山岳ステージで「勝てる」軽量ホイールSES4.5 PRO

ENVE SES4.5 PRO は、レースで勝てるホイール。つまり山岳ステージを勝つために開発された、軽量かつ高性能なロードホイールです。
これまでの万能型ホイール SES4.5のよさを残しながら、「山岳」に特化した軽量設計です。


開発背景 — 「軽さ」と「エアロ性能」の両立への挑戦

近年、グランツールをはじめとする長距離/高低差レースでは、登坂区間でも空力効率が勝敗を大きく左右します。

しかし、純粋な軽量ホイールではエアロ性能が犠牲になりがちです。

その矛盾を解決すべく、ENVE は「軽量かつエアロ効果を大きく失わないホイール」を目指し、既存モデルSES4.5 を徹底的に再設計。こうして「SES4.5 PRO」が誕生しました。 

高いエアロ効果を持ちますが、純粋なエアロ効果ではSES4.5が高くなります。


軽量化で登坂で「伸びる」ホイール

50mmのハイト持ちながら、前後セット重量 1,295 g を達成しました。 

軽量化を達成するため、リムハイトを既存のSES4.5から前後とも1 mm下げた49 mm / 55 mmに設定。 リム内幅を25mmから23.5 mm に絞り、不要な重量を削減。

これにより、登坂時の踏み出しが軽く、「重さを気にせず加速できる」走りを可能にしています。


エアロ性能を失わず、高速登坂でも「伸びる」

ただ単に軽くするのではなく、リム形状やカーボン素材、ラミネート工程を見直し、エアロ効果をできる限り維持。 

SES4.5と同じフックレスシステムと同じ方法でタイヤを固定。またENVE特許技術のワイドフックレスビードを使用することで耐パンク性も維持していますがフックレスビード下部を削ることにより、余分な重量を排除することに成功。

青: SES4.5 PRO/ピンク: SES4.5

UCIのルールに合わせるため、わずかなフックが生み出されましたが、実際のタイヤの固定方法はフックレスシステムと同じとなり、フックレスビードながら、空力と耐パンク性を高次元で両立。これにより、タイヤの接地感と安心感を保ちつつ高速巡航が可能。

この設計により、単なる「軽さ偏重ホイール」ではなく、「実戦的に使える軽量ホイール」として機能します。


PRO仕様ハブとベアリングで「回転抵抗を抑えた」駆動感

新設計の INNERDRIVE PRO ハブ を採用し、ハブシェル、ベアリング、ラチェット、スプリングまで見直し。 

ベアリングには グレード5 のセラミックボール を使用。抵抗を抑えつつ回転の滑らかさと信頼性を両立。 

フリーラチェットは 40T。深い噛み合わせで、パワー伝達効率とレスポンスを重視。 

結果として、登坂でも平坦でもハブの抵抗を気にせず、力を無駄なく推進力に変える設計です。


スペック

  • リムハイト(F / R):49 mm / 55 mm 
  • リム内幅:23.5 mm 
  • 推奨タイヤサイズ:28 mm 
  • 前後セット重量:1,295 g(リム重量 合計 752 g) 
  • ハブ:ENVE INNERDRIVE PRO(セラミックベアリング + 40Tラチェット) 
  • スポーク / ニップル:Alpina Ultralite Aero R5 + Alpina Nylock Alloy 
  • 対応フリーボディ:Shimano HG / MS、Campagnolo N3W、SRAM XDR 
  • ブレーキタイプ:DISC(チューブレス対応) 

まとめ — 数値が示す以上の「勝てる」ホイール

「軽さ」「エアロ性能」「駆動効率(回転抵抗の低さ)」を高次元で両立させた SES4.5 PRO は、数値以上に“体感”でその価値がわかるホイールです。

登坂での踏み出しの軽さ、巡航での伸び、そしてハブの回転の滑らかさ。これらを一つにまとめ、「山岳ステージで勝つために妥協を許さない」というブランド哲学を体現する設計です。

もしあなたが山岳を含むロングライドやレースを志すのであれば、SES4.5 PRO はその潜在能力を最大限引き出せる装備となるでしょう。