダンシングを多用するサイクリストさんも低めのリムハイトでもいいと思います。
25km〜40kmあたりで巡行するサイクリストさん、もしくはクライマーさんですとSES3.4(フロント39mm リア43mm)あたりの方がいいかなと感じました。


SESを使い分けるなら

僕がSESシリーズを使い分ける場合や、コース別におすすめする場合は、
8%以上の勾配が5km以上続くような上りがある場合はSES4.5よりも低いものをおすすめします。

5%~7%ほどの上りなら、よほど長くない限りSES4.5で行くと思います。例えば、関東で有名な尾根幹、宮ヶ瀬や知多イチならSES4.5でいきます。

箱根や香嵐渓を登るのであればSES3.4などを考えると思いますが、下りまで含めるとSES4.5もありです。

荒川だったらSES6.7でOKです。愛知だと新舞子などでしょうか。

次はヒルクライムやど平坦などで他のリムハイトも試してみたいともいます。

インプレッションモデル

¥499,950 (税込)

エアロロードホイールの真髄

¥14,960 (税込)

TUFO社と共同開発したENVE Wheelに最適なチューブレスタイヤ