オグデンで人の手で作られるENVEのホイールとは-ENVEファクトリーツアー

前回ではENVEのあるアメリカ ユタ州 オグデンを巡り、オグデンという土地を知ることができました。

オグデンについてはこちらから

https://www.cog.inc/enve/archives/10550

ENVEのある街オグデンについて学んだ翌日。
いよいよENVEファクトリーツアーに参加します。


いきなりですが、

ENVEのホイールは今でもアメリカで製作されている

ことはご存知でしょうか。

ENVEのホイールは
今でもアメリカで手作業で作られています

創業当時から変わらず、本国のスタッフ達が日々ホイールや一部のハンドルなどのパーツを製作しています。

今回ファクトリーツアーに参加し、実際に制作過程を見ることでよりENVEを知ることができました。様々な物や文化が集まるオグデンで作られるホイールができるまでをご紹介します。


本社工場で製品ができるまでの流れ

  • 金型作成
  • カーボンという素材について
  • 部材の作成
  • 重ね合わせ
  • 焼き上げ
  • 仕上げ
  • 組み立て

製品だけではなく金型から自社で作成

実はカーボン製品を製作するために必要な金型からENVEで製作しています。

大きなアルミの板をCNCで金型へ加工します。
金型を製作し、丁寧に綺麗にすることで、ENVEの特徴的な塗装しない製品作りが可能となります。

この金型の綺麗さへのこだわりは強く何度も使用すると改めて作り替えられるほどの徹底ぶりです。


カーボンという素材の本質

「自転車界ではカーボンと言うだけで良いものに見せていたり、
どこの、どのカーボンが使われているかなどに注目が集まっていますが、
本当に重要なことはカーボンをどのように使用するかです」

工場を回り始める前に、まずカーボンについて説明を受けました。

オグデンでは航空産業や宇宙事業が行われており、カーボンが盛んな街ですが、ENVEでは

日本製のハイグレードなカーボン

が使用されています。

この大きなロールはカーボンに接着剤が付けられた状態で、単一方向に繊維が編み込まれており、

この単一方向のカーボンは繊維に沿えば簡単に手で割くことができますが、方向を変えると車も牽引できるほど強度が出ます。

この方向を組み合わせることがカーボンではとても重要です。

動画のようにしなる方向、強度を出す方向を調整することで適切な剛性、振動吸収を調整できます。


大きな冷凍庫でカーボン素材を保管

カーボンは生物のようなものです。冷凍庫に入れておくことで鮮度は保たれますが、冷凍庫から出して温度が上がると鮮度が落ちてしまうため、冷凍庫で保管されています。


シートからレーザーで部材作成

大きなシートを複数枚重ね合わせ、部材ごとにレーザーでカットされます。

切り出された部材は、各製品ごとにまとめられ次の重ね合わせの工程に移動します。


最重要!カーボンレイヤリング

製品ごとにまとめられた部材は綺麗に保たれた金型に合わせて、重ね合わせ方は製品により異なり、数枚から十数枚となり、剛性やパーツの曲がり方などによって異なります。

初めにカーボンの説明を受けた通り、カーボンのレイヤリングはノウハウの蓄積であります。
貼り合わせる向き、何枚重ねるか、どこの部分にどのように強度を持たせるかなどをコントロールしています。

この重ね合わせは、製品にとって重要な工程のため、研修期間が必要となり最低でも半年から1年のトレーニングを行います。
品質やスピードなどの一定の基準を満たしたと認められてから初めて製品の製作を行うことが可能となります。

そのためENVEのリムにはカーボンを貼り合わせた担当の名前が記載されています。

リムの場合ここのタイミングでニップルホールが作成されます。
成型後、リムに穴を開けないため、カーボンの繊維は繋がったまま製作することが可能となり、リムが薄く、乗り心地の良いホイールを制作することが可能です。

ENVEではこれまでに20万本以上手でリムが製作されており、この中には20年以上リムを製作している方もおり、難しいパートを任せられているそうです。


焼き上げ

認められた職人が金型に貼り合わせた製品は、焼き上げの工程に移ります。

焼き上げの工程では1度焼くと、丁寧に金型を掃除し、常に綺麗に保たれています。
このおかげで、塗装や化粧層を必要としない綺麗な表面を作ることができます。


仕上げ

焼き上げられたリムは、機械で大まかにバリを取った後は手作業で磨かれていきます。
リム表面やチューブレスビードなどを丁寧に磨き上げられます。

仕上げを人の手で行うことで、なにか異常があればここで気付くことができ、検品も兼ねています。

アメリカで行われているカスタムロードというジオメトリーやカラーをオーダーできるプログラムもあるのですがこれらも、ここオグデンで組み上げられ、「ENVE Paint Lab」でペイントされます。

カスタムロードの他にも限定カラーなどもここでペイントされています。


一本一本丁寧に組み立て

仕上げられたリムはストックされ、組み立て作業に移ります。

大まかに機械で組み上げられた後、ここでも一本一本、人の手でテンションなど検品、仕上げを行いながら組み立てられます。

最後にデカールが貼り付けられ製品として出荷されていきます。


まとめ

ENVEのホイールや多くの製品には文字通り、多くの手が関わっています。
本社機能、開発機能、サポート機能、工場機能、これら全てが1拠点に集まっているため、徹底した品質管理や、トラブルが起きた際の急速な改善など一拠点に集まりそれぞれのスタッフが近くにいるからこそ高水準が保たれています。

実際にはこれらの製品が生産されるプロセスの前にも試作、テスト、デザインなど多くのプロセスもまた多くの手を通り商品化されています。

なぜ多くのメーカーが海外に工場を持ち、製品を製作している中で、ENVEはコストのかかるアメリカで本社機能と工場が一体化しているのか。

それは一番は自分たちが「乗りたい」「使いたい」ものを作っているからだと思います。
使いたいものを作るには自分たちがテストを行い、すぐに形にし、調整を行う事が大切でそのサイクルを早めるには製品に関わる全員が近くにいる事が必須だからです。


本社工場で作られている製品はこちら

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さらにENVEを知る

ファクトリーツアーの前日、ENVEのあるユタ州オグデンについても知る事ができました。

ENVE本国スタッフが語る、HAND MADE IN OGDENにこだわる理由

オグデンについてはこちら

https://www.cog.inc/enve/archives/10550