ポガチャル、7年ぶりのブエルタで好スタート|コースに合わせるENVEのホイール選択

7年ぶりにブエルタ・ア・エスパーニャへ戻ってきたタデイ・ポガチャル。

2019年、20歳で初めて出場したブエルタでは総合3位、ステージ3勝。まだグランツール初挑戦だった若手ライダーは、2026年、5度のツール・ド・フランス総合優勝を持つ世界王者として戻ってきました。

そして今回は、スタート直後から速さを見せています。

開幕のモナコ個人タイムトライアルを制すると、第4ステージのアンドラでは残り約50kmから単独アタック。そのまま2位以下に2分39秒差をつけ、総合でも大きなリードを築きました。

まだ21ステージ中4ステージを終えたばかり。

それでも、7年ぶりのブエルタは早くも大きく動き始めています。


7年前は20歳。今は5度のツール王者

ポガチャルが最後にブエルタを走ったのは2019年。

当時はプロ1年目の20歳でしたが、初めてのグランツールでステージ3勝、総合3位。現在につながる力を初めて3週間のレースで見せた大会でもあります。

そこから7年。

ツール・ド・フランス5勝、ジロ・デ・イタリア総合優勝、世界選手権制覇など、多くのビッグレースを勝ってきました。

そのポガチャルに残されているグランツール総合優勝が、ブエルタです。


モナコの9.4kmTTから始まった総合争い

第1ステージは、モナコ市街地を走る9.4kmの個人タイムトライアル。

短い距離ながら、コーナー、アップダウン、加速を繰り返すテクニカルなコースです。
ポガチャルはここを10分57秒で走り、初日からステージ優勝とリーダージャージを獲得しました。

今回のブエルタでは、TTにSES 100 PROとSES Disc PRO、ロードステージではSES 4.5 PROを中心に、よりエアロ性能を重視するステージではSES 6.7を使い分けます。

平坦、山岳、TTで同じホイールを使うのではなく、その日の速度域とコースに合わせて選ぶ。

3週間のステージレースだからこそ、SESシリーズの選択肢が生きてきます。


9,000m以上を上る最終山岳。SES 2.3が選ばれる可能性も

総合争いの大きなポイントになるのが、第19・20ステージです。

2日間の獲得標高は合計9,000m以上。第19ステージはPeñas Blancasへの山頂フィニッシュ、第20ステージは大会のクイーンステージとしてCollado del Alguacilを目指します。

最終となるCollado del Alguacilは8.3km、平均勾配10%。さらに第20ステージには、平均8〜10%の大きな上りが4つ組み込まれています。

ここまで勾配が厳しくなると登坂速度は下がり、空力性能だけでなく重量の影響も大きくなります。

そこで注目したいのが、これまでポガチャルがレースで使用していないSES 2.3です。


SES 4.5 PROかSES 2.3か。6.8kgに近づけながら空力をどこまで残すか

ここで改めてSES4.5PROとSES2.3のスペックを比較してみます。

SES 4.5 PROSES 2.3
リムハイト 前/後49 / 55mm28 / 32mm
リム内幅23.5mm21mm
ホイール重量1,295g1,248g
ハブINNERDRIVE PROINNERDRIVE Premium
最適タイヤ幅27〜28mm27mm
方向性エアロ+軽量登坂での軽量性

SES 4.5 PROは1,295g、SES 2.3は1,248gなので、ホイールだけを変更すると約50g軽くなります。

ポガチャルがメインで使用している無塗装のY1RsにSES 4.5 PROを組み合わせた仕様は、実測7.25kg。

同じパーツ構成を前提に単純計算すると、重量は次のようになります。

組み合わせ推定重量
Y1Rs + SES 4.5 PRO7.250kg
Y1Rs + SES 2.3約7.203kg
V5Rs + SES 4.5 PRO約6.862kg
V5Rs + SES 2.3約6.815kg

V5Rsに変更するだけでも、SES 4.5 PROを残したままUCI最低重量の6.8kgにかなり近づきます。

この組み合わせなら、49mm/55mmハイトによる空力性能を残しながら、山岳での重量も抑えられます。

一方、SES 2.3は28mm/32mmとリムハイトが低く、重量をさらに約47g削れます。

さらにプロ独自のカスタマイズとして可能性として考えられるのが、SES 2.3のハブをINNERDRIVE PROへ変更する仕様です。

通常のハブからPROハブへの変更をスペック上約60gの軽量化として計算すると、SES 2.3は約1,188g相当。

Y1Rsに組み合わせた場合でも、約7.143kgまで軽くなる計算です。

V5Rsまで組み合わせれば、計算上は6.8kgを下回るため、実際にはUCI最低重量に合わせて調整することになります。

ただし、軽ければ必ず速いわけではありません。

SES 4.5 PROには高速域での空力性能があり、平坦、緩斜面、下りまで含めれば、そのメリットは大きくなります。一方、平均10%前後の上りでは速度が下がり、重量を削る意味がより大きくなります。

重量だけでも、エアロだけでも決められない。

第19・20ステージでは、V5Rsへ変更するのか。SES 4.5 PROを残すのか。それとも、これまで使ってこなかったSES 2.3まで投入するのか。

ポガチャルとUAE Team Emirates-XRGが、コースに対してどこまで空力を残し、どこから軽さを優先するのか。レース展開と同時に、機材選びにも注目したいステージです。


7年前に始まった場所で、残されたグランツールを狙う

20歳で総合3位。

7年後に戻ってきたブエルタでは、序盤からステージ勝利を重ね、総合争いでもリードを築いています。

ただし、まだ多くのステージが残っています。

SES 4.5 PRO、SES 6.7、SES 100 PRO、SES Disc PRO、そして必要になればSES 2.3。

コースに合わせてホイールを選びながら、ポガチャルは自身に残されたグランツール総合優勝を狙います。

7年前、グランツールでのキャリアが始まったブエルタ。

今度は、そのタイトルを獲りに戻ってきました。

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山岳を極める新王者