全長1,900kmキルギスを渡るシルクロード・マウンテンレースの体験記

写真家であり探検家でもあるChris Burkard(クリス・バーカード)は、キルギスを舞台にした世界で最も過酷な自転車レースのひとつ「Silk Road Mountain Race」に挑戦し感想。

この記事はレースを終えたバーカードが語るシルクロード・マウンテンレースのレビューです。


総距離およそ1,930kmに及ぶこのルートは、想像を超えるほど過酷な地形を走破するものです。

彼にとってそれは単なるレースではなく、登山の経験、自転車旅の知識、そして精神的な限界までも試される本格的な探検でした。

「シルクロード・マウンテンレースを“自転車レース”と呼ぶのは難しいですね。実際にはもっと別のものに感じます。標高3,000メートルを超える山々を延々と進み、何度も約4,000メートルを超える地点に達する。その時間の長さと過酷さは、経験豊富なアスリートでさえ息を呑むほどです。」

「およそ1,930kmに及ぶ過酷なルートの中で、約48kmは自転車を押して歩く“ハイク・ア・バイク”区間でした。その道のりでは、これまで培ってきた登山のスキルや、僻地で過ごした経験のすべてが試されました。

特に核心となったのは幾度も続く川渡りです。
丸一日、足が冷たく濡れたままのこともありましたし、真夜中に川を渡るときなどは、誰か他のライダーが来てくれないかと願う瞬間さえありました。」

「補給ポイントから次の約400kmの“何もない区間”を走り切るために、どれだけのカロリーを確保すべきか。あるいは風雨を避けつつ、高地を避けてビバークできる場所を選ぶか。そうした一つひとつの判断が、このレースを“全身で味わう”体験にしてくれました。」

「今年はこれまでで最もリタイアが多い年だった中で、私は4位でフィニッシュしました。
この壮大な挑戦の代償として、バイクも身体も少し傷つきましたが、それ以上に得たものが大きい。自分が思っていた“限界”を超える経験になりました。」


シルクロード・マウンテンレースとは?

キルギス第2の都市オシュをスタートし、カラコルでフィニッシュする「シルクロード・マウンテンレース」は、全長1,900kmにおよぶキルギスでもっとも美しく、もっとも野性的な大地を走り抜けるレースです。

世界中のサイクリストから尊敬を集めるこの大会は、今年で第7回を迎え、テーマは「探検」。
今回のルートでは、過去に一度も使われたことのない729kmが新たに加わり、30kmのハイク区間を含む冒険的な構成となっており、過去の大会で特に人気の高かった区間も再び登場します。

キルギスの最果ての地を結び、高地を登り、移り変わる天候の脅威と向き合いながら、人々の温かさ、そして果てしなく続く美しい風景を全身で体験する旅でもあります。

このイベントは、未舗装の山岳ルートを2,000km以上走破し、気温の急激な変化、食料や水の不足、そして精神的・肉体的な限界と向き合います。

レースで使用されていたホイール

¥468,600 (税込)

M5シリーズ並の重量を保ちながらエンデューロやトレイルライドでの耐久性を確保したオールラウンドMTBホイール