2026年のツール・ド・フランスで、ポガチャルはステージ5勝を挙げ、通算5回目となる総合優勝を達成しました。さらに、ツール初出場のイサーク・デルトロもステージ1勝、総合3位、新人賞を獲得。UAE Team Emirates-XRGは、2人のライダーを総合表彰台へ送り込みました。
「最高のホイールを作ってほしい」
ポガチャルからENVEへ伝えられた、シンプルで難しい要求。その答えとして生まれたのが、SES 4.5 PROです。
その走りを支えたのが、コースに合わせて選び抜かれたENVE SESホイールです。
山岳ステージでも選ばれたSES 4.5 PRO
ポガチャルは、平坦ステージを除く多くのロードステージでSES 4.5 PROを使用しました。

SES 4.5 PROのリムハイトは、フロント49mm、リア55mm。セット重量は1,295gです。
一般的な軽量ホイールに近い重量でありながら、高速域での空気抵抗を抑えられるリムハイトを備えています。
山岳ステージにも、平坦区間や高速の下りはあります。
リムを低くして重量だけを抑えるのではなく、登坂で必要な軽さを保ちながら、勾配が緩む区間ではエアロ性能を活かす。SES 4.5 PROは、山頂までではなく、ステージ全体の速さを考えた選択です。
上りで加速しやすく、平坦や下りでも速度を保ちやすい。そのバランスが、ポガチャルの攻撃的な走りを支えました。

平坦ステージでは開発途中の高ハイトホイールを使用
平坦ステージでは、SES 4.5 PROよりもリムハイトの高い、開発途中のホイールが選ばれました。

現在のプロロードレースでは、機材に関するルールも変化しています。
ENVEは新しいルールへ適応しながら、高速域での空気抵抗をさらに抑える高ハイトホイールの開発を進めています。
平坦ステージでは、高い速度で集団内を走り続けます。横風区間や位置取り、ゴール前の高速化まで考えると、軽さ以上に速度を保つ性能が重要になります。
SES 4.5 PROをすべてのステージで使うのではなく、その日のコースに合わせて開発機材まで投入する。UAEとENVEは、ステージごとに最も速い組み合わせを選んでいます。
TTではSES 100 PROとSES DISC PROを使用
個人タイムトライアルでは、フロントに100mmハイトのSES 100 PRO、リアにSES DISC PROを使用しました。

TTでは単独で風を受け続けるため、ロードステージ以上に空気抵抗がタイムへ影響します。
SES 100 PROとSES DISC PROは、UAE Team Emirates-XRGとの共同開発を通じて誕生したTT用ホイールです。
高速域での空気抵抗を抑え、ペダリングを止めずに速度を保ちやすくする。短い加速だけではなく、ゴールまで高い速度を維持するための組み合わせです。
開幕のチームタイムトライアルでは228g軽量化
第1ステージのチームタイムトライアルでは、通常とは異なる計時方式が採用されました。
チーム4番目の選手ではなく、各選手がフィニッシュしたタイムが、そのまま個人総合成績へ反映されるルールです。
そのためUAEは、全員が同じ機材を使うのではなく、選手の役割とコース終盤の上りに合わせてホイールを変更しました。
ポガチャル、デルトロ、アダム・イェーツは、フロントのSES 100 PROをSES 4.5 PROへ変更。カタログ値を基準にすると、フロントホイールだけで228g軽量化した組み合わせです。

高速区間ではリアのディスクホイールによるエアロ性能を活かし、最後の上りではフロントの軽さを使って加速する。
最大のエアロ性能だけを選ぶのではなく、コース後半で必要になる走りまで考えたセッティングです。
Y1RsとV5Rsを使い分けた2人の選択
ポガチャルは、エアロロードのColnago Y1Rsを中心に使用しました。

高速化した現在のロードレースでは、山岳ステージでも平坦や下りでの空気抵抗が無視できません。ポガチャルはY1RsとSES 4.5 PROを組み合わせ、登坂の軽さだけに偏らないセッティングを選んでいます。


一方、デルトロは山岳ステージで、より軽量なColnago V5Rsを使用しました。

V5RsにはENVE SES Aero PRO One-Piece HandlebarとSES 4.5 PROを組み合わせ、UCIの最低重量である6.8kgへ近づけています。


ポガチャルはエアロ性能を重視したY1Rs。デルトロは軽量なV5Rs。
同じチームでも、ライダーの走り方とコースに合わせてバイクを使い分ける。その細かな機材選択が、総合優勝、総合3位、新人賞という結果につながりました。
供給契約を超えたUAEとENVEのパートナーシップ
UAE Team Emirates-XRGは、プロロードレースにおけるENVE唯一のパートナーチームとして、ENVEのホイールとコンポーネントを使用しています。

この関係の中心にあるのは、製品を供給することだけではありません。
選手やチームスタッフと綿密に連携し、レースで得たフィードバックを次の開発へ反映する。SES 4.5 PRO、SES 100 PRO、SES DISC PROも、その積み重ねから生まれました。



軽さだけでも、エアロだけでもない。
実際のレースで勝つために必要な性能を、選手とエンジニアが一緒に探し続ける。ENVEとUAEは、最高の機材を作り続けるという共通の目標で結ばれています。
ポガチャルとデルトロのバイクセッティング
タデイ・ポガチャル

| パーツ | 使用機材 |
|---|---|
| フレーム | Colnago Y1Rs |
| ホイール | ENVE SES 4.5 PRO |
| ハンドル | Colnago Y1Rs Integrated |
| タイヤ | Continental GP5000 TT TR 28mm |
| サドル | Fizik Argo Adaptive カスタム3Dプリント |
| コンポーネント | Shimano Dura-Ace Di2 |
| チェーンリング | Carbon-Ti |
| パワーメーター | 使用 |
| ボトルケージ | Elite Leggero Carbon |
| その他 | Carbon-Tiディレイラーハンガー、ボルト、スルーアクスル、Bikone Aero BSAボトムブラケット |
イサーク・デルトロ

| パーツ | 使用機材 |
|---|---|
| フレーム | Colnago V5Rs Black Edition |
| ホイール | ENVE SES 4.5 PRO |
| ハンドル | ENVE SES Aero PRO One-Piece Handlebar |
| タイヤ | Continental GP5000 TT TR 28mm |
| サドル | Fizik Vento Antares 00 |
| コンポーネント | Shimano Dura-Ace Di2 |
| チェーンリング | 54/40T |
| パワーメーター | 使用 |
| サイクルコンピューター | Wahoo ELEMNT BOLT |
| その他 | Carbon-Tiディレイラーハンガー、ボルト、スルーアクスル |
まとめ
SES 4.5 PROは、フロント49mm、リア55mmのリムハイトと、1,295gのセット重量を備えています。
この数値が意味するのは、山岳用ホイールに近い軽さを保ちながら、平坦や下りでもエアロ性能を活かせることです。
上りでは加速しやすく、勾配が緩めば速度を伸ばしやすい。長い下りや平坦区間でも、低いリムより速度を保ちやすくなります。
平坦では開発途中の高ハイトホイール、TTではSES 100 PROとSES DISC PROを選択。その中心で、最も多くのロードステージを担ったのがSES 4.5 PROでした。
「最高のホイールを作ってほしい」という要求に、軽さだけではない答えを出す。
ポガチャルの総合優勝とステージ5勝、デルトロのステージ勝利、総合3位、新人賞は、UAEとENVEが続けてきた共同開発が、レースの結果へつながったツールとなりました。


