【GRODEO前日・その2】最高峰の洗礼、極秘機材のサプライズ、そして世界に挑むGrumpy “たけちゃん” のカスタムペイント。

オグデン滞在2日目。
いよいよ明日がGRODEO(グロデオ)本番という金曜日、私たちの興奮とお腹(胸いっぱいの意味で)は、早くも限界を迎えようとしていました。

本番を前にしてあまりにも濃密すぎた、「GRODEO前日」の一日をレポートします。

街から15分でダートへ。
極上グラベルと「薄い空気」の洗礼

金曜日の早朝、せっかくのアメリカ、これは時間を無駄にできない!
元プロロード選手の佐野さんと共に、まずは軽く足慣らしのモーニングライドへ。

驚いたのは、オグデンの街中から自転車を走らせてわずか10-15分ほどで、山を取り巻くダイナミックな極上グラベルロードへと突入すること。
このアクセスの良さは、まさにグラベルの聖地、いやグラベルが日常と化しています。

しかし、ここはすでに標高約1,100m(日本の峠の頂上レベル)。少し息が上がるだけの運動で空気の薄さをビンビンに感じます。
さらに現れたのは、いきなりのタフなシングルトラック。

「お、重い……身体が……!いや、オレの体重が重いだけ?!」と冗談を言いつつ、さっそくオグデンの軽い洗礼を受ける佐野さん。

長距離耐性・フラットな路面にはめっぽう強い佐野さんだが「えっ、明日ってこんなコースなの?」緊張感が一気に高まります。

ENVE本社でのビッグサプライズ!
極秘の足回りをセットアップ

朝食を済ませ、早めの時間にENVE本社へ。
そこで私たちを待っていたのは、なんとビッグサプライズ!
特別に最新の「G SES」ホイールを借りられることになっていたのです。

「太いなーー!!」

思わず声が出るほどの圧倒的なボリューム感。
しかし、公式ギアガイドの「42〜44mm以下は一人もいない」という言葉を思い出しながら、期待を込めてバイクに装着。
(これが明日、文字通り“真価”を体感することになるとは、この時はまだ知る由もありませんでした…)

未来の新製品??

さらに、スタッフのバイク置き場を覗くと、明らかに大きなバイクが、いやフレームも大きいがホイールも大きい、ガチで乗られているホットな32インチのグラベルバイクを発見。
隣の700cが小さく見えます。
リムをよく見ると…


それ以外にも、あちこちに怪しげな開発中のサンプルを装着したバイクが何台も。
さすが世界最先端のブランドです、サラッと置いてあるバイクの戦闘力が違います。

塵ひとつない「ファクトリーツアー」で、ENVEの真髄を見る

その後は、念願のファクトリーツアーへ。
素材を冷凍の保管庫からダイレクトにカーボンレイヤー職人に、さまざまな工程を経てオーブンまでが、無駄なく非常に効率的。


リムやバーをカーボン職人が手作業で積層していく工程など、これまで言葉や映像では聞いていましたが、実際の現場を目の当たりにすると「これは良いものだ……」と心の底から実感。

驚いたのは、工場の圧倒的な綺麗さです。
カーボンの成形や切削を行う現場なので、多少の粉塵があるのかと思いきや、信じられないほどクリーンで整理整頓が行き届いていました。

この徹底した品質管理こそが、世界中のサイクリストから信頼されるENVEクオリティの源泉なのだと納得させられます。

一つの袋にまとまっているのが1本のリムに使う部材。
ここからカーボンレイヤー職人が貼り合わせていきます(工程は企業秘密が多く撮影NG)

もちろんTestLabも設置されています。
過酷なライドに耐えられるようなさまざまなテスト(ここも基本撮影NG)して、安全性を実証します。
右端のボックスはエアをリム内に漏れるようにして爆発させるマシン。

コースのポテンシャルを覗く、14時のプレビューライド

ここまでで既にお腹いっぱいですが、GRODEOのタイムスケジュールは止まりません。
14時からは、本番コースのラスト10マイル(約16km)をみんなで先取りして走る「ソーシャルライド」が開催。

アメリカ、そして世界中から集まったグラベルジャンキーたちと肩を並べて走ったのですが……。
ちょっと覗いただけのコースポテンシャルが、とにかく良い意味でやばい。
日本のグラベルの概念を軽々と超えてくるスケール感に、「明日、本当に走りきれるのか?」と全員の顔が引きつります。

広島から世界へ!
Grumpyペインター “たけちゃん” の快挙

16時を過ぎると、いよいよ前日受付を兼ねた「オープンハウス」が本格的にスタート!
せっかく世界中からライダーが来ているんだからと、30分おきにファクトリーツアーが怒涛の勢いで開催され、会場内は異様な熱気に包まれます。

そして、本日のハイライトである「カスタムペイントショー」が開幕。
会場には、美しく塗装されたMOG、MELEE、CUSTOM ROADがずらりと集結。その数、総勢24台。

ほとんどがアメリカ国内の名だたる高名なペインターによる作品なのですが、4台だけ選ばれた海外ペインターの中に、なんとGrumpyのペインターである“たけちゃん”の作品が展示・ノミネートされたのです!

事の経緯は、昨年ENVEのFredが来日した際、広島でのライドで意気投合。
「今度オグデンに来てよ!その時はバイクもペイントして展示しようぜ!」という最高のノリから実現したこの快挙。日本のクラフトマンシップと伝統技法が、ENVE本社で世界中のサイクリストの視線を浴びています。

展示は投票形式。
目の肥えたアメリカのグラベルギークたちを相手に、さて、結果はどうだったのでしょうか……!?

期待と不安を、タコスとビールで語り合う夜

夜20時まで続いた宴の相棒は、地元のクラフトビール屋がこの日のために仕込んだ特別な“ENVE CRAFT BEER”と、最高のタコス。

目の前に並ぶ世界最高峰のカスタムペイントバイクたちを眺めながら、世界中のライダーたちと「明日のあの激坂、ピザ皿スプロケじゃないと絶対無理だよな」「斧投げエイドで会おうぜ!」と、期待と不安を語り合う、あまりにも素晴らしい時間が流れていきました。

さあ、前夜祭としてはこれ以上ないほど完璧な1日が終わりました。
明日は朝5:30から受付、7:00には泣いても笑っても本戦のスタートです。

ユタ州オグデンの荒野へ、いざ出陣。明日の本戦レポートを、どうぞお楽しみに!