ENVE SES4.5 ツールドフランス優勝記念モデル入荷を記念して、今年の夏のレースを振り返り!

タデイ・ポガチャルは、6回のステージ優勝を達成し、サイクルロードレース史上最速で山岳を制し、ツール・ド・フランスで3度目の優勝を果たしました。大会前ポガチャルは、ジロとの疲労に悩まされるだろうと多くの人が予想していたこの年に、史上最高の自転車選手の一人であることを証明しました。
ポガチャルは、ツール・ド・フランスが始まるわずか1か月前にジロ・ディタリアを総合優勝し、その後標高2,000mでの高地キャンプを行いました。
ポガチャルはツール・ド・フランスの第19ステージのゴール地点であるイソラ2000という標高2,000m地点で3週間休養とトレーニングを行っていました。この調整の行い方に疑問を抱く者もいたが、ポガチャルが人生最高の調子であると知る者もいました。
ツール開幕後ポガチャルがマイヨジョーヌを着るのに時間はかかりませんでした。
しかし、その後はツール・ド・フランスの2連覇者、ヴィンゲゴーを相手にマイヨジョーヌを守らなければなりませんでした。
最終日のニースに到着するまでに、ポガチャルは2位以下に6分以上の差をつけて総合優勝し、ほとんどの人が不可能だと思っていた方法でレースを支配しました。

第1週 — ポガチャルが序盤にリードし、チーム・トータルエナジーズが注目を集める
ポガチャルは開幕してすぐの第2ステージで爆発的なアタックを仕掛け、ツール・ド・フランスに最初の攻撃を与えました。200kmのステージにはコート・ド・サン・ルーカ(2km、9.7%)の登りが2回あり、ポガチャルは残り12kmの地点でUAEのトレインから発車しました。
このアタックで過去2回のツール・ド・フランスの優勝者であるヴィンゲゴー以外の全員を置き去りにしました。2人は一緒にゴールラインを通過しましたが、すぐに再びバトルを繰り広げることとなります。第4ステージはガリビエ峠(22.9km、5.1%)の大規模な上り坂で、UAEチームエミレーツはポガチャルを援護するために一日中走りました。


チーム全員がツール・ド・フランスを通じてENVE SESホイールを使用し、ほとんどのステージでSES 4.5を選択しました。ポガチャルはすべての登りステージでSES 4.5を選択し、平坦ステージではSES 6.7を選択しました。
ポガチャルのツールでのホイール選びはこちらから
ポガチャルはガリビエの最後の1kmでアタックを仕掛けてまたもや他の選手を置き去りに。ヴァロワールまでの20kmの下りでさらにリードを広げました。
ENVEのSES4.5ホイールは、登りでは軽量、下りでは超高速という完璧な組み合わせになっており、30Cのタイヤと組み合わせた内幅25mmのSES 4.5は、下りを攻める際にさらなるハンドリングの安定性をもたらし、ポガチャルのステージ優勝とマイヨジョーヌを獲得するのに役立ちました。
総合順位の争いは、203kmのコース中に14のグラベルセクターがある第9ステージまで比較的静かだった。ポガチャルは何度も何度もアタックしましたが、総合順位のライバルであるヴィンゲゴーとレムコ・エヴェネプールを振り切ることは出来ませんでした。
プロトンの先の逃げ集団では、それぞれステージ優勝を目指して戦っており、その中にはチーム トタルエナジーのアントニー・テュルジスも含まれていました。
チームトタルエナジーもツールを通じてSES ホイールを使用し、さらにバイクはENVEのMeleeに乗っています。
そんなトタルエナジーにとって第9ステージは最高の見せ場となりました。テュルジスと彼のMeleeはグラベル含む200km走破し、トロワでステージ優勝を果たしました。これはチーム史上最大の勝利となったと同時にENVEのMELEEがツールではじめて勝利した瞬間でもありました。





第2週 — ヴィンゲゴーが反撃するも、ポガチャルが怒涛の反撃
第11ステージでポガチャルは勝利に向かって突き進んでいるように見えましたが、ヴィンゲゴーが徐々に追い上げ、誰もが驚いたことにヴィンゲゴーはポガチャルを追い抜いてステージ優勝を果たしました。この時ポガチャルは疲れが出てきて勢いを失ったようにも見え、ヴィンゲゴーは調子を取り戻してきたようにも見えました。


しかし、ポガチャルとUAEチームエミレーツは、14ステージと15ステージの連続山頂フィニッシュに向けて2日間調整し山岳での大規模な週末に向けて準備を進めました。
ツールドフランス開幕前のツール・ド・フランス プレビューで、私たちはポガチャルがツールを制するのにかかる登りタイムを推定していましたが、実際にはポガチャルは誰も予想しなかったほど速く走り、登りの歴代記録を数分間も更新しました。第14ステージでは、前待ちをしていたアダム・イェーツに追いつき、ヴィンゲゴーとエヴェネプールを抑えるチームプレーで勝利しました。
14ステージでのこの勝利は素晴らしく印象的な勝利でしたが、第15ステージでの自転車競技の歴史に残るポガチャルのパフォーマンスを見てしまうと印象が薄れてしまいます。


ポガチャルが記録を更新する以前、プラトー・ド・ベイユの登りの記録は45分弱でした。
開幕前のプレビューでは、ポガチャルが記録を更新するであろうとプラトー・ド・ベイユを43~44分で登ると予想していましたが実際にはポガチャルはプラトー・ド・ベイユを39分30秒で登りました。
これは5分近くの更新であり驚きが隠せません。

ポガチャル – ベイユ高原
所要時間: 43~44 分
推定VAM: 1,750~1,850 Vm/h
実際の時間: 1,861 Vm/h で 39:30
VAMについて
登山のパフォーマンスを測定する方法はさまざまですが、ここでは VAM を使用して、ポガチャルの推定パフォーマンスを比較します。
VAM とは 1 時間あたりに登る垂直メートル数の推定値です。
VAM は垂直方向の速度と考えることができますが、登りの長さと勾配に大きく影響されます。たとえば、急勾配の短い登りでは、高い VAM となりやすいです。
一般的に1,500 Vm/h を超えるとどのような地形でも高い数値とされています。
ほとんどのアマチュア ライダーは 300 ~ 600 Vm/h 程度になり、ワールド クラスのライダーのVAMは 1,800 Vm/h を超え、特に長い登りや暑い中、高地など過酷な場所での登りではVAMの差が大きくなります。
第3週 — 3連続ステージ優勝でツール・ド・フランスを制覇
プラトー・ド・ベイユでの圧倒的な走りの後、ポガチャルは6ステージを残し総合順位で2位以下に4分のリードを保っていました。次に総合順位が争われる山岳ステージは第19ステージで、ポガチャルがジロの後高地キャンプを行っていたイソラ2000の山頂フィニッシュが予定されていました。3週間キャンプを行っていたイソラ2000周辺の登りのカーブや、傾斜、路面の亀裂などすべて把握していました。

第19ステージでポガチャルがイソラ2000の上りで総合順位のライバルたちに差をつけ、優勝したのは驚きではありませんでした。
しかし、次にはニースからコル・ド・ラ・クイユまでの133kmで獲得標高4,763mの登りがあり、ツールで最も過酷なステージの1つが待ち構えていました。
ここまで最高の調子を見せていたポガチャルでしたが、ジロ後の疲労がポガチャルに襲いかかるとしたら、それはこのときだと予想されていました。
ポガチャルは疲労を見せるどころか、これまで以上に強くなっていました。
彼は一度のアタックでライバルたちを置き去り、コル・ド・ラ・クイユの頂上で再びステージ優勝を果たしました。




ポガチャル – クイユ峠
時間: 39:04
出力: 1,760 Vm/h
今年のツール・ド・フランスは、パリオリンピックの影響で例年の大会とは異なり、モナコからニースまでの35kmの個人タイムトライアルで終了しました。普段モナコに住むポガチャルにとって、このコースは間違いなく特別なものでした。
マイヨジョーヌを着たポガチャルは、タイムトライアル中にUAEチーム・エミレーツのチームカーに向かって3本の指を立て、ツール・ド・フランスでの3度目の勝利を象徴し、第21ステージでも1分の差を付け、総合優勝を自ら祝う形でステージ3連勝を達成しました。
3週間を振り返って
3週間通じてポガチャルはリラックスして楽しそうに、上り坂も下り坂も飛ぶように走り、最終タイムトライアルで 1 分以上の差をつけて優勝しました。コーチの交代やトレーニングスケジュールの見直しなど、何ヶ月にもわたる調整のうえ26年ぶりのジロとツールのダブル制覇を達成しポガチャルは、最高の結果を残しました。
3 週間のレースで、ポガチャルは 6回のステージ優勝と通算3回目のツールドフランス総合順位を達成しました。簡単に言えば、ツール ド フランス史上最も圧倒的なパフォーマンスの 1 つだったと言えるでしょう。
ENVEにとっても、初めてのマイヨジョーヌと、Meleeが初のグランツールステージ優勝を果たした記念すべき3週間でした。